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BELLS, BOOTS & SHAMBLES / SPIROGYRA [英国フォーク三種の神器]

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 ベルズ、ブーツ&シャンブルズ / スパイロジャイラ
 01. The Furthest Point
 02. Old Boot Wine
 03. Parallel Lines Never Seperate
 04. Spiggly
 05. An Everyday Consumption Song
 06. The Sergeant Says
 07. In The Western World

 チューダー・ロッジ、メロウ・キャンドルとともに「英国フォーク三種の神器」と並び称されるスパイロジャイラ。最高傑作とされるのが、この3枚目(ラスト・アルバム)である。ファースト・アルバムのリリース時は4人組であったが、このアルバムは男女二人組のデュオになっており、フェアポート・コンヴェンションのドラマーであるデイヴ・マタックスや管弦楽のサポート・メンバー計7人がクレジットされている。
 このアルバムがリリースされたときのメンバーは、女性ヴォーカリストのバーバラ・ガスキンと、ギター&男性ヴォーカルのマーティン・コッカーハムの2人。この2人は結成当初からのメンバーだ。繊細なガスキンのヴォーカルと、ドラマティックな演奏、そしてしっかりしたリズムがよく噛み合った名作である。カーヴド・エアやルネッサンスなどの女性ヴォーカル入りプログレ系のファンにもアピールしそうなサウンドだ。バーバラ・ガスキンのヴォーカルは、やや線の細さが気になるところだが、その部分を「儚げ」な感じとしてフルートなどの演奏や古楽っぽい雰囲気とよくマッチさせた音作り。こうしたサウンドをつくりあげているのは、妹のシャーリーとの姉妹デュオで有名なドリー・コリンズ。彼女はチェロ・フルート・トランペットのアレンジ担当としてクレジットされている。ラストの大作「In The Western World」のエンディングにおけるシンフォニックといってもいい壮大な演奏と、バーバラ・ガスキンのコーラスによるアンサンブルは感動的。


ベルズ、ブーツ、アンド・シャンブルズ

ベルズ、ブーツ、アンド・シャンブルズ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Webkoo
  • 発売日: 2005/08/30
  • メディア: CD



BELLS, BOOTS AND SHAMBLES: EXPANDED EDITION

BELLS, BOOTS AND SHAMBLES: EXPANDED EDITION

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ESOTERIC
  • 発売日: 2013/09/30
  • メディア: CD



BELLS,BOOTS AND SHAMBLES

BELLS,BOOTS AND SHAMBLES

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: OCTAVE / CHERRY RED
  • 発売日: 2013/11/30
  • メディア: CD



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IT ALL COMES BACK / TUDOR LODGE [英国フォーク三種の神器]

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  1. Morocco
  2. It's Going To Take Some Time
  3. Look At Me
  4. It All Comes Back To Me
  5. Home To Stay
  6. Golden Thread
  7. Ain't Always Easy
  8. Sparkie In Your Eye
  9. It's Cold Outside
  10. One More Drink
  11. Sundown Waker
  12. We Are Today
  13. Kew Gardens
  14. The Good Times We Had

 1997年にアメリカのSCENESCOFというレーベルからリリースされたチューダー・ロッジの未発表曲集です。ジャケットには伝説的な歌姫アン・スチュワートの写真が使われているのに、彼女がヴォーカルの曲は3曲しか収録されていません。詐欺だ!といいたいところですが、チューダー・ロッジのファンには見逃せないアイテムであることには間違いありません。

 1~3は71年12月にレコーディングされたスタジオ・デモで、男性二人に加えてヴォーカルはなんとピータースのころのリンダ・トンプソン。アン・ステュワート脱退後、一時彼女がチューダー・ロッジに参加していたようです。いずれもデモとはいえ音は良く、愁いを含んだリンダの歌声が感動をよぶ名曲です。スリーヴにはリンダを含んだ3人の写真も掲載されています。4~6と10は97年2月にレコーディングされたスタジオ・デモ。4は1stのオープニング・ナンバーのリメイク。ヴォーカルは新生チューダー・ロッジのリン・ホワイトランド。6~9と12はジョン・スタナードが72年にレコーディングしたソロ・セッション。この3曲はどうでもいいテイクです。11、13、14はオリジナル・ヴォーカリストのアン・ステュワート参加のテイク。11、13はそれぞれ81年と70年のライヴ。前者にはオーバーダブがほどこされているようです。14は71年にリリースされたシングル「The Lady's Changing Home」のB面曲で、アルバムには未収だった曲。オリジナル・アルバム同様、ペンタングルのダニー・トンプソンとテリー・コックスが参加しています。

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TUDOR LODGE / TUDOR LODGE [英国フォーク三種の神器]

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『チューダー・ロッジ』
   1.帰り来る日々
   2.本当の話
   3.回想
   4.後戻り
   5.自己発見
   6.誰も聞いていない
   7.柳の木
   8.森
   9.或る男
   10.ザ・レイディ・イズ・チェンジング・ホーム
   11.マドリーン
   12.キュー植物園


 チューダー・ロッジの1st(71年)。メロウ・キャンドルとともに語られることが多いバンドですが、その印象は大きく異なります。メロウ・キャンドルがヨーロッパ的な雰囲気が強いのに対し、チューダー・ロッジにはアメリカのウェスト・コーストあたりの音楽に近い雰囲気を感じます。フォーク系という点は共通していますが、トラッド寄りか否かという点で違うように感じます。「帰り来る日々」などで、2人の男性メンバーも加わったコーラス・ワークを聞いていると、編成も同じPPMに近い感じがします。ヴォーカルのアン・スチュワート(カーヴド・エアの『ファンタズマゴリア』でフルートも吹いている)がアメリカ出身であることもあるのかもしれません。ペンタングルのダニー・トンプソン(b)とテリー・コックス(d)も参加しているので、トラッド/フォーク系として語られることが多かったのでしょう。80年代のヴァージニア・アストレイに通じる英国庭園バンドという見方も出来ますが、ベクトルは違うような気がします。
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SWADDING SONG / MELLOW CANDLE [英国フォーク三種の神器]

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メロウ・キャンドル 『抱擁の歌』
   1.天国の荒野
   2.羊の季節
   3.シルヴァーソング
   4.詩人と魔女の物語
   5.伝導鳥(黒い空、白い子ども)
   6.ダンよ、悪魔に気を付けろ!
   7.麗しきシスター達よ
   8.証拠(しるし)を壊せ!
   9.バイ・オア・ビウェア
   10.過ぎたるは及ばざるがごとし
   11.ロンリーマン
   12.墓の宝石

 英国トラッド/フォークについて語るとき、わが日本では女性ヴォーカルの人気が高いことがよくわかります。英国的雰囲気をよく伝えるトラッド/フォークの中でも、女性ヴォーカルをフィーチャーした作品は、特に「癒し度」が高いせいかもしれません。ペンタングルやフェアポート・コンヴェンション、スティーライ・スパンといった正統派トラッド~大御所のバンドとは異なり、洗練されたフォークを聴かせるバンドも多いわけですが、なかでもメロウ・キャンドル、テューダー・ロッジ、スパイロジャイラの3バンドは人気が高く、残された作品もあまり多くないことから、わが国ではこの3バンドを「三種の神器」と称しています。

 メロウ・キャンドル(英国ではなくて、アイルランドの出身)は、二人の女性ヴォーカルを擁した5人組のフォーク系ロック・バンドです。アルバムとしては『抱擁の歌』(72年) が唯一の作品ですが、高い完成度を誇る素晴らしい作品です。

 女性二人のヴォーカルは声質が異なっているため、コーラスするとオーバーダブやダブルトラッキングとは全く異なる効果を生み出していいます。夢見るような「麗しきシスター達」、軽快な「証拠を壊せ!」など曲調はバラエティに富んでいますが、全体的にクラシカルな雰囲気がただよい、洗練された統一感が感じられます。クライマックスは、二人の掛け合いが見事なエンディングの「墓の宝石」。クラシカルなロック、という点ではルネッサンスに通じる部分もあり、トラッド/フォーク好きにとどまらず、TREES同様にプログレファンにも受け入れられている1枚です。

 メンバーの一人ウィリアム・マレーはケヴィン・エヤーズのホール・ワールドに在籍したことがあり、それが縁でヴォーカルの一人クロダー・シモンズはマイク・オールドフィールドの『ハージェスト・リッジ』と『オマドーン』に参加しています。 
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