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THE HURDY GURDY MAN / DONOVAN [ドノヴァン]

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 ハーディ・ガーディ・マン / ドノヴァン 
  01. ハーディー・ガーディー・マン - "Hurdy Gurdy Man"
  02. はやぶさ - "Peregrine"
  03. 内気な娘と遊んだ話 - "The Entertaining of a Shy Girl"
  04. ふり返ってみれば - "As I Recall It"
  05. しっかりおしよ - "Get Thy Bearings"
  06. 待たせてごめんね - "Hi It's Been a Long Time"
  07. ウェスト・インディアン・レディ - "West Indian Lady"
  08. ジェニファー・ジュニパー - "Jennifer Juniper"
  09. リヴァー・ソング - "The River Song"
  10. タンジール - "Tangier"
  11. サニー・デイ - "A Sunny Day"
  12. 太陽は魔術師 - "The Sun is a Very Magic Fellow"
  13. 冬のカフェで - "Teas"
  14. Teen Ange (以下、2005年盤に収録されたボーナス・トラック)
  15. Poor Cow
  16. Laléna"
  17. Aye My Love
  18. What a Beautiful Creature You Are
  19. Colours"
  20. Catch the Wind"

 イギリスのシンガー・ソンング・ライター、ドノヴァンが1968年にリリースした6枚目のアルバム。ただしアメリカでは、5枚目にあたる2枚組『ドノヴァンの贈り物〜夢の花園より(A Gift from a Flower to a Garden)』(1967年)が別々にリリースされた。「風変わり」な曲が目白押しで、時には呪術的で時には幻想的。まったり出来そうで、それでいてけだるい感じ。フルートやタブラが不思議に効果的な、まさにこれぞサイケという作品。「サンシャイン・スーパーマン」(66年に全米1位、全英2位)や「メロー・イエロー」(67年に全米2位、全英8位~ただし、全米では『レコード・ワールド』で1位となった)の2大ヒットに隠れているが、タイトル曲をはじめ、フォークからサイケデリック・ミュージックの旗手となったドノヴァンの魅力が堪能できる一枚である。とはいえ、60年代後半を象徴するワールドワイドな作品という点で、ブリティッシュ・フォークのテイストは薄い。
 タイトル・ナンバーのハーディ・ガーディは弦楽器の一種で、鍵盤で操作する。ヒエロニムス・ボスの有名な絵「快楽の園」にも描かれている古楽器である。



 ドノヴァンが2005年に発表した自伝のタイトルは、このアルバムと同じく『ハーディ・ガーディ・マン』。実に面白い本だ。ビートルズやストーンズのメンバー、ジミ・ヘンリックスやボブ・ディランとの交流。70年代以降、ドノヴァンの人気は急速に低下するわけだが、こうした神格化されたミュージシャンとドノヴァンとの違いはいったい何だったのだろうと考え込んでしまう。日本語版は2008年に工作舎から発売されたが、訳文が素晴らしい。注も丁寧で、音楽的知識の豊富さに裏打ちされた、著者への敬意溢れる素晴らしい仕事だと思う。
自伝『ハーディ・ガーディ・マン』の第28章「ハーディ・ガーディ・マン」(385頁以下)には実に興味深い記述がある。
  ・「ハーディ・ガーディ・マン」は、当初ジミ・ヘンドリックスに贈るために書いた曲だったが、プロデユーサーだったミッキー・モストの強いすすめでドノヴァン自身が歌うことになった。
  ・ギターはジミ・ヘンドリックスに依頼したが、スケジュールが合わず、当時セッション・ギタリストとして活躍していたジミー・ペイジとアラン・ホールズワースが担当した。
 ・ベースを担当したジョン・ポール・ジョーンズは、アレンジも担当した。
 ・ドラムは、ジョン・ボーナムとクレム・カティーニ(デビュー前のジェフ・ベック・グループのドラマー)が担当した。
 ・歌詞の一節をジョージ・ハリスンが書いてくれたが、曲の長さの関係でリリース・ヴァージョンには採用されなかった。その後ライヴ・アルバムに収録された。

 「ハーディ・ガーディ・マン・セッションにはローバート・プラント以外のツェッペリンのメンバー3人が参加している」という言説は日本盤のライナーにも紹介されており、ネットで検索した限りでは、かなりよく知られたエピソードのようだ。ドノヴァンはこの曲を「メタル・フォーク」と評し、ジミー・ペイジはこのセッションからインスピレーションを得てレッド・ツェッペリンを結成したのだろうと述べている。なるほど、アルバム全体として後のツェッペリンの『Ⅲ』の雰囲気に通じるサウンドである。またクレム・カティーニ(カッティーニ)は、ツェッペリンのドラマー候補の一人だったという。しかし英語版Wikipediaの「Hurdy Gurdy Man 」の項目を読む限りでは、ジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョンズはこの曲に参加しているものの、ジョン・ボーナムは参加していなかったようだ(エンジニアのエディ・クレイマー:ツェッペリンのエンジニアでもある~の証言など)。




Hurdy Gurdy Man

Hurdy Gurdy Man

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI Europe Generic
  • 発売日: 2005/05/24
  • メディア: CD



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