KINDA KINKS / KINKS [キンクス]
KINDA KINKS / UK Edition
01. Look for Me Baby
02. Got My Feet on the Ground
03. Nothin' in the World Can Stop Me Worryin' 'Bout That Girl
04. Naggin' Woman
05. Wonder Where My Baby Is Tonight
06. Tired of Waiting for You
07. Dancing in the Street
08. Don't Ever Change
09. Come on Now
10. So Long
11. You Shouldn't Be Sad
12. Something Better Beginning
キンクス2枚目のアルバム(1965年)。全12曲のうちカヴァーは2曲で、残りはすべてレイ・デイヴィスのオリジナル。ヒット曲「ユー・リアリー・ガット・ミー」「オール・デイ・アンド・オール・オブ・ザ・ナイト」といったハードなキンキー・サウンドのイメージを覆すようなバラエティに富んだ曲が並んでおり、レイ・デイヴィスのソングライティングの非凡さを見せつける作品となっている。オープニングはミディアム・テンポ→2曲目はダンサブルなビート・ナンバー→一転してブリテイッシュ・フォーク・スタイルの3→続いてはアメリカ南部ブルース風の4→ピアノのリズムがカッコいい5→マージー・ビート風の6→B面最初はモータウン・ナンバーの7→美しいメロディーラインが印象的な8(アルバム中この曲が私のベスト)→一転して9はビート・ナンバー→フォークに戻って10→コーラスワークが60年代英国ロックで明るくダンサブルな11→ラストはセンチメンタルな12、という流れは曲順まで考えられた見事な構成。
この『カインダ・キンクス』は本国イギリスでは2枚目だが、アメリカでは3枚目に当たる。ストーンズやビートルズでも米盤と英盤では内容やジャケットが異なることがしばしばだが、これは両国で1枚当たりのアルバムに収録する曲数が異なっていたためといわれる(ユニオンが強いアメリカでは、イギリスよりも収録曲が少なくされていたらしい)。『カインダ・キンクス』の場合は、アメリカでは2枚目にあたる『キンクス・サイズ』にすでに収録されていたシングル「Tired of Waiting for You c/w Come on Now」の2曲と「Naggin' Woman」の3曲がカットされ、代わりに「Set Me Free」と「Everybody's Gonna Be Happy」が収録されて全11曲となっている。
1998年には11曲のボーナス・トラックがリリースされ、さらに2011年にサンクチュアリから2枚組のデラックス・エディションがリリースされた。デラックス・エディションのディスク2には、先の11曲を含めてBBC音源などを加えた全23曲が収録されている。
CD reissue bonus tracks
13. Everybody's Gonna Be Happy
14. Who'll Be the Next in Line
15. Set Me Free
16. I Need You
17. See My Friends
18. I Never Met a Girl Like You Before
19. Wait Till the Summer Comes Along (Kwyet Kinks EP)
20. Such a Shame (Kwyet Kinks EP)
21. A Well Respected Man (Kwyet Kinks EP)
22. Don't You Fret (Kwyet Kinks EP)
23. I Go to Sleep [demo version] 2:42
ボーナス・トラックにはアルバム未収のシングル曲などだが、このうち興味深いのは17・22・23の3曲。まずシングルとしてリリースされた17「See My Friends」はシタールのように聞こえるドローン効果が印象的な曲。この曲はイギリスで1965年7月にリリースされており、ビートルズの「ノルウェーの森」やストーンズの「黒くぬれ!」よりも早い。ラーガ・ロックの先駆者。22は4曲入りEP「Kwyet Kinks 」からで、スコットランド風トラッドのようなイメージ。彼らのルーツが垣間見える。そして23はプリテンダーズなどが取り上げている曲だが、キンクスとしてはレコーディングされていない曲。
英国盤2曲のカヴァーのうち1曲はマーサ&ザ・ヴァンデラスの「ダンシング・イン・ザ・ストリート」。デヴィッド・ボウイ&ミック・ジャガーなど多くのミュージシャンがカヴァーしているモータウンの名曲。この曲を取り上げているあたり、英国的な部分を前面に出しながらもアメリカへの憧憬がうかがえる。後半の ♪don't forget the Motor City の Motor City=自動車産業の町デトロイトがモータウンのこと。
Martha & The Vandellas "Dancing in the Streets"
The Kinks - Dancing In The Street
The Who - Dancing In The Street - 1966 France TV
David Bowie & Mick Jagger - Dancing In The Street (Official Video)
SISTER ACT 2 | /Dancing In The Street
カインダ・キンクス<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)
- アーティスト: ザ・キンクス
- 出版社/メーカー: USMジャパン
- 発売日: 2011/04/27
- メディア: CD
KINKS / THE KINKS [キンクス]
『キンクス +12』
1. ビューティフル・デライラ
2. ソー・ミスティファイング
3. ジャスト・キャント・ゴー・トゥ・スリープ
4. ロング・トール・ショーティ
5. アイ・トゥック・マイ・ベイビー・ホーム
6. アイム・ア・ラヴァー・ノット・ア・ファイター
7. ユー・リアリー・ガット・ミー
8. キャデラック
9. ボールド・ヘデッド・ウーマン
10. リヴェンジ
11. トゥー・マッチ・モンキー・ビジネス
12. ドライヴィング・オン・ボールド・マウンテン
13. ストップ・ユア・ソビング
14. ガット・ラヴ・イフ・ユー・ウォント・イット
(ボーナス・トラック)
15. ロング・トール・サリー
16. ユー・スティル・ウォント・ミー
17. ユー・ドゥー・サムシング・トゥ・ミー
18. それでいいのさ
19. オール・オブ・ザ・ナイト
20. アイ・ガッタ・ムーヴ
21. ルイ・ルイ
22. アイ・ガッタ・ゴー・ナウ
23. シングス・アー・ゲッティング・ベター
24. アイヴ・ガット・ザット・フィーリング
25. トゥー・マッチ・モンキー・ビジネス
26. アイ・ドント・ニード・ユー・エニー・モア
名曲「ユー・リアリー・ガット・ミー」を含む、キンクスの1stアルバム。プロデューサーは、この翌年にリリースされるザ・フーの『マイ・ジェネレイション』を手がけたシェル・タルミーです。
オープニングはチャック・ベリーのカヴァー(ヴォーカルはレイ・デイヴィスではなく、弟のデイヴです)で、ボ・ディドリーの曲も取り上げてる(クレジットは本名のエラス・マクダニエルになっている)けど、R&B色をあまり強く感じないのが面白いところ。ギター中心のソリッドな演奏、スマートなコーラスワーク、カヴァー曲より自作曲のよさ、といった点でロンドン出身だけど、リヴァプールサウンド(マージー・ビート)に近い感じです。
ザ・フーの「アイ・キャント・エクスプレイン」に影響を与えた「ユー・リアリー・ガット・ミー 」と、プリテンダーズがデビュー・シングルでカヴァーした「ストップ・ユア・ソビング」(プロデュースはニック・ロウ)の2曲がやはり素晴らしい出来。「ユー・リアリー・ガット・ミー」でのギター・ソロはジミー・ペイジだという説はいまも根強いですが、ジミー・ペイジ本人が否定しています。もっとも、ピアノを弾いているジョン・ロード(ディープ・パープル)は、「ソロはジミーだ」と言ってるようですが。「ボールド・ヘデッド・ウーマン」で12弦ギターを弾いているのはジミー・ペイジ、・オルガンはジョン・ロードというのは正しいとみていいでしょう。ちなみにこの「ボールド・ヘデッド・ウーマン」はザ・フーも取り上げていて、『マイ・ジェネレイション』の現行盤にボーナス・トラックとして収録されています。聞き比べるのも一興。プロデューサー同じくシェル・タルミーですからね。
以前出ていたCDは、2nd『カインダ・キンクス』との2in1でしたが、現行は12曲のボーナス・トラック入り。ヒットしなかった最初の2枚のシングルは意図的にアルバムからはずしてあっったのかもしれませんが、これだけのボーナス・トラックは、やはりうれしいものです。その中では、何と言っても「オール・オブ・ザ・ナイト 」。「ユー・リアリー・ガット・ミー」に続く彼らの4枚目のシングルで、ドアーズの「ハロー・アイ・ラヴ・ユー」の元ネタ曲。歪んだギターによるリフなど、構成やリズムは「ユー・リアリー・ガット・ミー」とほぼ同じ。シンプルながら強烈なインパクトをもつナンバーです。その他、全然ヒットしなかった1stシングル「ロング・トール・サリー 」。いうまでもなくビートルズもカヴァーしている名曲ですが、これも実は今聴くといい感じ。ハープがカッコいい。