GOLD DUST: Live At The Royalty Theater / SANDY DENNY [サンディ・デニー]
1. I Wish I Was a Fool for You (For Shame for Doing Wrong)
2. Stranger to Himself
3. I'm a Dreamer
4. Take Me Away
5. Nothing More
6. Sea
7. Lady
8. Gold Dust
9. Solo
10. John the Gun
11. It'll Take a Long Time
12. Wretched Wilbur
13. Tomorrow Is a Long Time
14. North Star Grassman and the Ravens
15. One More Chance
16. No More Sad Refrains
17. Who Knows Where the Time Goes?
サンディ・デニーの没後20年を記念してアイランドが1998年にリリースしたライヴ盤。サンディーは1978年4月21日に31歳で死去したが、このCDはジャケットに記載されているように1977年11月27日にロンドンのサウンド・サーカスにおけるライヴを収録したものである。ブックレットにはこの年の11月6日から始まった英国ツアー・スケジュールが記載されているが、それによるとこの日のライヴが彼女の生涯最後のステージとなったようである。バックには夫君の故トレヴァー・ルーカス(アコースティック・ギター、バッキング・ヴォーカル)をはじめ、元フェアポートのデイヴ・マタックス(ドラム)、フォザリンゲイ以来の盟友ジェリー・ドナヒューなどが参加している。1(リチャード・トンプソンの作品)、13(『Sandy』にも収録されていたボブ・ディランの作品)以外はすべて彼女の曲である。クレジットによるとマスターに問題があったためにジェリー・ドナヒューのギターとサイモン・ニコル&クリス・レズリーのバック・ヴォーカルが加えられているようだが、違和感は全くない。4などで聞こえるバック・ヴォーカルがあとから加えたものだと思われるが、素朴なイイ感じである。リンダ・トンプソンのカムバックを支援するなど、気配りのきくサイモン・ニコルの人柄がしのばれる。「時の流れを誰が知る」で彼女がボソボソと曲を紹介すると、客席からは大きな歓声があがり、彼女は小さな声で「サンキュー」と応えている。このあたりの控えめな感じが彼女らしい。
サンディ・デニーのヴォーカルは、荒涼としたイングランドの冬を思わせる雰囲気をもっているが、このアルバムはすこし違う印象を受ける。もちろんライヴ録りということもあるだろうし、ペダル・スティール・ギターがバックにはいっているせいかもしれないが、エモーショナルで暖かみすら感じられる。バックがトレヴァーやジェリーら気心のしれたメンバーであること、また母親になったことも影響しているのではあるまいか。
このアルバムは、1997年にシドニーで生まれた(サンディの死後トレヴァー・ルーカスはサンディとの間に生まれた子供とともにオーストラリアに移住した)彼女の二人の孫娘に捧げられている。このアルバムがレコーディングされたとき、サンディは産休から復帰したばかりだったそうだが、その時に生まれた子供が、二人の孫娘(多分双子だろう)の親となったのだろう。
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