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HERE COMES EVERYBODY / THE WAKE [ザ・ウェイク]

 ヌーヴェル・ヴァーグ(Nouvelle Vague)はフランスを拠点として、1980年代のニュー・ウェイヴの名曲を爽やかなボサノバ風にアレンジして演奏する素敵なプロジェクトである。そのヌーヴェル・ヴァーグが取り上げたのが、ザ・ウェイクの「O Pamela」。こんなマイナーな曲をよくぞ取り上げてくれたと感心するばかりだが、そのアレンジのセンスにも脱帽である。

Nouvelle Vague - O Pamela



The Wake - O Pamela



 「O Pamela」は、ザ・ウェイクの2ndアルバム『HERE COMES EVERYBODY』(85年)のオープニング・ナンバー。抒情的なシンセとヴィニ・ライリーのようなギター、流麗なメロディーが独特の浮遊感を醸し出すギター・ポップの名曲。1枚目『HARMONY』はJD的な陰りを帯びた音作りだったが、本作はちょっとセンチメンタルなキラメキのギター・ポップ。02・06・08のような暗めの曲も悪くないが、後にサラからリリースされる3枚目につながる音作りがアルバム全体の魅力だと思う。特に05はハーモニカとギター、シンセの組み合わせが絶妙のうえ、紅一点キャロラインのバック・ヴォーカルもグッド。キャロラインのヴォーカルがフィーチャーされている曲は、それだけでイイ感じになる。オリジナルは1~8で、残りは3枚のシングルに収録された曲である。

IMG_1720.JPG


HERE COMES EVERYBODY / THE WAKE
 01. O Pamela
 02. Send Them Away
 03. Sail Through
 04. Melancholy Man
 05. World Of Her Own
 06. Torn Calendar
 07. All I Asked You To Do
 08. Here Comes Everybody
 09. Talk About The Past (12")
 10. Of The Matter
 11. Gruesome Castle
 12. Pale Spectre
 13. Furious Sea
 14. Plastic Flowers
 15. Everybody Works So Hard(12")
 16. Of The Matter (Version)

 ・Talk About The Past (1984) 9&15
 ・Of The Matter(1985)   10&16
 ・Something That No One Else Could Bring(1987)  11~14

 「Talk About The Past」は、シンセとドラムはニュー・オーダー、繊細なギターはヴィニ・ライリー、そして風に乗って流れるような哀愁のメロディという3拍子揃った名曲。この曲(とカップリングの15)には、ヴィニ・ライリーがギターではなくてピアノでクレジットされているのも面白い。ややロック色が強い「Gruesome Castle」もイイ感じ。

Talk About the Past (12" Mix)



Of The Matter



Gruesome Castle


 2015年にはファクトリー・ベネルクスから2枚組のANNIVERSARY EDITIONがリリースされた。シングルはもちろん(「Talk About The Past」の7インチ・ヴァージョンも収録されている!)、デモ・ヴァージョンやBBC音源も収録されており、さらにリマスターもされていてオススメ。



Here Comes Everybody Plus Singles

Here Comes Everybody Plus Singles

  • 出版社/メーカー: Factory Benelux
  • 発売日: 2015/03/24
  • メディア: CD



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HARMONY + SINGLES / THE WAKE [ザ・ウェイク]

 ザ・ウェイク(The Wake)は、「ハッピー・バースデイ」のヒットを飛ばしたオルタード・イメージズ(日本ではオルタード・イメージ表記だった)の初期メンバーだったシーザーことジェラルド・マキナルティが結成したバンドで、スコットランドはグラスゴーの出身。僕がこのバンドに注目したのは、初期にボビー・ギレズピー(プライマル・スクリーム)が在籍していたというのが理由だが、そうした話題性を抜きにしても、いいバンドである。

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 HARMONY / THE WAKE
 01. Favour
 02. Heartburn
 03. An Immaculate Conception
 04. Judas
 05. Testament
 06. Patrol
 07. The Old Men
 08. Chance
 09. Something Outside
 10. Host
 11. The Drill
 12. Uniform
 13. Here Comes Everybody
 14. On Our Honeymoon
 15. Give Up

 1stアルバム『HARMONY』は、ファクトリーから1982年にリリースされた。現行のCDでは01~07がオリジナルで、以降はシングルなどのボーナストラックである。ただし、オリジナルの7曲もアナログのA面とB面を入れ替えた曲順になっており、08は84年にファクトリー・ベネルクスからリイシューされたときに追加された曲。その他、09と10はボビー脱退後にリリースされた2ndシングル(1984)、11ー14はBBCのジョン・ピール音源、14と15がインディーからリリースされた1stシングル(1982)、という構成になっている。14のクレジットはボビー(クレジット表記はRobert Gillespie)だが、15のクレジットは、ボビー参加前のベーシストであるジョー・ダナマリーになっている。
 1stアルバムの頃のザ・ウェイクは、ファクトリーというレーベルカラーとも相まって、ジョイ・ディヴィジョン的だ。特にボビー・ギレスピーのピータ・フックみたいなベースと、チープなキーボードはモロJD的。一方でエコーがかかった線の細いヴォーカルは独特の浮遊感を感じさせ、ドルッティ・コラム的な雰囲気も感じられる。ザ・ウェイクは後にサラに移籍するが、ヴォーカルはファクトリーよりもサラ・レベールのカラーに合っているように思われる。

 アルバムのレコーディングはマンチェスターの今は亡きストロベリー・スタジオで行われた。ストロベリー・スタジオは、10ccによって設立され、彼らが「アイム・ノット・イン・ラヴ」を作り上げた場所である。その後ドゥルッティ・コラムやザ・スミス、ストーン・ローゼスなどが使用し、ジョイ・ディヴィジョンの『アンノウン・プレジャーズ』がレコーディングされたのも、このスタジオである(BS-TBS「SONG TO SOULライブラリー2 アイム・ノット・イン・ラブ/10cc」によれば、ストレベリー・スタジオのネーミングは、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」に由来するという)。また、本作のエンジニアは、故マーティン・ハネットの参謀としてJDを手がけたクリス・ネイグル(http://www.chrisnagle.co.uk/)。というわけで、音空間的にも80年代UKニュー・ウェーヴの雰囲気に満ちた作品である。
 







Harmony & Singles

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ltm
  • 発売日: 2002/07/30
  • メディア: CD



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