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Krafty(クラフティー) のヴァージョン違い [ニュー・オーダー]

 95年にリリースされた『(the rest of )New Order』のリリースをきっかけに、2000年代の前半にかけてニュー・オーダーは様々なリミックスをリリースしていた。『ミュージック・マガジン』1991年4月号に掲載された高橋健太郎さんの「リミックスという言葉の持つ意味が大きく広がっている」という意味がようやく腑に落ちたのは、『(the rest of )New Order』を聴いてからだったと思う。それまで私は「ミックス違い」というと、ビートルズのステレオ・ミックスとモノ・ミックスの違いのような「ちょっとした違い」と認識していたので、元曲の原形をとどめない曲をリミックスと呼ぶことにはなんとなくしっくりこなかった。

 ニュー・オーダーに関して言えば「トゥルー・フェイス」のシェップ・ペディボーン・ミックスのようなオリジナル越えのリミックスもあれば、原曲のよさを台無しにするようなリミックスもありと玉石混淆であはあった。しかしYouTubeなどなかった時代、ネットで買ったCDを「いったいどんなミックスだろう」とワクワクしながらプレイヤーに入れるときは、期待と不安の入り交じったようなドキドキ感をも感じたものである。
 
 2005年にされたアルバム『ウェイティング・フォー・ザ・サイレンス・コール』からの最初のシングル「クラフティー」は、明るいメロディーと人生の応援歌みたいな歌詞の曲で、ニュー・オーダーらしからぬ?曲である。さらに「日本語ヴァージョン」という、聴いてるとちょっと笑みがこぼれてしまうようなヴァージョンもある。とは言うものの、ファミリー仕様の車のCMにも使われるという(年を取った)耳に優しいほのぼの感に、彼らの新しい魅力を感じたのもこれまた事実。

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 「クラフティー」に関して言えば、オリジナルよりもリミックスの方に彼ららしさが感じられるが、この曲には、14のヴァージョン/ミックス違いがあると思われる。

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(1)日本盤CD『ウェイティング・フォー・ザ・サイレンズ・コール』
   1.アルバム・ヴァージョン①
   2.日本語ヴァージョン②
   3.The Glimmers 12 inch extended mix③
   4.Phones Reality mix④

Krafty (Japanese version)---New Order


(2)英盤CDシングル(2枚)
   ①CD1(NUOCD13)
    1.single edit⑤
    2.アルバム・ヴァージョン①
   ②CD2(NUCDP13)
    1.The Glimmers 12 inch extended mix③
    2.Phones Reality mix④
    3.Andy Green mix⑥
    4.album version re-edit⑦
 ジャケットの写真は微妙に違っており、CD1のジャケ写真は「キラリ」と光がはいっている。CD2はエンハンスト仕様。

New Order - Krafty (Official Music Video)

(3)米盤CDシングル(Warner Bros. 42800-2)
    1.Radio Edit⑧
    2.Morel's Pink Noise Vocal⑨
    3.DJ Dan Vocal⑩
    4.Eric Kupper Club Mix⑪
    5.The Glimmers 12 inch extended mix③
    6.Phone Reality Remix④
    7.Riton Re-Dub Remix⑫
 ジャケットの写真は英盤CD2と同じ。「Radio Edit」⑧と「Single Edit」⑤は、ほとんど同じ。

(4)米盤12インチシングル2枚組(42800-0)
    A1.Morel's Pink Noise Vocal⑨
    A2.Phone Reality Remix④
    B1.DJ Dan Vocal⑩
    B2.The Glimmers Dub⑬
    C1.Eric Kupper Club Mix⑪
    C2.The Glimmers 12 inch extended⑧
    D1.Riton Re-Dub Remix⑫
    D2.Morel's Pink Noise Dub Mix⑭

(5)豪盤CDS(LONDON 5046780312)
    1.Radio Edit⑧
    2.The Glimmers 12 inch extended mix③
    3.Phone Reality Remix④
    4.Andy Green mix⑥
    5.アルバム・ヴァージョン①

(6)英盤プロモCDS(PRO 15273)
    1.Radio Edit⑧
     クレジットはないが、たぶん「Radio Edit」。

(7)英盤プロモCDS(PRO 15313)
    1.Radio Edit⑧
    2.The Glimmers 12 inch extended mix③
    3.The Glimmers Dub Version⑬
    4.Phone Reality Remix④
    5.Riton Re-Dub Remix⑫

(8)米盤プロモCDS(Warner Bros. PRO-CDR-101515 )
    1.Radio Edit⑧
  この盤には3分52秒というクレジットがあるが、レギュラー盤には3分47秒というクレジットがある。iTunesに読ませると、3分50秒。

(9)米盤プロモ12インチ2枚組(Warner Bros. PRO-A-101531)
    A1.Eric Kupper Club Mix⑪
    A2.Album Version②
    B1.Morel's Pink Noise Vocal⑨
    B2.The Glimmers Dub version⑬
    C1.DJ Dan Vocal⑩
    C2.Riton Re-Rub Remix⑫
    D1.Morel's Pink Noise Dub⑭
    D2.Phones Reality Remix④

(10)ブートレッグ
  「Radio 1 Hannover, Germany PRO-4152102」というクレジットがある。
    1.Radio Edit⑧
    2.The Glimmers 12 inch extended mix③
    3.The Glimmers Dub Version⑬
    4.Phone Reality Remix④
    5.Riton Re-Dub Remix⑫
    6.Andy Green mix⑥
    7.アルバム・ヴァージョン①

 14ヴァージョンのうち、ベストはロックな「The Glimmers 12 inch extended mix」③と ハウス調のクールな「Morel's Pink Noise Vocal」⑨、そしてフッキーのベースがちょっと「テンプテーション」みたいな「DJ Dan Vocal」⑩だと思う。買うならいちばん曲数が多い7曲入りの米盤。

Krafty (The Glimmers 12" Extended) - New Order New Order - Krafty (Morel's Pink Noise Vocal) Krafty (DJ Dan Vocal Remix)




Krafty

Krafty

  • アーティスト: New Order
  • 出版社/メーカー: Wea International
  • 発売日: 2005/07/19
  • メディア: CD



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IT'S A BEAUTIFUL LIFE / FREEBASS [ニュー・オーダー]

 今年(2020年)は大晦日にハシエンダから「「The Hacienda 24 Hour House Party NYE!」」と銘打った24時間のライヴ配信があるとのこと。トリはフッキーだ。

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 フリーベースはフッキーのほか、元ザ・スミスのアンディ・ローク、ストーン・ローゼズ~プライマル・スクリームのマニという「マンチェ3大ベーシストによる夢のスーパー・グループ」である。2005年のNMEのインタビューでフッキーは「マニが低音パート、アンディ・ロークが中音パート、そして自分は高音パート担当」と語っていたが、それから5年もの歳月が過ぎてすっかり忘れてしまった頃にリリースされた1stアルバム『IT'S A BEAUTIFUL DAY』(2010)では、アンディ・ロークはギターでクレジットされている(アルバム・リリースの10日ほど前にバンドは解散を表明した)。

 ニュー・オーダーでもロック寄りにベクトルが向いていたフッキーがリーダー格だったせいか、出てきた音は正統派、それも80年代テイストのニューウェーヴ系ロック。特にフッキーのベース音は一聴してそれとわかるため、ニュー・オーダー感が強い。
 オープニングは爽やかなコーラスワークが印象的なギターポップ。4曲目はベース主体のバンドらしい曲で、フッキーのバック・ヴォーカルもイケてる。クールなダブの6、ヘヴィなツェッペリン風(=ストーン・ローゼズ2枚目風)の8と、ドライヴ感溢れるスミス風の9曲目が聴きもの。ただし、8&9の両曲ともフッキーのベースが入ってきた途端、「ニュー・オーダー風」になってしまうのはご愛敬。9曲目のヴォーカルもいい。

 イッツ・ア・ビューティフル・デイ / フリーベース
  01. Not Too Late
  02. The Only Ones Alone
  03. Lady Violence
  04. World Won't Wait
  05. Kill Switch Pt. 141
  06. Stalingrad
  07. Secrets And Lies
  08. She Said
  09. The God Machine
  10. Plan B
  11. Bury Me Standing
  12. Sister Surrender
  13. I'm A Believer

Not Too Late

 
 Haçienda Recordsのオンラインショップからリリースされたオンライン版に収録されているのは10曲だが、CD版は13曲収録されている。10~13の3曲は、一応ボーナストラック扱いらしい。厄介なのは2枚組で、米盤と英盤ではボーナス・ディスクの収録曲がまったく異なる。Haçienda1という番号の英盤のボーナス・ディスクはインスト集で、オリジナル13曲のインストが収録されているが、HAC3という番号の米盤はシングル「Two Worlds Collide」の全曲のほか、オンラインのみリリースされた「You Don't Know This About Me (The Arthur Baker Remixes)」や「Fritz Von Runte - Freebass Redesign」などのレアな曲が収録されているので、米盤の方がオススメ。ジャケットは英盤も米盤も同じなので、新品であれば貼ってあるステッカー(英盤「Limited Edition with bonus disc It's A Beautiful Life "The Instrumentals"」、米盤は「US WXCLUSIVE 13 TRACK BONUS DISC」)を見るか、裏ジャケの曲クレジットで要確認。AmzonJPでは1枚モノしかないが、海外サイトでは英盤・米盤ともによく見かける。「You Don't Know This About Me」のベースラインはJDの「She's Lost Control 」とNOの「Ceremony」をミックスしたような感じだが、この曲の「Fritz Von Runte 33 Redesign」のイントロはモロに「Ceremony」で草。



It's a Beautiful Life

It's a Beautiful Life

  • アーティスト: Freebass
  • 出版社/メーカー: Hacienda Records UK
  • 発売日: 2010/12/07
  • メディア: CD



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NEW ORDER 1985年の初来日 [ニュー・オーダー]

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 コロナ禍によって今年(2020年)の来日が2022年に延期となってしまったニュー・オーダー、彼らが初めて来日したのは今を去ること30年以上前の1985年。FM東京やFM大阪が主催した「明日のスーパースターたち」というタイトルのもと、新進アーティストが日替わりで登場するという興行の一参加バンドとしての来日である(詳細はこちら→ https://merurido.jp/magazine.php?magid=00012&msgid=00012-1524067493)。ニュー・オーダーは、5月1日・2日に東京、4日には大阪で計3公演を行っているが、3日にも東京でシークレットギグを行っており、実際には4日連続公演という精力的なものであった。しかもこの合間を縫ってシングル「ステイト・オブ・ザ・ネイション」のレコーディングを行っていた(雑誌『フールズ・メイト』1985年6月号に掲載されている来日インタビューには、「レコーディング中のため、夜10時を回ったころから始まった」という記述がある)。

石野卓球とスティーヴン・モリスの対談
http://www.ele-king.net/interviews/005154/

【TOKYO 1985 (Wardour-369)】
 ニュー・オーダー初来日公演の初日、1985年5月1日の東京厚生年金会館(新宿厚生年金会館)公演を、良好なオーディエンスと当時FM東京で放送されたSBの2つのソースで収録。音質はともにEXである。「In A Lonely Place」というアルバム未収の地味な曲をオープニングに持ってくるとは、なんと捻くれたこと!続く「サブカルチャー」はプログラミングが上手くいかなかったのか、ドラムマシーンとシーケンサーがシンクロしておらず妙な演奏になっている(そうしたトラブルをねじ伏せるような、ラストのフッキーのベースがカッコいい)。FM音源にはラジオDJのアナウンスも収録されているが、生放送だったようで、淡々とした中にもほのかに臨場感が感じられる。聴きどころは多いが、何といっても終演時の混乱が克明に記録されている点は興味深い。『フールズ・メイト』85年6月号には、この日の混乱について次のようなレポートが掲載されている。
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 これを読んだ大学生の私は「う~ん、東京はすごいなぁ」と妙に感心したのだが、まさかそれから30年以上もたってその時の音源を聴くことができるとは思わなかった。記事中にある「ワンワンという犬の鳴き真似」は、「ブルー・マンデー」の前に聞こえる。
 メーカーインフォ:https://www.giginjapan.com/new-order-85tokyo/


【ELECTRICELEGY(3D REALITY 3D-NO-053)】
 東京二日目(5月2日)の模様は、『パンプド・フル・オブ・ドラッグス』というタイトルで、オフィシャル映像がリリースされている(DVDはCPBY-91044)。解説は今野雄二。前日とは異なりオープニングは「コンフュージョン」なので、石野卓球が観たのは2日目ということになる。90年代にリリースされたCD『ELECTRICELEGY』は『パンプド・フル・オブ・ドラッグス』の完コピだが、80年代のVHSが廃盤になってからDVDがリリースされるまでは10年以上の間があったので、結構重宝したCDである。音は悪いし、DVDの最初にはバックステージからオープニングSEとともにメンバーがステージに登場する様子も収録されているので、DVDがあれば必要ないCDである(メンバーが出てくるときに流れる曲は何というタイトルだろう?)。『パンプド・フル・オブ・ドラッグス』に収録されなかった3曲は、『TOKYO 1985』にボーナストラックとして収録されている。

【Live At Club D(Wardour-373)】
 東京三日目(5月3日)、渋谷にあったディスコ「Club D」で行われたシークレット・ギグの模様を収録した驚愕の音源。機材の調子が悪かったのか演奏は不安定だが、場所が場所だけに客の声もはっきり聞こえて生々しい。良好なオーディエンスソースで、セットリストの順番も初日・二日目と異なっていて興味深い。観客の反応も良いが、初日同様この日も終演時に混乱が起こっている。
 メーカーインフォ:https://www.giginjapan.com/new-order-live-at-club-d/


【OSAKA 1985(Wardour-384)】
 日本公演最終日、5月4日の大阪厚生年金会館のステージはメンバーも慣れてきたのか、PAトラブルもなく安定した演奏。「サブカルチャー」を初日の演奏と比べてみると、初日の不安定さがよくわかる。「夢盗人」という名曲をカットしておきながら、そのB面曲の「Lonesome Tonight」を演奏するというセンスはやはり彼ららしい。バーニーより目立つバック・ヴォーカルにメロディアスなベースと、フッキーの快調さに耳を奪われる。

メーカーインフォ:https://www.giginjapan.com/new-order-85osaka/


パンプド・フル・オブ・ドラッグス/ライヴ・イン・トーキョウ1985 [DVD]

パンプド・フル・オブ・ドラッグス/ライヴ・イン・トーキョウ1985 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2003/07/16
  • メディア: DVD



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Peter Hook の Revenge [ニュー・オーダー]

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 現在ピーター・フック&ザ・ライトを率いて、かつて自らがベーシストを務めていたジョイ・ディヴィジョン~ニュー・オーダーを再現するステージを行っているレジェンド・ベーシストのピーター・フック。彼が1989年から93年の初め(ニュー・オーダーの『テクニーク』と『リパブリック』の間に相当する時期)まで動かしていたプロジェクトがリヴェンジ。ファースト・アルバム『ワン・トゥルー・パッション』はフッキーのほか、デイヴ・ヒックス(ギター&ヴォーカル)、クリス・ジョーンズの3名がクレジットされているが、アルバムリリース後にデイヴ・ポッツが参加。ポッツはリヴェンジ後にフッキーが結成したモナコ、そして現在のピーター・フック&ザ・ライトまで彼を支えているプレイヤーなので、ポッツ初参加のバンドとしてもそのリヴェンジの意義は小さくないと思われる。ニュー・オーダーのファンからの評価はあまり高くないが、「ニュー・オーダーのベーシストのバンド」という点はひとまず措いて、普通にロックのアルバムとして聴けばいいバンドだった。音は正統派の硬質なロック。ニュー・オーダーをロック寄りにした感じ。解散までにリリースされたアルバムは1990年の『ONE TRUE PASSION』のみだが、解散後の2004年にはライヴ盤『NO PAIN, NO GAIN』およびボーナストラックを加えて2枚組になった『ONE TRUE PASSION V 2.0』がリリースされた。

 ボンデージ・ファッションに身を包んだ女性の写真がフィーチャーされたジャケットや、「Gun World Porn」というシングル・タイトルなどバンド・イメージはSEX。アルバムのジャケットもニュー・オーダーとはまったく異なる雰囲気だが、デザインはお馴染みピーター・サヴィルである。ただし写真自体はスーズ・ランドールによるもの。エロティック・フォトの第一人者として知られる彼女だが、マンハッタン・トランスファーのアルバム『カミング・アウト』(76年)のジャケット写真も彼女の作品である。

 唯一のアルバム『ワン・トゥルー・パッション』の収録はもともと9曲だったが、『V 2.0』になって収録は3倍以上の32曲になった。シングルのみの収録曲や未発表テイクなど充実した内容で、これ1枚でリヴェンジの全貌を掴むことができる。もう1枚、ライヴ盤『No Pain, No Gain』にはJD時代の「Dreams Never End」やヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「White Light / White Heat」のカヴァーなど14曲を収録。ヴォーカルはうまくないが、エネルギッシュないいライヴだ。何よりフッキーのベースの音がいい。すべて91年のライヴで、マンチェスターでの8曲と来日時の川崎クラブチッタでの6曲。メンバーはそれぞれで若干異なっており、ギターがデイヴ・ヒックス(川崎)→ブライアン・ウィテカー(マンチェスター)、ドラムはアシュレイ・テイラー(〃)→マイク・ヘッジズ(〃:有名プロデューサーとは同名異人)。



Vol. 2-One True Passion

Vol. 2-One True Passion

  • アーティスト: Revenge
  • 出版社/メーカー: Ltm
  • 発売日: 2004/03/23
  • メディア: CD



No Pain No Gain: Live 1991

No Pain No Gain: Live 1991

  • アーティスト: Revenge
  • 出版社/メーカー: Ltm / Boutique Nl
  • 発売日: 2005/02/08
  • メディア: CD



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TRUE FAITH / NEW OEDER [ニュー・オーダー]

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 1981年に1stシングル「セレモニー」をリリースして以来、現在に至るまで多くの作品を発表してきたニュー・オーダー。彼らのシングルとそのリミックスは数あれど、「トゥルー・フェイス」と「1963」のカップリングでリリースされたシングルは最強である。両曲ともダンサブル・メロディアス・エモーショナルと3拍子そろった名曲だ。今は亡き熊本市下通にあったマツモトレコードの2Fやこれまた今は亡き長崎市のマハラジャでも流れていたが、中でもマイ金字塔として燦然と輝くのが、「トゥルー・フェイス」をシェップ・ペディボーンShep Pettiboneがリミックスしたヴァージョンである(米国盤では「the morning sun extended remix」と表記されている)。


 この「シェップ・ペディボーン・リミックス」は、以下のCDに収録されている。
  ①シングル:「TRUE FAITH REMIX」(FAC183R)
  ②CD:ベスト盤『(the rest of )New Order』
 ③CDシングル:「Nineteen63」(NUCDP6)
 1995年にリリースされた③では「True Faith 87」とクレジットされているが、これは93年に新たなリミックス「True Faith 94」がリリースされていたことによる。またマイケル・J・フォックス主演の映画『再会の街』のサントラ『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』にはシェップ・ペディボーン・リミックスのエディット・ヴァージョンが収録されている。演奏時間を比較すると、以下のようになる。なお、『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』の日本盤(32XD959)のライナーには「トゥルー・フェイス」の日本語訳詩が掲載されている。

  ①オリジナル・トゥルー・フェイス・7インチ(FAC183/7)   4分10秒
  ②オリジナル・トゥルー・フェイス・12インチ(FAC183)     5分55秒
  ③シェップ・ペディボーン・リミックス            8分59秒
  ④シェップ・ペディボーン・リミックス・エディット      5分54秒   

 「トゥルー・フェイス」は彼らの最初のベスト盤『サブスタンス』に新曲として収録され、先行シングルとしてリリースされた。そのため、ともにピーター・サヴィルがデザインした「FAC183」と『サブスタンス』のジャケット・デザインはよく似ている。この曲ではヤマハ製シーケンサー「QX-1」、同じくヤマハ製デジタルシンセ「DX-5」、そして今は亡き赤井電機が設立したAKAI professional製のサンプラー「S900」といった、いずれも「歴史的名機」と評価されていた機材が多用されており、80年代の雰囲気を色濃く感じさせるサウンドである。全英チャートでは4位、全米チャートでは『ビルボード』で32位、今は亡き『キャッシュ・ボックス』で30位まで上がるヒット曲となった。
 リミックス盤「TRUE FAITH REMIX」(FAC183R)には「True Dub」というリミックスが収録されているが、米盤では「True Faith (alternate faith dub)」というクレジットになっている。ミキサーはシェップ・ペディボーン。 「True Dub」はベスト盤『サブスタンス』にも収録されている。




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 94年にリリースされたのが「True Faith-94」。これはベスト盤『(the best of)New Order』のために用意された新曲だが、「オリジナル」とほとんど同じに思える。このCDS(ポリドール:POCD-1156)には以下の5曲が収録されている。
1.True Faith-94 radio edit
   2.Perfecto radio edit
   3.Perfecto mix
   4.True Faith-94
   5.the TWA Grim Up North mix




2001年には「トゥルー・フェイス」の新しいリミックスが発表された。
True Faith (米Qwest :PRO-A-100663,2001年) 
 Disc One : Side One  1. Morel's Extra Dub
      Side Two  1. Philip Steir Dub
             2. Morel's Pink Noise Club Mix
 Disc Two : Side Three 1. Philip Steir Re-Order Mix
      Side Four  1. Morel's Calling Shifty Dub
 いわゆる『True Faith 2001』のアナログ12インチ×2枚組セット。 12インチ2枚組には、このセット以外にもPRO-A-100645-Aという番号のセットも存在した。 同じ5曲入りだが、100645のSide Threeは「Philip Steir Club Mix」になっている。 またこのリミックスにはPRO-CD-100663という 番号のCDもあり、CDは「Philip Steir Edit」を加えた6曲入り。「Re-Order Mix」は「Philip Steir Dub」 に、「Pink Noise Club Mix」は「Extra Dub」にそれぞれヴォーカルが加わった感じのミックス。 Club Mixながら哀愁漂う「Pink Noise Club Mix」がベストで、その次が「Re-Order Mix」だと思う。
 「Philip Steir Re-Order Mix」は、『Extra Order』という3曲入りプロモCD(米Riprise:PRO-CD-100784, 2001年)にも収録されている。また「True Faith (Pink Noise Morel Edit)」(4分32秒)が4枚組『RETRO』のボーナスディスクに収録されているが、これは「Morel's Pink Noise Club Mix」(8分50秒)のエディット・ヴァージョンである。


 さて、「トゥルー・フェイス」のカップリング曲である「1963」だが、これもまた名曲である。1963年はアメリカのケネディ大統領が暗殺された年であり、歌詞の「ジョニー」はケネディを指すと言われているが、歌詞そのものは難解である(ドリーム・アカデミーの「ライフ・イン・ア・ノーザン・タウン」にもHe said "In winter 1963,It felt like the world would freeze with John F. Kennedy And The Beatles."という歌詞が出てくる)。



 ベスト盤『(the best of)New Order』には「トゥルー・フェイス」と同じく「1963-94」が収録されたが、これまたオリジナルとあまり変わらないヴァージョンである(後半からエンディングにかけてはオリジナルとかなり違っているが)。しかし、シングルとしてリリースされた「1963ー95(Arthur Baker Radio Remix)」は素晴らしい出来で、エレクトロニクスとアコースティックが適度にブレンドされた流麗なRemix。メランコリックな曲調と相まって、すばらしい作品に仕上がっている。さすがアーサー・ベイカー。オリジナルではフェード・アウトだったエンディグも新しくなり、まとめ方も最高。ということで、ニュー・オーダーの「1963ー95(Arthur Baker Remix)」と「Ture Face Shep Pettibone Remix」は最強。私の葬式ではぜひこの2曲とプリファブ・スプラウトの『ヨルダン:ザ・カムバック』、ブルー・ナイルの全アルバムを流して欲しい。


1963ー95(Arthur Baker Radio Remix)

 「1963ー95」は、分売されている2種のCDSがあり、「NUOCD6」のディスクを「NUCDP6」のボックスに入れることでセットが完成する。「NUOCD6」の「Arthur Baker Radio Remix」は4分03秒で、「NUCDP6」の「Arthur Baker Remix」は5分05秒。

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 「1963」も2001年には「トゥルー・フェイス」同様、ジャスティン・ロバートソンJustin Robertsonなどが手がけたリミックスが登場するが、はっきり言って原曲の良さを台無しにするものばかりだった。
「NUOCD6」
   1. 1963 (95 Arthur Baker Radio Remix)
   2. 1963 (94 Album Version)
   3. 1963 (Lionrock Full Throttle Mix)
   4. 1963 (Joe T. Vanelli Dubby Mix)
 「NUCDP6」
   1. 1963 (95 Arthur Baker remix)
   2. Let's Go
   3. Spooky (night tripper mix)
   4. True Faith (shep pettibone '87 mix)
 「NUOXDJ6」アナログ盤プロモ
   Side A. 1963 (Joe T. Vanelli Dubby Mix)
   Side B. 1963 (Joe T. Vabelli Llight Mix)
「NUXXDJ6」アナログ盤プロモ
   Side A. 1963 (Lionrock Full Throttle Mix)
   Side B. 1.1963 (Lionrock Sparse'n Fast Mix)
       2.1963 (Lionrock M6 Sunday Morning Mix)



サブスタンス

サブスタンス

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: イーストウエスト・ジャパン
  • 発売日: 2000/03/23
  • メディア: CD



ザ・レスト・オブ・ニュー・オーダー(リミックス・ベスト)

ザ・レスト・オブ・ニュー・オーダー(リミックス・ベスト)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2001/07/25
  • メディア: CD



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