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アフィニティーの編集盤 [アフィニティー]

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『ライヴ・インストゥールメンタル1969』 - Live Instrumentals 1969
 最初の9曲は、イギリスで最も有名なジャズ・クラブと言ってもいいロニー・スコッツ・ジャズ・クラブでの演奏で、ヴォーカルのリンダ・ホイルが病気休養中の1969年にレコーディングされた。したがってすべてインスト。ラストはビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」。残り5曲はラジオ放送用のマテリアルで、68年にレコーディングされたスタジオ音源4曲と65年にサセックス大学でレコーディングされたジャズのスタンダード「グリーン・ドルフィン・ストリート」。スタジオ音源のうち、マイルス・デイヴィスの「オール・ブルース」とロン・カーターの「81」はロニー・スコッツのライヴでも演奏されているので、聞き比べてみると面白い。ロン・カーターの他にジョー・ザヴィヌル(キャノンボール・アダレイの「マーシー、マーシー、マーシー」)などフュージョン寄りのアーティストの作品も取り上げている。アルバム全体、オルガンの音がイケてる作品。

『1971-72』
 1971年にはヴォーカルのリンダ・ホイルとキーボードのリントン・ネフが脱退し、 ヴィヴィアン・マコーリフ(ヴォーカル、98年に死去)とデイヴ・ワッツ(キーボード)が参加する。このメンバーではアルバムをリリースするには至らず解散するが、デモ・レコーディングされた音源を編集したアイテムが『1971-72』。ヴィヴィアン・マコーリフのヴォーカルは、リンダ・ボイルに比べてやや線が細い感じもするが、哀感を感じさせる声質はとてもよい。アニー・ハズラム的な雰囲気を感じる。1stアルバムにも収録されていた「見張り塔からずっと」が収録されているが、この曲のようなロック系よりもトラッド系に合う感じだ。残された音源を聴く限りでは、1stアルバムに比べてジャズ色が後退した印象を受ける。ポップス職人ジミー・ウェッブ作の「サンシャワー」(69年にテルマ・ヒューストンがリリースした彼女の1stアルバムのタイトルナンバー:プロデュースもジミー・ウェッブ)の出来がとてもよい。


Instrumentals 1969

Instrumentals 1969

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Angel Air
  • 発売日: 2009/06/16
  • メディア: CD



1971 - 1972

1971 - 1972

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Angel Air
  • 発売日: 2009/06/16
  • メディア: CD



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AFFINITY / AFFINITY [アフィニティー]

 昨日(9月18日)ジミヘンの命日ということで(午前2時からの放送だったので、正確には命日の翌日)、NHKラジオの「ラジオ深夜便」ではジミヘン特集が組まれていたが、「見張り塔からずっと」は本当に名曲だと改めて感じた。ディランのこの曲はU2をはじめ様々なアーティストがカヴァーしているが、私が映像として印象深いのは、2007年NFLスーパーボウルのハーフタイムショーにおけるプリンスの演奏だ。「1999」のイントロを演奏しながら行進してきたマーチングバンドを従えた「ベイビー・アイム・アスター」と「プラウド・メアリー」も「参りました」レベルの演奏(マーチングバンドとロックという組み合わせに驚いた....もっとも熊本北高校の文化祭では吹奏楽部が「ディープ・パープル・メドレー」を演奏していたが)だったが、ジミヘンを意識した白いストラトキャスターをクルーから受け取りギターを弾きながら歌う「見張塔からずっと」は、プリンスの表情とも相まって素晴らしいパフォーマンスであった。いつもながら女性ダンサーはカッコいいし、さらに雨の中.......と、プリンスの話になると止まらなくなってしまうが、「見張り塔からずっと」のカヴァーの話だった。



 ジミヘン~プリンスのカヴァーとタイプは異なるが、アフィニティーのアルバム『アフィニティー』に収録されている「見張り塔からずっと」も素晴らしいカヴァーである。長尺11分。オルガンの演奏が実によくて、「ロックするオルガン」という感じ。リンダ・ボイルの力強いヴォーカルによくマッチしている。

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 ヴァーティゴから1970年にリリースされた『アフィニティー』は、彼らの唯一のアルバムである。かつてはいわゆる「ブリティッシュ・ロックの隠れた名盤」の一つだったが、ネット上にはかなりの数の記事があり、もはや「隠れた」とは言えないようだ。紅一点リンダ・ボイルのヴォーカルは、サンディ・デニーやアニー・ハズラム等どちらかというとトラッドやフォーク寄りが多い英国ロックの女性ヴォーカリストたちに比べれば、ジャージーかつブルージーな印象が強いが、変幻自在で表情豊か。力強いバックの演奏とも相まって、カラフルなんだけど英国ロック特有の陰影に富んだ作品に仕上がっている。 
 『アフィニティー』
  1. I Am and So Are Are You
 2. Night Flight
 3. I Wonder If I'll Care as Much
 4. Mr. Joy
 5. Three Sisters
 6. Coconut Grove
 7. All Along the Watchtower

 このアルバムを語るとき、あまりにも印象深いジャケットに触れないわけにはいかない。キーフによる「番傘をさして水辺にたたずむ女性」は、アートとしてのレコードジャケットの代表格と言っていい。私の手元にあるCDからマーカス・キーフの作品を探してみると、ボウイ(『世界を売った男(女装ヴァージョン)』)、ブラック・サバス(『黒い安息日』『パラノイド』)、コロシアム(『バレンタイン・スイート』『ライヴ!』)、そしてサンディ・デニー(『ノース・スター・グラスマン・アンド・ザ・レイヴンズ』)など枚挙に暇がないが、なかでもこのアフィニティーのジャケットは最高傑作と言えるだろう。先日、テレビ番組『開運!なんでも鑑定団』で、川瀬巴水の版画「芝増上寺」の鑑定の際、鑑定した渡邊章一郎氏は、「雪がふっていて、赤い建物があって、そこを傘をさして顔が見えない女性が歩いている構図は、成功の方程式であり、このパターンの作品は必ずヒットする」と言っていたが、そのとき私の頭に浮かんだのはアフィニティーのジャケット写真だった。

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 「ジャケットにひかれて聴いたら、音の方もとんでもなくすばらしかった」にもかかわらず「アルバム一枚で消えてしまった」というところが、またマニア受けするところなのかもしれない。その後も発掘音源が次々とリリースされている。現行盤は2枚組だが、ディスク2は2002年にリリースされた未発表トラック集『IF YOU LIVE』とまったく同じ内容だ。なかでもローラ・ニーロの「イーライズ・カミン」のカヴァーは素晴らしい。

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『IF YOU LIVE』(『アフィニティー-deluxe edition-』のディスク2)
 1. Eli's Coming
 2. United States of Mind
 3. Yes Man
 4. If You Live
 5. I Am the Walrus
 6. You Met Your Match
 7. Long Voyage
 8. Little Lonely Man




アフィニティー-deluxe edition-(紙ジャケット仕様)

アフィニティー-deluxe edition-(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: AIRMAIL RECORDINGS
  • 発売日: 2011/12/29
  • メディア: CD



アフィニティー-完全盤-

アフィニティー-完全盤-

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2006/12/13
  • メディア: CD



Affinity -deluxe edition

Affinity -deluxe edition

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: エアー・メイル・アーカイヴ
  • 発売日: 2011/12/29
  • メディア: CD



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