SSブログ
プリファブ・スプラウト ブログトップ

FROM LANGLEY PARK TO MEMPHIS / PREFAB SPROUT [プリファブ・スプラウト]

IMG_1468.jpg


 ラングレー・パークからの挨拶状 / プリファブ・スプラウト
  01. キング・オブ・ロックンロール / The King of Rock 'N' Roll
  02. カーズ&ガールズ / Cars and Girls
  03. アイ・リメンバー・ザット / I Remember That
  04. エンチャンテッド / Enchanted
  05. ナイチンゲイル / Nightingales
  06. ヘイ・マンハッタン! / Hey Manhattan!
  07. ノック・オン・ウッド / Knock on Wood
  08. ゴールデン・カーフ / The Golden Calf
  09. ナンシー / Nancy (Let Your Hair Down For Me)
  10. スープ・キッチンの女神 / The Venus of the Soup Kitchen


 プリファブ・スプラウトの3枚目『ラングレー・パークからの挨拶状』(1988)は、パディ・マクアルーンが「稀代のソングライター」という評価を決定づけた作品だと思う。前2作は「スティリー・ダン的」と評された技巧的な楽曲と、青臭いまでのシリアスさが醸し出す「みずみずしさ」が持ち味だったが、この作品では洗練されたポップでキャッチーなメロディー、そしてストリングスやコーラスワークなどゴージャスなアレンジが耳をひく。パディのソングライティングが一気に進化し開花した作品だ。しかし一方で耳当たりの良いメロディーに乗せて歌われる歌詞は、エルヴィス・プレスリーなどを題材にアメリカへの愛憎半ばする想いを綴った屈折した内容。 甘さの奥に感じるほのかな苦みがまた魅力的な作品でもある。何よりもアルバムに収録されている全10曲のうち5曲がシングル・カットされたという事実が、曲のよさを物語っている。




Hey Manhattan!

 
 熊本市下通の入り口にあった伝説のレコードショップ「マツモトレコード」の2階には輸入盤が少量置いてあって、輸入CDシングルの箱(まさしく箱だった)には結構レアなアイテムも入っていた。大学生の頃、プリファブのCDSを買ったのもマツモトレコードだった。

DSCF3386.jpg





Cars and Girls


 Cars And Girls (CDSK35)
  1. Cars And Girls
  2. Faron Young (Truckin' Mix)
  3. Real Life (Just Around The Corner)
  4. Vendetta
 ブルース・スプリングステーィンを揶揄するかのようなジャケット。「Faron Young (Truckin' Mix)」は同曲の12インチ(SKX 22)に収録されていたテイクで、オリジナルより約1分長く、『Steve McQueen』の米盤『Two Wheels Good』に収録されている。また 「Real Life (Just Around The Corner)」は 「If You Don't Love Me」のCDS(SKCD 60)に収録された。「Vendetta」は、米CBS制作の2枚組プロモ『The Crink Chronicles』を除けば初出だと思う。「Faron Young (Truckin' Mix)」以外の3曲を収録した限定の10インチ盤(SKQ 35)がある。「Cars And Girls」の12インチ(SKX 35)は、「Cars And Girls」「Vendetta」に加え、「Nero The Zero」の3曲収録だが、「Nero The Zero」も「Real Life (Just Around The Corner)」と同様、「If You Don't Love Me」のCDS(SKCD 60)に収録されており、さらにベスト盤『Kings of Rock N Roll』にも収録されている。結論として、このシングルだけでしか聴くことができないのは、「Vendetta」である。
 こちらの記事[http://www.sproutology.co.uk/collecting-2/the-essential-non-album-tracks-where-to-find-them/]によると、「Real Life (Just Around The Corner)」には3つのヴァージョンがあるそうだ。CD化された「Cars And Girls」収録ヴァージョンと「If You Don't Love Me」収録のヴァージョンを聞き比べてみたが、(PC表示では3秒ほど違いがあるが)どちらも同じだった。




The King of Rock 'N' Roll


 The King Of Rock 'N' Roll (CDSK 37)
  1. The King Of Rock 'N' Roll
  2. Moving The River
  3. Dandy Of The Danube
  4. He'll Have To Go
 「Moving The River」は『Steve McQueen』収録と同ヴァージョン。「Dandy Of The Danube」は初出。「He'll Have To Go」は彼らの唯一のカヴァーで、『Steve McQueen』の米盤『Two Wheels Good』に収録されている。12インチ(SKX37)は「He'll Have To Go」ではなく「Tin Can Pot」が収められている。7インチには、ポストカードとバッジがついたボックスセット(SKB37)と双六?つき(SKQ 37)の限定盤がある。このシングルでしか聴けないのは、「Dandy Of The Danube」だけであるが、12インチ収録の「Tin Can Pot」はCD化されていないと思う。


DSCF3390.jpg
SKB37




Hey Manhattan! (JFK version)


 Hey Manhattan! (CDSK38)
  1. Hey Manhattan!
  2. Tornado
  3. Donna Summer
  4. Hey Manhattan! (JFK Version)
 12インチ(SKGT 38)と同内容。タイトル曲のギターは、ピート・タウンセンドである。 SKX38 という番号で、見開きジャケットの12インチもあるが、収録曲は同じ。7インチには、SKB38という番号のポスタージャケット盤もある。「Donna Summer」はベスト盤『Kings of Rock N Roll』にも収録されている。「HEY MANHATTAN! (JFK Version)」は、
「IF YOU DON'T LOVE ME」のCD2(SKTCD60)に収録。「Tornado」だけ他で聴くことができない。


DSCF3387.jpg
SKB38


 Nightingales (CDSK 39)
  1. Nightingales (Edit)
  2. Life Of Surprises (24 Track) (The Demo Tapes)
  3. Bearpark (4 Track) (The Demo Tapes)
  4. Nightingales (Full Version)
 デモ・ヴァージョンの2曲はこのシングルでしか聴けない。「Nightingales」のアルバム・ヴァージョンは5:53であるの対し、「Edit」は4:05、「Full Version」は5:48。しかし12インチ・ヴァージョン(SKX 39)は7:26で、「Full Version」よりも長い。




The Golden Calf


The Golden Calf (CDSK41)
  1. The Golden Calf (Edit)
  2. Bonny (Live)
  3. The Venus Of The Soup Kitchen
  4. The Golden Calf (Long Version)
 タイトルは軽快なメロディーラインを持ったギターポップ。「The Venus Of The Soup Kitchen」はアルバム・ヴァージョンと同じ。「Bonny (Live)」は唯一のオフィシャル・ライヴ・テイクであり、このシングルでしか聴けない。「The Golden Calf」のアルバム・ヴァージョンが5:06であるのに対し、 「Edit」は4:03、「Long Version」は6:30である。

 パディ・マクアルーン宅には、「Bearpark」(「Nightingales」)のようなデモ音源はもとより、「Bonny (Live)」(「The Golden Calf」収録)のようなライヴ音源も眠っているに違いない。アルバム未収曲や未CD化曲も含めて、アーカイヴ音源集として整理されることを期待したい。 そう願っているのは私だけではないだろう。



ラングレー・パークからの挨拶状

ラングレー・パークからの挨拶状

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2013/07/24
  • メディア: CD


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

STEVE McCQUEEN / PREFAB SPROUT [プリファブ・スプラウト]

IMG_3656.jpg

 DISC 1
   1. ファロン・ヤング
   2. ボニー
   3. アペタイト
   4. ホエン・ラヴ・ブレイクス・ダウン
   5. グッドバイ・ルシール NO.1
   6. ハレルヤ
   7. リヴァー
   8. ホーシン・アラウンド
   9. ディザイアー
   10. ブルーベリー・パイ
   11. エンジェル

 プリファブ・スプラウトの2ndアルバム(1985年)。記憶が定かではないけど、前作『スウ-ン』がわが国ではリリースされず、これが初めて国内盤がリリースされた彼らのアルバムだったような気がする。

 前作では転調を多用した、スティーリー・ダン的にヒネったメロディーが目立ちましたが、このアルバムは正攻法の必殺メロディー炸裂の1枚。トーマス・ドルビーによるエコーを効かせたサウンド・プロダクションは、ひんやりとした瑞々しい空気感を漂わせることに成功しています。その雰囲気をたとえて言うならば、「ペパーミントグリーン」。ウェンディ・スミスの透明感あふれるクリスタルのようにきらめくコーラスとも相まって、蒸し暑い真夏の夜を吹き抜ける、爽やかな一陣の風のようなアルバムです。

プロデューサーのトーマス・ドルビーは、当時ジョニ・ミッチェルの『ドッグ・イート・ドッグ』も手がけており、なんとなく似た雰囲気があります。

 現行盤は、2006年に新しくレコーディングされたアコースティック・ヴァージョンとの2枚組です。

 DISC2
   1. アペタイト
   2. ボニー
   3. ディザイアー
   4. ホエン・ラヴ・ブレイクス・ダウン
   5. グッドバイ・ルシール NO.1
   6. リヴァー
   7. ファロン・ヤング
   8. エンジェル



 
スティーヴ・マックイーン

スティーヴ・マックイーン

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2007/05/23
  • メディア: CD




Steve Mcqueen [digipack]

Steve Mcqueen [digipack]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony Bmg Europe
  • 発売日: 2007/04/02
  • メディア: CD



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

SWOON / PREFAB SPROUT [プリファブ・スプラウト]

IMG_3579.jpg

  『スウーン』
   1. ドント・シング
   2. キュー・ファンファーレ
   3. グリーン・アイザックⅠ
   4. ヒア・オン・ジ・イーリー
   5. クルール
   6. クドゥント・ベア・トゥ・ビー・スペシャル
   7. ネヴァー・プレイ・バスケットボール
   8. ゴースト・タウン・ブルース
   9. エレガンス
   10. テクニック
   11. グリーン・アイザックⅡ

 ロータス・イーターズについて書いているとき、「透明感」「リリカル」といった言葉をつかっていて、ふと思い出したのが初期のプリファブ・スプラウト。彼らの1stアルバムがこの『スウーン』(84年)。共同プロデューサーとして、彼らと同じくキッチンウェア・レーベル所属のケーン・ギャングのデヴィッド・ブリュイスがクレジットされています。

 ロータス・イーターズに比べてロック色が強いのが、この頃のプリファブ・スプラウト。パディ・マクアルーンのヴォーカルにその点は最もよく現れています。そして変化に富む複雑な曲構成も特徴。青春のイノセントな部分だけをすくい上げたのがロータスだとすれば、プリファブの1stは青春の荒ぶる心や揺れる心といったところでしょう。透明感があるのにザラザラした感じは、ダイヤモンドの原石という感じです。

 私はこのアルバム、アソシエイツとともによく暑い夏の夜に聴いていました。蒸し暑い空気を忘れさせてくれるクールミントガムのような、刺激的な清涼感をもつ作品です。ウェンディのコーラスは、まさに清涼剤。




nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

LET'S CHANGE THE WORLD WITH MUSIC / PREFAB SPROUT [プリファブ・スプラウト]

7000081811900if.jpg


プリファブ・スプラウト『レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック』

 正直言って「待ちに待った」という作品ではなかった。でも買わずにはおられなかったこの作品。パディのソロながら「プリファブ・スプラウト」名義になっているのは、もともと『ヨルダン:ザ・カムバック』のあとにリリースされる予定でレコーディングされながらお蔵入りとなった曲をパディが完成させた作品だから。だからあちこちに「ああ、ここにはウェンディのコーラスがはいるはずだったのだね」とはっきり分かる箇所がある。実際僕はウェンディのコーラスと錯覚した箇所がいくつもあった。また「トーマス・ドルビーならこうするだろう」とパディが考えたに違いない部分も多い。そう、これはパディ・マクアルーンのソロ、ではなくて「プリファブ・スプラウト」の作品だ。

 オリジナルの音源は1993年にレコーディングされたものということで、今聞くと少々違和感(=古くささ)を感じるのは確か。でも80~90年代に活躍したプリファブ・スプラウトというバンドのことを知っている人には、この作品が持つ意味は小さくないはず。それにメロディーの素晴らしさ、ヴォーカルの優しさ、カラム・マルコムによる独特の音空間......まぎれもないプリファブ・スプラウトの音世界がここにある。蒼い瑞々しさも健在だ。最初の「レット・ゼア・ビー・ミュージックはラップで始まるファンキーな曲調ながら、はっきりしたメロディー・ラインはまさにパディ節。

 でもすべての楽曲には美しさの中にもの悲しさが感じられる(そう感じるのは僕自身の感傷なのだろうか?)。93年の5月に何があったのかは知るよしもないが、パディは未完であったこのアルバムを完成させることで、プリファブ・スプラウトに決着をつけたのだろうと思う。僕も彼と同じ網膜剥離と30年以上つきあっているのだが、ブックレットに載っている写真を見ると、あまり目の状態もよくないような印象を受ける。Welcomeback, Paddy!とは手放しで喜べない。彼も言っているように80~90年代は「water under the bridge」だ。でもこのアルバムを聴きながら、昔を懐かしみ思い出にひたるのも悪くない。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽
プリファブ・スプラウト ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。