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LIONHEART / KATE BUSH [ケイト・ブッシュ]

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ケイト・ブッシュ『ライオンハート』
 01. ブルーのシンフォニー(Symphony in Blue)
 02. ピーターパンを探して(In Search of Peter Pan)
 03. ワォ(Wow)
 04. 車輪がすべる(Don't Push Your Foot on the Heartbrake)
 05. ライオン・ハート(Oh England My Lionheart)
 06. フルハウス(Fullhouse)
 07. 暖かい部屋で(In the Warm Room)
 08. カシュカの館(Kashka From Baghdad)
 09. コーヒーはいかが(Coffee Homeground)
 10. ハンマー・ホラー(Hammer Horror)

 デビュー・アルバム『天使と小悪魔』(78年)からわずか8ヶ月後の78年11月にリリースされた2ndアルバム。鮮烈な1枚目と、初めて全英チャート1位を獲得した次作『魔物語』(80年)に挟まれているため、彼女の作品の中ではやや影が薄い印象だが、英国的陰影に富んだ素晴らしい作品である。
 アルバム・タイトルの「ライオンハート」といえば、イングランド国王リチャード1世(獅子心王)を思い出す。イングランド王ながらほとんどフランス人といってもいい人物だが英国での人気は高い。アルバムの中心となる曲「Oh England My Lionheart」には、" Peter Pan steals the kids in Kensington Park","You read me Shakespeare on the rolling Thames","my English rose"といったイングランドに関わる言葉が数多く登場する。前作の「嵐が丘」から続く文学的英国らしさ。同じく78年にリリースされたウィングスのアルバム『ロンドン・タウン』とともに、英国のトラディショナルな雰囲気漂う秀作である。

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 日本とカナダではオープニングの「ブルーのシンフォニー」が第一弾シングルとしてカットされたが、それ以外の国では「ワォ」がカットされた。ドリーミーな雰囲気の「ブルーのシンフォニー」だが、"The more I think about sex, the better it gets. Here we have a purpose in life." という歌詞にドキッとさせられる。日本盤アナログでは帯が裏ジャケでも使える仕様で、リバーシブル?であった。


「WOW」Official Music Video Version 1



「WOW」Official Music Video Version 3  Youtubeのケイト公式チャンネルにも「Version 2」はUPされていない。



「Hammer Horror」 Official Music Video



Symphony In Blue (1979 Xmas Special)


 彼女の魅力の一つは、いささか風変わりでシアトリカルなパフォーマンスにあると思うが、「ハンマー・ホラー」のPVはその魅力をよく伝える作品である。ケイトは1958年の生まれだから、このアルバムがリリースされたときはちょうど20歳。まさしく天使か小悪魔か。 しかしアメリカではこのエキセントリックな魅力が理解されないのか、英国では無敵の彼女も全米チャートでは大苦戦。「神秘の丘」(85年)の30位が最大のヒットである(しかも、ダンス/クラブ・チャートの方でヒットした)。こうした状況を打開するため、「ラバーバンド・ガール」(93年)は、わざわざアメリカ市場向けのPVをつくったものの、最高位88位と振るわなかった。


ライオンハート(紙ジャケット仕様)

ライオンハート(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2005/11/02
  • メディア: CD


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KICK INSIDE / KATE BUSH [ケイト・ブッシュ]

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 『天使と小悪魔』
1. 天使と小悪魔(Moving)
2. サキソホーン・ソング(The Saxophone Song)
3. 奇妙な現象(Strange Phenomena)
4. 風に舞う羽根のように(カイト) (Kite)
5. 少年の瞳を持った男(The Man with the Child in His Eyes)
6. 嵐が丘(Wuthering Heights)
7. ジェイムズ・アンド・コールド・ガン(James and the Cold Gun)
8. フィール・イット(Feel It)
9. 恋って何?(Oh to Be in Love)
10. ラムールは貴方のよう(L'Amour Looks Something Like You)
11. ローリング・ザ・ボール(Them Heavy People)
12. 生命のふるさと(Room for the Life)
13. キック・インサイド(The Kick Inside)

 ケイト・ブッシュのデビュー・アルバム。リリースが1978年なので、このとき1958年生まれの彼女はリリース時に20歳。レコーディング時はまだ十代の若さ。おそるべし。日本盤のジャケット、吸い込まれそうな瞳が印象的です。

 彼女を見いだしたピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアのサポートがあったとはいえ、デビュー・アルバムとは思えない完成度の高さとスケールの大きさ。表情豊かな彼女のヴォーカルは、すでに十分魅力的です。『天使と小悪魔』という邦題は、まさに言い得て妙。情感豊かな彼女のヴォーカルは、時に優しく時に妖しく広がっていきます。英国女性ヴォーカルというと、ケイト自身も敬愛しているサンディ・デニーを始め、フォーク/トラッド系に名手が多いのですが、ケイト・ブッシュはまったく別。少々エキセントリックな部分はあるものの、それが独自のワールドを構築する持ち味になっています。4曲目「風に舞う羽根のように(カイト)」など、このヴォーカルだったからこそ、これだけの完成度で仕上がったと言えるでしょう。続く「少年の瞳を持った男」との対比も効果的。尊敬するパフォーマー/アーティストととして、私の中では「孤高の存在」です。

 このアルバムの曲のアレンジはどれも素晴らしく、特にエンディングにおけるアレンジの変化は絶妙。おおっと聞きこんでしまうので、予定調和的に終わるより、印象が強く残る感じです。なかでも「嵐が丘」のエンディングの、ヴォーカルからストリングスをバックにした泣きのギターへの連続は、あまりの美しさに戦慄するほど。ギター・クレジットはイアン・ベアーソン(元パイロット)ですが、実際はデヴィッド・ギルモアでしょう。年上の男性との恋愛を歌った「少年の瞳を持った男」は、ギルモア氏のこと....かな。

 「嵐が丘」の♪Heathcliff, its me, Cathy come home. I'm so cold, let me in-a-your window.....って部分、聴くたびに感動しちゃうんですよね。ヒースクリフとキャサリン、今もまだゴーストのまま嵐が丘をさまよっているのでしょうか?渡辺裕之と田中美佐子の『愛の嵐』を思い出します。










ケイトは1978年に東京音楽祭出場のために来日し、「天使と小悪魔」(当時の邦題は「嘆きの天使」)で銀賞を受賞しています。そのときTBSのテレビ番組「サウンド・イン・"S"」に出演し、松崎しげる・伊東ゆかり・しばたはつみとともに4人でビートルズの「レット・イット・ビー」を歌いました。



東京音楽祭出演時のケイト・ブッシュ


TBS「サウンド・イン・"S"」

「サウンド・イン・"S"」に出演したことがきっかけで、同番組のスポンサーだった時計メーカー、セイコーのCMにも出演しました。

 

 プロデューサーのアンドリュー・パウエル、私は大好きなアレンジャーです。彼のオーケストラ・アレンジには、品格があります。元はアラン・パーソンズ・プロジェクトと仕事をしていた人で、クリス・デ・バーやニック・ヘイワード(元ヘアカット100)、はてはホリーズやカンサスまで手がけた、弦楽アレンジの達人。私が好きな彼の作品は、アル・スチュワートの『イヤー・オブ・ザ・キャット』。エンディングがいいんですよ、ホント。それに隠れた名作ファンタジー『レディーホーク』(リチャード・ドナー監督、1985年、アメリカ)。この作品ではスコアも担当しています。ちょっとロック系。『レディホーク』はルトガー・ハウアー(『ブレードランナー』のレプリカント)とミシェル・ファイファーの騎士&お姫様のお話。

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天使と小悪魔(紙ジャケット仕様)

天使と小悪魔(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2005/11/02
  • メディア: CD


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