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収束 / ソフト・マシーン ~アラン・ホールズワースが参加した唯一のアルバム [カンタベリー系]

 ソフト・マシーン8枚目のアルバム『収束』(『バンドルズ』)は、元テンペストの超絶ギタリスト、アラン・ホールズワースが参加した唯一の作品。1975年にハーヴェスト・レコーズからリリースされた(フロイドの『炎』と同じ)。サイケデリックなジャズの雰囲気はまったくなくなり、ロック色が強くなった作品で、一般には「フュージョンの作品」とされている。この『収束』では、それまでバンドのイニシアティヴを握ってきた唯一のオリジナル・メンバーであるマイク・ラトリッジの役割は後退し(収録されている曲のうちラトリッジの作曲は2曲だけで、そのうちの1曲は2分にも満たない短い曲)、代わってバンドの中心となったのはA面のほとんどを占める組曲「ハザード・プロファイル」とラストの「流浪の世界」を作曲したカール・ジェンキンスである。ラトリッジはこのアルバムを最後にソフト・マシーンを脱退するが、自分以外のメンバーが全員同じバンド(ニュークリアス)の元メンバーというのは、やはり居心地はよくなかっただろう。
 これまでは独特の浮遊感あふれるイメージが持ち味だったソフト・マシーンだが、リフが多くなり「ああ、あの曲だ!」というイメージ(=わかりやすさ)がはっきりした作品となっている。聞き所はアラン・ホールズワースの圧巻のギターであり、いつ果てるともしれないアドリブ・プレイはまさに「弾きまくりというより、垂れ流しに近い超絶プレイ」(『レコード・コレクターズ』2013年3月号)である。ソフト・マシーンの代表作とはいえないが、ジャズよりもロックにベクトルが向いた秀作であり、名作であることは間違いない。

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 アラン・ホールズワースがソフト・マシーンに在籍したのは1973年11月から1975年の3月までで、この時期のライヴ音源として聴くことができるのは以下4つ。①と③はオフォシャル盤でリリースされており、②は「Alive the Live」シリーズにはいっている。④は『Early Bundles 1974』『Hazard Profile: Live At Syracuse University New York 1974』『Allan Last Stand』等様々なタイトルでリリースされており、私が持っているのは『LIVE BUNDELES』(DREAM CANTERBURY CTD-003)というアイテムで、良好なSB。

①1974年7月4日のモントルー(スイス)公演
②1975年1月10日のエンシェーデ(オランダ)公演
③1975年1月29日のブレーメン(当時の西ドイツ)公演
④1975年3月13日のニューヨーク公演

 このうちモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのステージである①は、DVDとの2枚組で、DVDではメンバー各人の超絶的なプレイが改めて確認できるが、なかでもアラン・ホールズワースのヴォーカル?が聴けることは特筆に値する。中期以降、歌モノはないソフツだが、「流浪の世界」ではジョン・マシャール(先日お亡くなりに...)のグロッケンシュピールとマイク・ラトリッジのエレピの幻想的な音色をバックにアランのスキャット風のヴォイスを聴くことができる(アラン?のヴォイスは④でも確認できる)。また、「汽車への別れ」は聞き比べてみるとそれぞれに特徴があって興味深い。オリジナルでのリードはカール・ジェンキンズのサックスだが、③ではアラン・ホールズワースがヴァイオリンを弾いている。④のヴァージョンは20分近い長さで、前半はカール・ジェンキンスの長尺アドリブとロイ・バビントンの白熱ベースとのバトルが圧巻。最初にアランが短いアドリブを入れている。後半はひたすらアラン・ホールズワースの世界。



 『収束』がリリースされたのは1975年の3月15日なので、①~④すべて『収束』のリースより前のステージであるが、セットリストはほぼ『収束』から。この時期のソフト・マシーンは過去の曲を封印し、新しくリリースされる作品がもつロックの方向性で勝負しようという姿勢がうかがえる。しかし『収束』のリリースとアランの脱退はほぼ同時期になってしまい、『収束』の2CDエディションに付属のロンドン公演(1975年10月11日)のギタリストはアラン・ホールズワースではなく、ジョン・エサリッジ(元ダリル・ウェイ&ウルフ)に変わった。ジョン・エサリッジも優れたギタリストであり、アランの抜けた穴をよくカヴァーしている。




収束

収束

  • アーティスト: ソフト・マシーン
  • 出版社/メーカー: ベル・アンティーク
  • 発売日: 2023/07/25
  • メディア: CD



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ウーマン・フロム・ザ・ウォーム・グラス / ロビン・スコット [トラッド/ フォーク系]

 1979年に「ポップ・ミューヂック」を世界中でヒットさせたMがリリースした最初のアルバムが、『ウーマン・フロム・ザ・ウォーム・グラス』(1969年)。本名のロビン・スコット名義でリリースしたこのアルバムは、M時代とは似ても似つかぬアコースティックな作品である。しかもプロデュースはサンディー・ロバートン(シェラ・マクドナルドやキース・クリスマスを手がけたセプテンバー・プロダクションの設立者)という、ガチで英国フォークな作品だ。

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 オープニングの「The Sailor」などロック調の作品(バックの演奏はマイティ・ベイビーらしい)もあるが、基本はアシッド・フォーク。英国らしい陰影をたたえた「The Sound of Rain」や、この時代のサイケな感覚を感じるタイトル・ナンバーが印象深いが、ボーナス・トラックとして収録されている「Tattoed Lady」(ジョン・ピール・セッションから)は流れるようなメロディーに乗った女性ヴォーカルが心地よい。タイトル・ナンバー「Woman From the Warm Grass」は、この曲でヴォーカルをとっている女性(ペニー・ラム:裏ジャケ写真の女性?)のことらしい。ロビン自身の解説によれば、のちにMにも参加するジョン・ルイス(「ポップ・ミューヂック」で、イントロのオルガンによるフレーズを弾いている)もヴォーカルで参加しているとのこと。「必聴の名盤」というわけではないが、英国ミュージシャンのルーツには見えないところでフォーキーな部分があることを改めて感じさせる作品。日本盤のライナーで、(サンディ・)ロバートンが何度も「ロバートソン」になっているのはとても気になる。この人に書かせたのは、人選ミスではないか。

The Sailor (feat. Mighty Baby) Robin Scott - Woman From The Warm Grass Tattooed Lady (feat. Penny Lamb) M - Pop Muzik (Official HD Video)





ウーマン・フロム・ザ・ウォーム・グラス+1(紙ジャケット仕様)

ウーマン・フロム・ザ・ウォーム・グラス+1(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ロビン・スコット
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2007/03/31
  • メディア: CD



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ニック・ドレイクの編集盤① [ニック・ドレイク]

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 ニック・ドレイクのコンピレーションは数種類リリースされているが、それぞれに特徴がある。まずは内容がよく似ている『Time of No Reply』(1987年)と、『Made to Love Magic』(2004年)との比較から。『Time of No Reply』はハンニバルからリリースされた4枚組ボックス『Fruit Tree』にコンパイルされていたレア・トラック集が単体でリリースされたアイテムで、『Made to Love Magic』はそのアップデート盤である。とは言うものの『Time of No Reply』でしか聴けないヴァージョンもあるので、なかなか悩ましいところだ。
両アイテムの収録曲は以下の通り。

【Time of No Reply】
  01. Time Of No Reply
  02. I Was Made To Love Magic
  03. Joey
  04. Clothes Of Sand
  05. Man In A Shed
  06. Mayfair
  07. Fly
  08. The Thoughts Of Mary Jane
  09. Been Smoking Too Long
  10. Strange Meeting II
  11. Rider On The Wheel
  12. Black Eyed Dog
  13. Hanging On A Star
  14. Voice From A Mountain
 01・02・03・04の4曲が『ファイヴ・リーヴス・レフト』のアウトテイク (1968 年 11 月~ 12 月)。05・06の2曲はそれより前の1968年10月にレコーディングされた曲。07・09・10の3曲は1967年~69年に録音されたホーム・デモ。08は『ファイヴ・リーヴス・レフト』の収録曲だが、リチャード・トンプソンをギターにフィーチャーした別テイク(1968年12月)。11~14の4曲は生前最後にレコーディングされた4曲(1974年2月)。


【Made to Love Magic】
  01. Rider On The Wheel
  02. Magic
  03. River Man
  04. Joey
  05. Thoughts Of Mary Jane
  06. Mayfair
  07. Hanging On A Star
  08. Three Hours
  09. Clothes Of Sand
  10. Voices
  11. Time Of No Reply
  12. Black Eyed Dog
  13. Tow The Line
 収録されている曲名だけを見れば『Time of No Reply』とよく似ているが、同一のヴァージョンなのは01・04・05・09・10・12の6曲でいずれもリマスタリングされている(「The Thoughts of Mary Jane」は「The」がなくなり、「Voice From A Mountain」は「Voices」というタイトルに変更されている)。その他は既発テイクとは別ヴァージョンで収録されている。

 『Made to Love Magic』のリリースにあたって大きな貢献をしているのは、アレンジャーのロバート・カービー(2009年没)。ニックのバイオ本にもたびたび登場する彼は、ニックがケンブリッジ大学に在学していた頃からの友人であり、『ファイヴ・リーヴス・レフト』と『ブライター・レイター』でオーケストラのアレンジを手がけた。ニック・ドレイク以外にもサンディ・デニーやヴァシュティ・バニヤン、シェラ・マクドナルド、ポール・ウェラー、エルヴィス・コステロなど英国フォーク系を中心に数多くの作品に関わっている。03・06は、ニックがケンブリッジ大学在籍中に録音したテイクで、ロバート・カービーが保管していたテープから起こされたテイク。02は「I Was Made To Love Magic」と曲自体は同じものの、タイトルはシンプルに「Magic」となり、オーケストラ部分が異なる。『Time of No Reply』に収録されていた「I Was Made To Love Magic」のオーケストラ・アレンジはリチャード・ヒューソンによるものだったが、ニック本人が満足しなかったことからボツになり、リチャードに代わってロバート・カービーがオーケストラ・アレンジを担当することになった。ロバート・カービーは02と11のスコアを完成させたものの、収録曲数の関係もあってレコーディングには至らなかった。当時の譜面をもとに、2003年に作成されたテイクが02と11である。したがって、リチャード・ヒューソン版「I Was Made To Love Magic」(こちらを一応オリジナルとしてよかろう)と、ストリングスが加わらない「Time Of No Reply」は、『Time of No Reply』でしか聴くことができないのである。


Nick Drake - I Was Made to Love Magic


Magic (Orchestrated Version 2)







Time of No Reply

Time of No Reply

  • アーティスト: Drake, Nick
  • 出版社/メーカー: Hannibal
  • 発売日: 1999/10/25
  • メディア: CD



Made to Love Magic

Made to Love Magic

  • アーティスト: Drake, Nick
  • 出版社/メーカー: Universal UK
  • 発売日: 2012/10/16
  • メディア: CD



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Thick as a Brick ジェラルドの汚れなき世界 [ジェスロ・タル]

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 原題の『Thick As A Brick』とは「レンガのように厚い=情報の伝達が遅い=うすのろ」という意味らしい。 「Your wise men don't know how it feels , to be thick as a brick. 」という歌詞があり、wiseと対置されているので、そのとおりなのだろう。確かに8歳の子どもが書くような詩ではない。イアン・アンダーソンはインタビューの中で「『アクアラング』がコンセプトアルバムと誤解されたので、そうじゃないということを皮肉なやり方で理解してもらうためにこのアルバムをつくった」ということを述べているが(『ストレンジ・デイズ』2013年3月号)、なんとも英国的なジョーク!歌詞を読んでもさっぱり意味不明だが、モンティ・パイソンのような真面目にふざけている感覚が伝わってくる。真面目なユーモアと緩急自在の構成、フルートを主体にアコースティック・ギターからエレクトリックまで印象に残るリフとメロディーが次々と登場してくる。アコースティック・ギターとフルート、ピアノのファンタジックなアンサンブルに、オジサンなのか若いんだか不明な不思議なヴォーカルが被さってくるオープニングから、ラストの”yenn....”というつぶやきともため息ともつかないひと言まで、アナログA面のパート1とB面のパート2でトータル約44分、レコードまるまる1枚で全1曲。まったく飽きさせない完璧な演奏だ。その軸となるのはもちろんイアン・アンダーソンのフルート。アコースティック・ギターやピアノとともに紡ぎ出される上品な調べから、オルガンやエレクトリック・ギターと絡むアグレッシヴな演奏までまさに変幻自在。

シングル曲もないのに全英5位、全米では1位となるヒットとなったのはそれまでのジェスロ・タル作品には感じられなかった「やわらかさ」「わかりやすさ」だと思う。『日曜日の印象』や『アクアラング』も素晴らしい作品だけど、とっつきにくい固さというか難解さが感じられていた。それに対して『ジェラルド』は彼らの魅力であるクラシカルでトラディショナルな要素は残しつつもポップであり、聞き手も余裕を持って耳を傾けることができる。あたかも中世ヨーロッパを舞台にした舞台劇のような雰囲気であり、『パッション・プレイ』へのつながりも感じられる。


Jethro Tull - Thick As A Brick (live in London 1977)


 名作の常として、「○○周年記念盤」や「デラックス・エディション」、ひいては「パート2」が制作されるが、『ジェラルド』も様々なエディションがリリースされた。私が最初に買ったCDは1993年にリリースされた東芝EMI盤(TOCP-7815)で、ヴォーカルの音圧がちょっと弱い印象を受ける。1997年にリリースされた25周年記念盤はリマスターされて音がよくなっており、新聞のミニチュアレプリカがついたボックスセットもあり。25周年盤には約12分のライヴ・ヴァージョン(1978年のMSG)と16分のインタビューがボーナス・トラックとして収録されているが、残念なことにリマスタリングの際にエンディングの「ため息」を消してしまうという大失態を演じている。ジャケットに赤い文字で「LATE EXTRA」と書かれているのが25周年盤。2012年にリリースされた40周年記念盤は、スティーヴン・ウィルソン(ポーキュパイン・ツリー)によるリミックスで、「ため息」が復活しているらしい。

 2012年にはリリース40周年を記念して、パート2が制作された。政治家となったものの落選して政界を引退したジェラルド・ボストックがSt Cleve という小さな町に引っ越して回顧録を書くという話。実は両親が息子の年齢を偽っており、詩を書いたのは歳ではなく9歳のときで、コンテスト当時は10歳だったというオチまでついている。40年後なのにジェラルドは50歳になっているのはそのため。
新聞の電子版 https://www.stcleve.com/



ジェラルドの汚れなき世界

ジェラルドの汚れなき世界

  • アーティスト: ジェスロ・タル
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2011/10/26
  • メディア: CD



ジェラルドの汚れなき世界 2

ジェラルドの汚れなき世界 2

  • アーティスト: イアン・アンダーソン(ジェスロ・タル)
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2012/05/09
  • メディア: CD



『ジェラルドの汚れなき世界』完全再現ツアー~ライヴ・イン・アイスランド 2012 [DVD]

『ジェラルドの汚れなき世界』完全再現ツアー~ライヴ・イン・アイスランド 2012 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックアンドビジュアルズ
  • 発売日: 2014/08/20
  • メディア: DVD



THICK AS A BRICK (50TH ANNIVERSARY EDITION)[VINYL] [Analog]

THICK AS A BRICK (50TH ANNIVERSARY EDITION)[VINYL] [Analog]

  • アーティスト: JETHRO TULL
  • 出版社/メーカー: PARLOPHONE
  • 発売日: 2022/07/29
  • メディア: LP Record



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1975年5月25日  アールズ・コート最終日 ツェッペリン最強伝説 [レッド・ツェッペリン]

 1975年5月25日のアールズ・コート千秋楽は、ツェッペリンのライヴ・アクトの中でも出色のステージだと思う。大規模な北米ツアーを成功裏に終わらせた後の本国への凱旋公演であることに加え、最終日のためその後のステージを気にせず全力での演奏ができたこともあっただろう。音と同時に映像を見ていると、彼らの「うれしさ」みたいな雰囲気が感じられる。

 3月まで行われていた北米ツアーとの大きな違いはアコースティック・セットが組み込まれていることだが、そのこともあって北米ツアーでの暴れっぷりに比べると、王者の風格を感じさせるステージだ。北米ツアーでは「ノー・クォーター」の次は「トランプルド・アンダーフット」であることがほとんどだったが、アールズ・コートでは(北米ツアーではセット・リストになかった)「タンジェリン」であり、ジョンジーのキーボードが幻想的な「ノー・クォーター」からエレクトリック・ヴァージョンの「タンジェリン」と、ロバートが歌い上げる2曲が連続する様は実に端正で、品格を感じさせる(「タンジェリン」終盤の欠落が実に残念!)。アンコールには他の日に演奏されなかった「ハートブレイカー」と「コミュニケイション・ブレイクダウン」まで演奏されており、聞き所満載のステージだ。が、やはり映像のほうがずっと楽しめる。ロバートが髪を手でかき上げたり顔にかかる髪を振る仕草や、左手でマイクを持ちつつ右手は指を立てたりと細かい動きをする様、ジミーの意外にクールな様子もカッコいいが、ジョンジーの華麗なキーボードさばきに心ひかれる。「ノー・クォーター」はもちろん、「トランプルド・アンダーフット」「カシミール」でのジョンジーを見ていると、後期ZEPの屋台骨を支えていたのはジョンジーであったことを実感する。その他、ジミーがヴォーカルに参加するシーンも神。全員が参加する「タンジェリン」もいいが、「胸一杯の愛を」でロバートとジミーがマイクを分け合う姿は、クイーンなど後続のバンドへと受け継がれる英国的な華麗さを感じる

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 アールズ・コート最終日のコレクターズCDで最も早くリリースされたのは、1993年頃の『Earl's Court 1975』(MUD DOGS-024/025/026)であったがこのアイテムはオーディエンスソースである。当時の『GOLD WAX』誌には「あまり良くないオーディエンス録音」と紹介されており、ファー・イースト・レコードの広告には1万1800円という値段が掲載されていたため、購入はしおなかった。私が最初に聴いたこの日の音源は、『Shake For Me, Baby』(MISSING LINK ML-017)というタイトルで、「カシミール」「ノー・クォーター」「タンジェリン」の3曲が収録されていた(全6曲の収録で、残り3曲は77年のシアトル)。これも1990年代前半のリリースであり、当時から「タンジェリン」の終盤はフェードアウトだった。次いで『EARL'S COURT '75 FINAL COURT』(CDM016)は『Shake For Me, Baby』の3曲に加えて「永遠の詩」と「レイン・ソング」が収録されており、「もしかすると25日も24日同様の音源が残っているのではないか?」と期待が高まったものである。そしてついに2000年代にはプロショットの映像も見ることが可能となり、それをソースにしたCDの音質も90年代とは比べものにならないほど向上した。

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 現行のCDはいずれも映像のSB音源をソースとして「タンジェリン」の欠落部分を補填したものであり、とても音が良く安心して聴くことができる。私が持っているのは以下の3セットだが、どれも良い。

・『A Young Person's Guide To Led Zeppelin 』(Empress Valley EVSD 256~9)
 かつてEmpress Valleyからリリースされていた『WHEN WE WERE KINGS』のリイシューであり、ディスクには旧タイトルである「WHEN WE WERE KINGS」と印字されている。

・『Bataille De Trafalgar 』(Wendy)
 4CD+2DVDの6枚組ボックス。DVDは3種類の音源(「SB」「オーディエンス」「SB+オーディエンス」)を切り替えることが可能。欠落部分の映像はなし(音声のみ)。
  メーカーインフォ https://www.giginjapan.com/led-zeppelin-bataille-de-trafalgar/

・『EARL'S COURT 1975 FINAL NIGHT』(LIGHTHOUSE)
個人的には、イコライジング的に私の好み。
  メーカーインフォ  https://www.giginjapan.com/led-zeppelin-earls-court-75-final-night/

・映像
 元ソースの映像も「タンジェリン」終盤が欠落している。WendyのDVDでは欠落部分はブラックアウトで、Empress Valley盤(『レッド・ツェッペリンの歴史』収録盤)は、スローモーション映像になっている。



Led Zeppelin - Live at Earls Court (May 25th, 1975) - Video (Official Songs Removed)



Led Zeppelin - Rock And Roll (4K AI Upscaled) - May 25, 1975




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伝説 / ヘンリー・カウ  反体制と反商業主義 [カンタベリー系]

 「カンタベリー系」にはソフト・マシーンとキャラヴァンの二大バンドをはじめ、ゴングやハットフィールド&ザ・ノースといった個性的なバンドが多い中、ひときわ異彩を放つのがヘンリー・カウ。メロディアスで美しいフレーズやフリー・ジャズ風の演奏、さらにはハイテクニックなギターソロも現れる変幻自在なサウンドは、一聴成り行き任せのような印象も受けるが、おそらくかなり緻密な計算のもとに曲構成が考えられていると思われる。混沌と秩序、緻密さとラフさが同居したまさにフリーキー(風変わり)なサウンドであり、しかもメンバー全員が凄腕という「通好み」なバンドである。そのせいか、「カンタベリー系」以外にも「エクスペリメンタル・ロック」、「チェンバー・ロック」「アヴァン・ロック(からのアヴァン・プログ(レ))」などのカテゴリーでも語られる。反体制運動RIO(Rock in Opposition)からのレコメンデッド・レコード設立により「レコメン系」とも呼ばれるが、その思想的・政治的な部分から伝説のトラッド・シンガーであるフランキー・アームストロングとも結びつく(The Orckestra)など、音の間口は広い。とかく前衛的な部分が目立ってしまうのでプログレ界隈では敬遠する人も多いようだが、最初「なんだこりゃ」と思っても何度も聴いているうちにその魅力に引き込まれるバンドである。

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 ヘンリー・カウのデビュー・アルバム『LEGEND』は、1973年にヴァージン・レコードからリリースされた(レコーディングもマナー・スタジオで、エンジニアはトム・ニューマンというヴァージン系の人たち)。後にオリジナルのタイトルが『Leg End』という表記に変更になったものの、邦題は74年の日本コロムビア盤から2015年のベル・アンティーク盤まで一貫して『伝説』という邦題が使用されてきた。

 彼らの魅力を伝える代表曲とも言える1曲目の「Nirvana For Mice」には、 First Bit Of 'Nirvana For Mice'のエンジニアとしてマイク・オールドフィールドがクレジットされている。「First Bit」とは、冒頭のドラムの一音から2つのホーンによるアンサンブルの部分(約1分間)だと思われるが、立体感のあるピアノが隠し味。このわずかな部分だけにマイク・オールドフィールドが手を加えたという事実からも、ヘンリー・カウの曲が緻密な計算のもとに制作されたことがうかがえる(91年にEast Side DigitalからリリースされたCD(ESD 80482)はメンバーであるティム・ホジキンソンとフレッド・フリスによってリミックスされ、全体的に強いリバーブ処理が加えられているが、この最初の部分だけで違いがハッキリとわかる)。最初はメロディアスだったな曲がサックスのリードでどんどん混沌に向かっていく様は、聴いてる自分が吸い込まれていくような気分になるが、一方でバックの冷静なベースラインと手数は多いがブレないドラムがなんともクール。唐突に終わる1曲目から、一転してフルートが美しい次の「Amygdala」への流れもよい。「Amygdala」は牧歌的でユーモラスな部分も含めてハットフィールド&ザ・ノース的な部分も感じられ、ヘンリー・カウがカンタベリー系であることを改めて感じる曲。「Nine Funerals Of The Citizen King」のロバート・ワイアット的なヴォーカルとクラシカルな演奏は、まさに「チェンバー・ロック」。なお91年EDS盤のクレジットによれば、この曲には次作からメンバーとなったリンゼイ(リンジー)・クーパー(フランキー・アームストロングとともにFeminist Improvising Groupを結成する)によるバスーンが新たにオーバーダビングされている。

Nirvana for Mice


 オリジナルは9曲で、リミックスされた91年のESD盤には「Bellycan」というボーナス・トラックが収録されて10曲入りになっていた。2015年にベル・アンティークからリリースされたSHM-CD盤(ミックスはオリジナル仕様)には4曲のボーナス・トラックが収録されているが、いずれも40周年ボックスに収録されていたテイクであり、初出の発掘音源ではない。このうち「Teenbeat」の別ヴァージョンは10分を越える大作で、(もちろん元ハットフィールド&ザ・ノースの方の)デイヴ・スチュワートが参加している。




伝説(LegEnd)

伝説(LegEnd)

  • アーティスト: ヘンリー・カウ
  • 出版社/メーカー: ベル・アンティーク
  • 発売日: 2015/06/25
  • メディア: CD



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VEGAS ヴェガス テリー・ホール&デイヴ・スチュワート [テリー・ホール]

 20年ほど前、熊本市の子飼橋通り(新屋敷)に「Colourfield (カラーフィールド)」というレコード・CDショップがあった。イッツ・イマテリアルのインディー時代の7インチとか結構なレア・アイテムが置いてあり、聴かなくなったレコード・CDの買い取りをしていただいたこともあった。店名の通り店長のAさんはテリー・ホールのファンで(でもショップオリジナルのプラ袋は、ドリーム・アカデミーがモチーフだった)、テリー関連のアイテムは大変充実していた。Aさんから「コレいいですよ~」と勧められたのが、ヴェガス。テリー・ホールがデイヴ・スチュワート(元ユーリズミックス)と組んだユニットである。

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 ヴォーカリストとしてのテリー・ホールの魅力は、独特な陰影にある。スペシャルズ時代のダンサブルなナンバーでも、ちょっとペシミスティックな雰囲気を漂わせる彼のヴォーカルは、モノクロームのイメージと相まって不思議な魅力を持っていた。今回の相棒であるデイヴ・スチュワートは、ツーリスト~ユーリズミックスでもわかるようにヴォーカリストの魅力を引き出すことがとても巧い人だ。ユーリズミック同様エレクトロニクスを多用したサウンド・プロダクションではあるものの、アニー・レノックスの突き抜けるような感じとは異なり、流れるようなテリーの魅力を遺憾なく引き出している。シングル・カットされた「シー」(シャルル・アズナブールのカヴァーで、カラーフィールド時代にもカヴァーしている)以外はテリーとデイヴの共作で、カラーフィールドで開花したテリーのソングライターとしての才能も見逃せない。ヴェガスは1992年に唯一のアルバムを発表して自然消滅....と思われたが、97年に一時的に再結成?した。厳密には再結成ではなく「テリー・ホール&デイヴ・ステュアート」としての活動だったが、97年のボブ・ディランの日本ツアーの際、オープニング・アクトとして日本公演を行っている。 テリー&デイヴはディランの日本ツアー「NEVER ENDING TOUR 1997」の11公演のうち東京3days(東京国際フォーラム)に参加したそうだが、その時のコレクターズ音源をいくつか聞いてみたもののテリ-&デイヴのステージを収録した音源にはお目にかかったことがない。トーキング・ヘッズの「サイコ・キラー」のカヴァーなどを披露したそうで、ディランもさることながらヴェガスのステージをみることができた人たちは本当にラッキーだったと思う。あまりファン層は重ならないと思うが、テリー&デイヴのステージがコレクターズ音源に残っていないのはそのせいか。

Terry Hall & Dave Stewart aka Vegas performing Psycho Killer live


Vegas (Dave Stewart and Terry Hall) – She


The Colourfield - She (Official Music Video)




Vegas

Vegas

  • アーティスト: Vegas
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1992/10/08
  • メディア: CD



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The Imagined Village [トラッド/ フォーク系]

 サイモン・エマーソン(サイモン・ブース:ウィークエンド~ワーキングウィーク~アフロ・ケルト・サウンド・システム:2023年に死去)がスタートさせたプロジェクトであるイマジンド・ヴィレッジは、英国フォークをベースに多様な文化を取り入れ、さらに現代的に再構築して演奏するプロジェクト。英国フォークにラップやインド・ルーツの音楽も取り入れ、さらにシンセや打ち込みなどエレ・ポップの要素まで含んでいる。2004年にスタートしたこのプロジェクトは、現在まで3枚のアルバムをリリースしているが、2007年にピーター・ゲイブリエルのリアル・ワールドからリリースされたファースト・アルバム『The Imagined Village』は、このプロジェクトの魅力を最もよく伝える作品だと思う。

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 オープニングは定番トラッドで、スティーヴ・ウィンウッドのトラフィックで有名な「John Barleycorn」。オリジナルのCDでは2曲目らしいが、私が持っているCDではこの曲から始まる。重鎮マーティン・カーシーとイライザ・カーシー父子の共演で、さらにヴォーカルとギターがポール・ウェラー(彼の参加はこの曲のみ)という驚天動地のヴァージョン。アレンジは正統ながら、演奏にはハーディー・ガーディにシンセまで加わるという面白さ。リアル・ワールド・レコードのスタジオ・ライヴでは、ポール・ウェラーのパートをビリー・ブラッグが歌っている。

The Imagined Village John Barleycorn


The Imagined Village - John Barleycorn (Live at Real World Studios)

ビリー・ブラッグがトラッド・フォークに言及している記事(2021年)
 https://turntokyo.com/features/interview-billy-bragg/


 2曲目の「Tam Lyn Retold」はフェアポート・コンヴェンションやアン・ブリッグスが取り上げた定番ナンバーだが、ラップに打ち込みドラムン・ベースを加えるという斬新な解釈。言われないと、あの「タム・リン」だとはわからない。


Tam Lyn (retold)

Tam Lin · Fairport Convention


 かつてマーティン・カーシーがスティーライ・スパン時代にも取り上げた「Cold Haily Windy Night」は、ギターがちょっと中近東風。

The Imagined Village - Cold Hailey Rainy Night


Steeleye Span - Cold, haily, windy night

 船乗りをモチーフにした「ライリー・バラッド」の一曲、「Welcome Sailor」で魅力的なヴォーカルを聴かせるシーラ・チャンドラは、インド・ルーツのシンガー。残念ながら、病気のため引退したという。スティーライ・スパンのファースト・アルバム『ハーク! ザ・ヴィレッジ・ウェイト』収録の「Dark-Eyed Sailor」と同系統のバラッドらしいが、アレンジのせいか雰囲気はまったく異なる。

'Welcome Sailor' featuring Sheila Chandra



The Imagined Village

The Imagined Village

  • アーティスト: Imagined Village
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2012/05/29
  • メディア: CD



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Krafty(クラフティー) のヴァージョン違い [ニュー・オーダー]

 95年にリリースされた『(the rest of )New Order』のリリースをきっかけに、2000年代の前半にかけてニュー・オーダーは様々なリミックスをリリースしていた。『ミュージック・マガジン』1991年4月号に掲載された高橋健太郎さんの「リミックスという言葉の持つ意味が大きく広がっている」という意味がようやく腑に落ちたのは、『(the rest of )New Order』を聴いてからだったと思う。それまで私は「ミックス違い」というと、ビートルズのステレオ・ミックスとモノ・ミックスの違いのような「ちょっとした違い」と認識していたので、元曲の原形をとどめない曲をリミックスと呼ぶことにはなんとなくしっくりこなかった。

 ニュー・オーダーに関して言えば「トゥルー・フェイス」のシェップ・ペディボーン・ミックスのようなオリジナル越えのリミックスもあれば、原曲のよさを台無しにするようなリミックスもありと玉石混淆であはあった。しかしYouTubeなどなかった時代、ネットで買ったCDを「いったいどんなミックスだろう」とワクワクしながらプレイヤーに入れるときは、期待と不安の入り交じったようなドキドキ感をも感じたものである。
 
 2005年にされたアルバム『ウェイティング・フォー・ザ・サイレンス・コール』からの最初のシングル「クラフティー」は、明るいメロディーと人生の応援歌みたいな歌詞の曲で、ニュー・オーダーらしからぬ?曲である。さらに「日本語ヴァージョン」という、聴いてるとちょっと笑みがこぼれてしまうようなヴァージョンもある。とは言うものの、ファミリー仕様の車のCMにも使われるという(年を取った)耳に優しいほのぼの感に、彼らの新しい魅力を感じたのもこれまた事実。

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 「クラフティー」に関して言えば、オリジナルよりもリミックスの方に彼ららしさが感じられるが、この曲には、14のヴァージョン/ミックス違いがあると思われる。

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(1)日本盤CD『ウェイティング・フォー・ザ・サイレンズ・コール』
   1.アルバム・ヴァージョン①
   2.日本語ヴァージョン②
   3.The Glimmers 12 inch extended mix③
   4.Phones Reality mix④

Krafty (Japanese version)---New Order


(2)英盤CDシングル(2枚)
   ①CD1(NUOCD13)
    1.single edit⑤
    2.アルバム・ヴァージョン①
   ②CD2(NUCDP13)
    1.The Glimmers 12 inch extended mix③
    2.Phones Reality mix④
    3.Andy Green mix⑥
    4.album version re-edit⑦
 ジャケットの写真は微妙に違っており、CD1のジャケ写真は「キラリ」と光がはいっている。CD2はエンハンスト仕様。

New Order - Krafty (Official Music Video)

(3)米盤CDシングル(Warner Bros. 42800-2)
    1.Radio Edit⑧
    2.Morel's Pink Noise Vocal⑨
    3.DJ Dan Vocal⑩
    4.Eric Kupper Club Mix⑪
    5.The Glimmers 12 inch extended mix③
    6.Phone Reality Remix④
    7.Riton Re-Dub Remix⑫
 ジャケットの写真は英盤CD2と同じ。「Radio Edit」⑧と「Single Edit」⑤は、ほとんど同じ。

(4)米盤12インチシングル2枚組(42800-0)
    A1.Morel's Pink Noise Vocal⑨
    A2.Phone Reality Remix④
    B1.DJ Dan Vocal⑩
    B2.The Glimmers Dub⑬
    C1.Eric Kupper Club Mix⑪
    C2.The Glimmers 12 inch extended⑧
    D1.Riton Re-Dub Remix⑫
    D2.Morel's Pink Noise Dub Mix⑭

(5)豪盤CDS(LONDON 5046780312)
    1.Radio Edit⑧
    2.The Glimmers 12 inch extended mix③
    3.Phone Reality Remix④
    4.Andy Green mix⑥
    5.アルバム・ヴァージョン①

(6)英盤プロモCDS(PRO 15273)
    1.Radio Edit⑧
     クレジットはないが、たぶん「Radio Edit」。

(7)英盤プロモCDS(PRO 15313)
    1.Radio Edit⑧
    2.The Glimmers 12 inch extended mix③
    3.The Glimmers Dub Version⑬
    4.Phone Reality Remix④
    5.Riton Re-Dub Remix⑫

(8)米盤プロモCDS(Warner Bros. PRO-CDR-101515 )
    1.Radio Edit⑧
  この盤には3分52秒というクレジットがあるが、レギュラー盤には3分47秒というクレジットがある。iTunesに読ませると、3分50秒。

(9)米盤プロモ12インチ2枚組(Warner Bros. PRO-A-101531)
    A1.Eric Kupper Club Mix⑪
    A2.Album Version②
    B1.Morel's Pink Noise Vocal⑨
    B2.The Glimmers Dub version⑬
    C1.DJ Dan Vocal⑩
    C2.Riton Re-Rub Remix⑫
    D1.Morel's Pink Noise Dub⑭
    D2.Phones Reality Remix④

(10)ブートレッグ
  「Radio 1 Hannover, Germany PRO-4152102」というクレジットがある。
    1.Radio Edit⑧
    2.The Glimmers 12 inch extended mix③
    3.The Glimmers Dub Version⑬
    4.Phone Reality Remix④
    5.Riton Re-Dub Remix⑫
    6.Andy Green mix⑥
    7.アルバム・ヴァージョン①

 14ヴァージョンのうち、ベストはロックな「The Glimmers 12 inch extended mix」③と ハウス調のクールな「Morel's Pink Noise Vocal」⑨、そしてフッキーのベースがちょっと「テンプテーション」みたいな「DJ Dan Vocal」⑩だと思う。買うならいちばん曲数が多い7曲入りの米盤。

Krafty (The Glimmers 12" Extended) - New Order New Order - Krafty (Morel's Pink Noise Vocal) Krafty (DJ Dan Vocal Remix)




Krafty

Krafty

  • アーティスト: New Order
  • 出版社/メーカー: Wea International
  • 発売日: 2005/07/19
  • メディア: CD



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Stuart Moxham & Louis Philippe 」元ヤング・マーブル・ジャインツと元エルレーベル、2人の才人のコラボ・ユニット [ギター・ポップ系]

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 元ヤング・マーブル・ジャイアンツのスチュワート・モクサムと、かつてエル(él)・レーベルで一世を風靡したルイ・フィリップによるコラボ作はこれまで2枚がリリースされている。いずれも高水準のネオアコ名作。ともに「ネオアコ系」として語られることの多い2人だが、YMGはシンプルの極地、方やエル・レーベルはお洒落なラウンジ系と両者の持ち味はかなり異なる。
 最初の1枚『The Huddle House』は、2007年にルイ・フィリップ自身のインディー・レーベルWonderからリリースされ、スチュワートの弟アンドリューもクレジットされている。かつての木漏れ日フォーク的な雰囲気をたたえた、牧歌的でメロディアスな作品集だが、シンプルでデモ集のような趣のアルバム。しかし2020年にリリースされた2作目『The Devil Laughs』は、アレンジやコーラスワークも作り込まれており、より高い完成度を誇る作品に仕上がった。ゆったりとした流れるような曲からジャス調の曲まで、流麗なコーラスワークとアコギが耳に心地よい。ルイ・フィリップ2枚目のアルバム『アイヴォリー・タワー』のオープニング・ナンバー「ゲス・アイム・ダム」は、ブライアン・ウィルソン(とラス・タイトルマン)がつくった曲で、山下達郎もカヴァーした曲。この曲の雰囲気をを引き算していって、ちょうどよい感じにしたらこうなったという感じのアルバムである。YMG風オルガンが流れる曲もあって、いい感じの作品である。


The Huddle House

The Devil Laughs



Huddle House

Huddle House

  • アーティスト: Stuart Moxham
  • 出版社/メーカー: Le Son Du Maquis
  • 発売日: 2011/04/07
  • メディア: CD



STUART MOXHAM&LOUIS PHILPPE ザ・デビル・ラフ/THE DEVIL LAUGHS[帯・解説(中村慶:blue-very label)・歌詞対:多屋澄礼:Girlside)/国内盤CD/ボートラ3曲追加!

STUART MOXHAM&LOUIS PHILPPE ザ・デビル・ラフ/THE DEVIL LAUGHS[帯・解説(中村慶:blue-very label)・歌詞対:多屋澄礼:Girlside)/国内盤CD/ボートラ3曲追加!

  • アーティスト: STUART MOXHAM&LOUIS PHILPPE
  • 出版社/メーカー: CA VA? RECORDS / HAYABUSA LANDINGS
  • 発売日: 2021/03/17
  • メディア: CD



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