SSブログ
ポーキュパイン・ツリー ブログトップ

Dissolution / The Pineapple Thief [ポーキュパイン・ツリー]

IMG_1841[1].jpg


 パイナップル・シーフの代表作といえば、10作目の『マグノリア』をあげる人が多かったと思うが、12作目のアルバム『ディソリューション』(2018年)は『マグノリア』を超える傑作アルバムで、現状ではこれを彼らの最高傑作としてよいと思う。

 1999年にデビューしたパイナップル・シーフは、ポーキュパイン・ツリーの Kscopeに所属していることもあり、両者はよく比較される。2つのPT、静と動の対比などサウンド的にも近く、ともに「ポスト・プログレの雄」であるが、パイナップル・シーフはポーキュパイン・ツリーほどヘヴィではない。英国的仄暗さとブルース・ソードの浮遊感あるヴォーカルが醸し出すしっとりした感覚が魅力的で、僕は「ソフィスティケイトされたポーキュパイン・ツリー」として聴いている。



Not Naming Any Names



The Pineapple Thief - Far Below (from Dissolution)



White Mist


 現在パイナップル・シーフには、ポーキュパイン・ツリー(およびキング・クリムゾン)のドラマー、ギャヴィン・ハリソンが参加している。とくに本作では全9曲のうち7曲の曲作りに参加しており、バンドにおける彼の貢献度はきわめて高い。時折聴かせる変拍子のドラムは、これ見よがしな演奏ではないために目立たないが、まさに超絶ドラマー。彼のドラミングは、アルバム全体を引き締まった雰囲気に仕上げている。



DISSOLUTION (IMPORT)

DISSOLUTION (IMPORT)

  • アーティスト: THE PINEAPPLE THIEF
  • 出版社/メーカー: KSCOPE
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: CD
Dissolution -Earbook-

Dissolution -Earbook-

  • アーティスト: Pineapple Thief
  • 出版社/メーカー: Kscope
  • 発売日: 2018/08/30
  • メディア: CD


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

アップ・ザ・ダウンステアー / ポーキュパイン・ツリー [ポーキュパイン・ツリー]

IMG_1839[1].jpg

 先日、過去のカタログが日本盤でリイシューされたポーキュパイン・ツリー。英国ロックのエッセンスとでも言えるようなサウンドは、「ツェッペリンとフロイドとクリムゾン」などが好きなロック親父たちの希望の星である。今年の初めにスティーヴン・ウィルソン6枚目のソロがリリースされたが、ポーキュパイン・ツリー名義の方では音沙汰がない。そろそろ活動再開を期待したいところだ。

『アップ・ザ・ダウンステアー』は1993年にリリースされたPT名義のセカンド・アルバム。91年にリリースされた『オン・ザ・サンデイ・オブ・ライフ』は事実上スティーヴン・ウィルソンのソロ作品であり、過去作品を集めたオムニバス盤でもあった。この2作目も本来はスティーヴンのソロ作品なのだが、1部の曲には後に正式加入するメンバーが参加しており、また2005年リリース盤からは、もともと打ち込みだったドラムがギャヴィン・ハリソンによる生ドラムに差し替えられている。これらの点を考えあわせると、この『アップ・ザ・ダウンステアー』が事実上のファースト・アルバムと考えて良いと思う。

Up The Downstair (2005 version)
【CD 1】
01. What You Are Listening To...
02. Synesthesia
03. Monuments Burn into Moments
04. Always Never
05. Up the Downstair
06. Not Beautiful Anymore
07. Siren
08. Small Fish
09. Burning Sky
10. Fadeaway
【CD 2 - Staircase Infinities】
01. Cloud Zero
02. The Joke's on You
03. Navigator
04. Rainy Taxi
05. Yellow Hedgerow Dreamscape




 『イン・アブセンティア』ほどのヘヴィさはないが、全編を通してスティーヴン・ウィルソンの叙情的なギターが魅力的なアルバム。特に元JAPANのリチャード・バービエリと彼の妻であるスザンヌが参加した、10分にも及ぶタイトル・ナンバーは独特の浮遊感が心地よい。スザンヌの不思議なヴォイスに乗ったスペイシーなサウンドは、タイトなドラムとハードなギターの見事なコンビネーションとも相まって、PTの持ち味が十分に発揮された曲である。
 「Staircase Infinities」と題されたCD2は、元々EPとしてリリースされた作品。2005年ヴァージョン以降に同梱されるようになった。 


Up the.. -Reissue-

Up the.. -Reissue-

  • アーティスト: Porcupine Tree
  • 出版社/メーカー: Transmission
  • 発売日: 2021/07/23
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

イン・アブセンティア / ポーキュパイン・ツリー [ポーキュパイン・ツリー]

IMG_1666.JPG


IN ABSENTIA / PORCUPINE TREE
 01. Blackest Eyes
 02. Trains
 03. Lips of Ashes
 04. The Sound of Muzak
 05. Gravity Eyelids
 06. Wedding Nails" (instrumental)
 07. Prodigal
 08..3
 09. The Creator Has a Mastertape
 10. Heartattack in a Layby
 11. Strip the Soul
 12. Collapse the Light Into Earth


 英国ロックの伝統を受け継ぎ、さらに発展させてきたポーキュパイン・ツリー。よく引き合いに出されるピンク・フロイドやキング・クリムゾンはもちろん、レッド・ツェッペリンのようなギター・リフ、イエスのようなコーラス、英国トラッド/フォークといった要素に、さらに現代的なフレーヴァーをも加えて耳あたりをよくしたサウンドは中毒性が高い。中でも2002年にリリースされた『イン・アブセンティア』(2002)は、「ハードなギターと叙情的なメロディ」の組み合わせがリスナーを飽きさせない名盤である。


 しばしば陰鬱と表現される彼らだが、このアルバムからはむしろ爽やかな印象を受ける。変拍子を多用したりドラマティックな展開を見せるあたりは確かにプログレ的だが、耳に残る美しいメロディーからは、プログレによくみられる思わせぶりな哲学的難解さはほとんど感じられない。中でも1曲目「Blackest Eyes」の緩急つけた構成は見事で、「プログレ・メタル」ともいわれる彼らの魅力をよく伝える曲。メンバーのソロよりも歌モノが多い点も、聴きやすい理由の一つかもしれない。冷たい透明感と英国的な仄暗さを兼ね備え、不思議な雰囲気を醸し出す傑作。2020年にはデモ曲や未発表曲などを含む3CDプラスBlu-rayのセットが発売された。




2003年にリリースされた欧州盤には、3曲入りのCDが付属している。流れるようなコーラスが印象的な1は、80年代のネオアコ/ギターポップの雰囲気も感じる佳曲。   1. Drown with Me   2. Chloroform   3. Strip the Soul(Video Edit)


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽
ポーキュパイン・ツリー ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。