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PICTURE BOOK / SIMPLY RED [シンプリー・レッド]

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 01. Come to My Aid
 02. Sad Old Red
 03. Look at You Now
 04. Heaven
 05. Jericho
 06. Money's Too Tight (to Mention)
 07. Holding Back the Years
 08. (Open Up the) Red Box
 09. No Direction
 10. Picture Book


 シンプリー・レッドは、ニュー・オーダーやザ・スミスと同じく英国マンチェスターの出身。リーダーのミック・ハックネル(1960年6月8日生)は、ザ・スミスのモリッシー(1959年5月22日生)とは1歳違い、ニュー・オーダーのバーナード・サムナー(1956年1月4日生)とは4歳違いで、彼らは同世代と言って良いだろう。
 シンプリー・レッドがメジャー・デビューしたころ(1985年)、彼らの曲はFMでよく流れていた。ヴォーカルのミック・ハックネルが可愛い少年だったこともあり、雑誌によく写真も掲載されていたが、最初僕は彼をボーイッシュな女の子かと思っていた。音楽的な雰囲気はスタイル・カウンシルと似てるなと思ったものの、オシャレになりきれない(ケヴィン・クローニンみたいな)下町っぽさと、伝わってくるひたむきさ、ちょっとした陰翳に好感を覚えたものである。このアルバムに収録されている「ホールディング・バック・イヤーズ」は86年に全米シングル・チャートで1位となったが、こんな少年がショービジネスの世界を渡っていけるのだろうか?という危惧も覚えた。しかし予想に反してミック・ハックネルはしたたかで、このアルバム以降は音楽的にもファッション的にも洗練されていった。

 このデビュー・アルバムで興味深いのは、全10曲のうちカヴァーの2曲。「ヘヴン」はトーキング・ヘッズの、ヒット曲「マネーズ・トゥ・タイト」(全米28位)はヴァレンタイン・ブラザースというバンドのカヴァーだが、いずれも大ヒットした曲ではない。自分たちの好みだったのだろうが、こうした曲を取り上げるセンスにも脱帽である。全米1位となった「ホールディング・バック・ザ・イヤーズ」はもちろん名曲であるが、私のイチオシ曲は、アルバム冒頭を飾る「カム・トゥ・マイ・エイド」。勢いあるメロディーに乗った歌心を感じさせる(ちょっと内省的な部分も感じる)ヴォーカル、シンセとホーンの絶妙なブレンド、そして凝った曲展開は、今聴いても心踊る名曲である。

 「ホールディング・バック・ザ・イヤーズ」について、和久井光司氏監修の『英国ロックの深い森1976-1990』におけるシンプリー・レッドの項では「エレヴェイターズのヒット曲」とカヴァーのような書き方だが、正しくは「シンプリー・レッドの前身バンドFrantic Elevators時代にインディーレベールNo Waitingからリリースした曲」でありリメイクである 。コンポーザー・クレジットも、Mick Hucknall&Neil Moss となっている。
[http://frantic.band/]

 2008年にリリースされた「コレクターズ・エディション」、2010年にリリースされた「スペシャル・エディション」に収録されているボーナス・トラックは、すべて編集盤『12インチャーズ』(日本盤はワーナー・パイオニア 28XD-711)に収録されていたヴァージョンである。


Holding Back The Years (Official Video)



Money's Too Tight (To Mention)



Come To My Aid





ピクチャー・ブック【スペシャル・エディション】

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  • アーティスト: シンプリー・レッド
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2016/08/10
  • メディア: CD
Picture Book

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  • アーティスト: Simply Red
  • 出版社/メーカー: Atlantic UK
  • 発売日: 1992/03/18
  • メディア: CD


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