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BABY, THE STARS SHINE BRIGHT / EVERYTHING BUT THE GIRL [エヴリシング・バット・ザ・ガール]

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 01. Come On Home
 02. Don't Leave Me Behind
 03. A Country Mile
 04. Cross My Heart
 05. Don't Let The Teardrops Rust Your Shining Heart
 06. Careless
 07. Sugar Finney
 08. Come Hell Or High Water
 09. Fighting Talk
 10. Little Hitler


 EBTGの3枚目(1986)はアビイ・ロード・スタジオでレコーディングされ、プロデューサーはマイク・ヘッジズ。しかし実際はメンバーとの共同プロデュースであり、ストリングスのアレンジもすべてベン・ワットがやったとのこと。これまでのジャズ~フォークから、後の打ち込みのドラムンベースまで、彼の音楽的な才能が伝わってくる傑作。アルバムのタイトルは、ゴスロリファッションのブランド名に使われた。

 フル・オーケストラが導入されたことで、1枚目・2枚目に比べると、明るくゴージャスなサウンドになった。20年以上前に何かの雑誌で、「"単なるネオアコの狭い枠を越えて"という物言いが気に入らない、ネオアコとは最初から"狭い枠"なんてものをを打ち壊したあり方だった」という内容の文章を読んだ記憶がある。確か宮子和眞さんが書いたものだったと思うが、「単なるネオアコの狭い枠を越えて」というのは、このEBTGの3枚目のレビューに多く見られたように思う。

 初期EBTG~チェリー・レッドのファンには、「全米トップ40」的な音楽が嫌いな人が多かった。なかでもEBTGは「love not money」~シンプルでピュアという清貧めいたイメージを纏っていたので、ファンの中にはこのアルバムにネガティヴな評価を下す人もいたが、それはトレイシー・ソーン自身が目指したことでもあった。彼女は(ムチャクチャ面白い)自伝『安アパートのディスコ・クイーン』の中でこのアルバムに関して「たとえそれまでのファンたちを失ってしまいかねないような危険を冒してでも、世に蔓延るカテゴリー分けというものを否定して行こうとする気概を持ってもいた」(日本語版214㌻)と述べているが、先に挙げた宮子和眞さんの指摘通りである。頭の固いクリティック野郎どもをぶっ飛ばせ!という、パンクなアティチュード。同書にはこのアルバムの歌詞についても触れられているが、歌詞の内容がダイレクトに伝わらない日本ではこのアルバムに込められた真意は伝わりにくかったと思われる。

 と言いつつ、アルバムから2枚目のシングルとしてカットされた「Don't Leave Me Behind」の限定7インチ2枚組(Blanco Y Negro ‎– NEG 23 F)のカップリングで「Come On Home」のアコースティック・ヴァージョン(CDでは『エッセンス』に収録)をリリースするあたり、迷いも感じられて微笑ましい。このアルバムの収録曲を聴いたジェフ・トラヴィスの「すごくいいけど、でもちょっとやり過ぎなところがなきにしもあらずなんじゃないだろうか」(同感!オリジナルの英語表記を知りたい!)という言葉が強く印象に残っていたのかもしれない。



Everything But The Girl - Come On Home (Official Music Video)



Everything but the girl - Come on home (acoustic)




 ベスト・トラックは「Cross My Heart」



Everything But The Girl - Cross My Heart




安アパートのディスコクイーン──トレイシー・ソーン自伝 (ele-king books)

安アパートのディスコクイーン──トレイシー・ソーン自伝 (ele-king books)

  • 出版社/メーカー: Pヴァイン
  • 発売日: 2019/05/31
  • メディア: 単行本
BABY, THE STARS SHINE BRIGHT(SHM-CD)

BABY, THE STARS SHINE BRIGHT(SHM-CD)

  • アーティスト: Everything But The Girl
  • 出版社/メーカー: Cherry Red
  • 発売日: 2018/03/21
  • メディア: CD
エッセンス&レア

エッセンス&レア

  • アーティスト: エヴリシング・バット・ザ・ガール
  • 出版社/メーカー: サブスタンス
  • 発売日: 2002/07/24
  • メディア: CD


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LISTEN TO THIS, EDDIE / LED ZEPPELIN [レッド・ツェッペリン]

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 1970年代後半から80年代にかけて、米国西海岸ロサンゼルスを中心にマイク・ミラードというテーパーが活動していたという。彼がLAフォーラムで隠し録りしたライヴはどれも素晴らしく、「会場の雰囲気を最もよく伝える究極のオーディエンス録音」である。いわゆる「ミラード音源」として私の手元にあるのは、ローリング・ストーンズ、デヴィッド・ボウイ、そしてツェッペリンだが、いずれもがフォーラムを舞台にした素晴らしい音源だ。

 彼の名前とマイクロフォンをかけて「Mike The Mike(Mic)」とも称された、マイク・ミラードについて説明したサイト(いずれも英語)。
 https://en.wikipedia.org/wiki/Mike_Millard
 https://kernelmag.dailydot.com/features/report/6498/the-tragic-tale-of-a-legendary-concert-taper/

要点は以下の通り。
・障がい者を装って協力者とともに車椅子で会場入りしていた。
・車椅子にレコーダー、帽子にマイクを仕込んでいた。
・カセットテープのレコーダーは日本製ナカミチ550。
・マイクはドイツ製AKGアコ-スティック・マイクロフォン。
・彼はフォーラムで録音に最も適した位置を知っており、それは6または8列目であった。
・騒がしい客にはお金を握らせて黙らせた。
・親しい友人には録音テープのコピーをプレゼントしていた。
・友人に渡したカセットのレーベルには、手の込んだデザインが施されている。
・彼は自分のテープがブートレッグとして拡散するのを嫌っていた。
・友人に渡すコピーには、一本ごとに異なるマーク(特定の場所でボリュームを変動させたり、カットするなど)が施されていた。
・彼は鬱病に苦しみ、1990年に自殺した。
・オリジナルのテープは自殺の直前にすべて廃棄された。
・『レッド・ツェッペリンDVD』のメニューに使用されている「永遠の詩」は、マイク・ミラードが録音したものがソースである。

 アメリカのバンド、ザ・ナショナルが2019年にリリースしたカセット・ボックス『Juicy Sonic Magic』は、マイク・ミラードが用いたとされる手法(The Mike Millard Method)で録音されたという。その制作をまとめた短編ドキュメンタリーでは、マイク・ミラードが作ったと思われるTDKのカセットテープの山やマイクの友人の証言を見ることができ、たいへん興味深い。

 レッド・ツェッペリンのミラード音源としては、77年USツアーでのLA6日間公演における初日6月21日の『Listen to This, Eddie』と3日目『For Badgeholders Only』は特に有名だ。私は両日の「テン・イヤーズ・ゴーン」「カシミール」「アキレス最後の戦い」計6曲をCDにして(ちょうど60分くらい)、車の中でよく聴いたものである。

【『Listen to This, Eddie』について】
 タイトルの『Listen to This, Eddie』におけるエディーとは誰のことかについては、2つの説がある。一つ目はエドワード・ヴァンヘイレンだというもので、彼が雑誌『ギター・ワールド』1981年1月号におけるインタビューで「Jimmy Page is an excellent producer. Led Zeppelin and Led Zeppelin II are classics. As a player, he's very good in the studio. I never saw him play well live. He's very sloppy. He plays like he's got a broken hand and he's two years old. But if you put out a good album and play like a two-year-old live. What's the purpose?"」と述べたことに対する「ライヴでもこんなにスゴいプレイなんだぞ~」という反論だという説である。そしてもう一つは、ツェッペリンのアルバムのレコーディング・エンジニアだったエディ・クレイマーのことで、「こんないい音で録れるんだぞ~」という意味であるというものだが、果たして真相は。

 この日はメンバー全員がとてつもなくハイテンションなのだが、なかでもボンゾのキレ具合は異常でオープニングの「永遠の詩」(『レッド・ツェッペリンDVD』のメニューBGMに使用された)から機関銃のようなフィルインの嵐。これがラストの「ロックンロール」(最初の♪ロンリロンリロンリでのフィルインと言ったら....)まで続くのだから、常軌を逸した演奏である。2曲目の「シック・アゲイン」では、スタートで観客をじらすようなモタつくような不思議な間があるが、おそらくギターの弦が切れてしまい、別のギターと交換しているのだろう。個人的にはしっとりした「テン・イヤーズ・ゴーン」とフィルインが飛びまくる激しい「アキレス」がいい。77年では珍しい「ハートブレイカー」も素晴らしい演奏。「アキレス」後のMCでは、ロバートがフィル・カーソンの紹介をしている。フィル・カーソンはアトランティック・レコードでツェッペリンを担当していたディレクターで、たびたびライヴに参加している(80年のフランクフルトでは、ビートルズ・ナンバー「マネー」でベースを弾いていた)。71年の初来日のときに日本刀を振り回したのはボンゾではなく、フィル・カーソンらしい(http://blog.mora.jp/2015/08/13/memories07.html)。『エディー』では、「ダスティ・スプリングフィールドと一緒に日本に行ったことがある」と紹介されており、「JAPAN」という単語がロバートの口から出てきて、おおっとなってしまう。次の「天国への階段」では、ジョンジーはエレピにまわってフィル・カーゾンがベースを弾いたのかもしれない。
 
手元にある『エディー』は以下のアイテム。
①『OUT ON THE TILES』(TALANTURA HB-001/002/003)
②『LISTEN TO THIS, EDDIE』(EMPRESS VALLEY EVSD-465/466/467)
③『L.A.FORUM 1977 THE FIRST』(LIGHTHOUSE)
④『Winston Unmarked 1st Gens from Millard Masters』(CD-R)

 この日の凄まじいドラミングに敬意を表して、①のジャケットはボンゾの写真。「テン・イヤーズ・ゴーン」は名演で、エコーがかかった♪And you knew you would~はまさに詠唱というにふさわしいが、ジミーのドリーミーなソロの途中で欠落があり、①は補填されていない。②は別ソースで補填。LIGHTHOUSEは販促用に「ギフトCD-R」をしばしば配付しているが、数年前には『Los Angeles 1977 1st Night:Winston Unmarked 1st Gens From Millard Masters』という3枚組が配付された。このCD-Rのディスク3には、補填に使用された「テン・イヤーズ・ゴーン」が収録されている。ミラード音源を「ソース1」、補填に使用された「テン・イヤーズ・ゴーン」を「ソース2」とするようで、ソース2は「テン・イヤーズ・ゴーン」1曲のみ。


 ところが、『エディー』の日から40年もたった2017年になってこの日の新たなソースがYoutubeにアップされた。その名も『LISTEN TO THIS, ERIK』。投稿者はゲイリー・バウアーという人物で、その後彼は自分が持っていたマスターをJEMSに渡してテープスピードの修正やリマスタリングが行われた。JEMSというのはリマスタリングを行うグループで、4人の頭文字がグループ名の由来らしい。そのうちのS=Stan氏はマイク・ミラードと親交があったとのこと。タイトルの『LISTEN TO THIS, ERIK』のエリックとは、この日ゲイリー氏と一緒に会場に足を運んだ友人で、今はロケット工学のエンジニアをしているという。

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・ゲイリー・バウアー氏の回顧
https://forums.ledzeppelin.com/topic/25142-listen-to-this-erik-a-looong-story-of-why-it-took-40-years-to-be-released/
・JEMSのメンバーによる解説
https://www.guitars101.com/forums/f145/led-zeppelin-1977-06-21-inglewood-garyb-master-via-jems-487761.html


ゲイリー・バウアー氏が録音したオリジナル・テープ版



JEMSによるリマスター版



 LIGHTHOUSEはこの第3のソースを使って、2つのアイテムをリリースしている。一つはゲイリー音源をミラード音源で補填した『LISTEN TO THIS, ERIK』、もう一つはミラード音源をゲイリー音源で補填した『LISTEN TO THIS, EDDIE』である。『LISTEN TO THIS, ERIK』を聴いてみると、演奏の音のこもり感はあるものの近くの観客の声(ERIKさん?)がリアルに入っていて、独特の臨場感がある。「テン・イヤーズ・ゴーン」でカット箇所に近づくと、つい「さあ、そろそろだ」と身構えるものだが、そのままの音で続いていくのは正直新鮮であった。

・『LISTEN TO THIS, ERIK』のメーカーインフォ
https://www.giginjapan.com/led-zeppelin-listen-to-this-erik/
・『LISTEN TO THIS, EDDIE』のメーカーインフォ
https://www.giginjapan.com/led-zeppelin-listen-to-this-eddie-3rd-edition/




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LIVE ON BLUEBERRY HILL / LED ZEPPELIN [レッド・ツェッペリン]

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 オフィシャル「伝説のライヴ」(72年)を始め、「ボンゾズ・バースティ・パーティー」(73年)、そして「エディー」「バッジホルダーズ」(77年)など名作の舞台となってきたLAフォーラム(行政区的にはロサンゼルス市ではなくイングルウッド市らしい)。中でも1970年9月4日のステージは「LIVE ON BLUEBERRY HILL」として有名な音源で、ロバート・ゴドウィンの『The Illustrated Collector's Guide To Led Zeppelin』(3rd ed.)には、" This is the first & most famous Led Zeppelin bootlegs ever."とある。ルイス・レイの『LED ZEPPELIN LIVE』に"mistaken as a legal record by many!"とあるように、1970年に隠し録りされたオーディエンス音源とは思えないほど音が良い。



 私が初めて「ブルーベリー・ヒル」をはじめて聴いたのは、1990年のことである。雑誌『GOLD WAX』(バロック出版)No.5の特集で「どんな手段を使っても入手しなければならない」と紹介されていたため、同誌の広告を見ながら通販で安価なハーフオフィシャル盤を買った。確かLIVING LEGENDだったと思うが、以来30年間にわたって「ブルーベリー・ヒル」を聴き続けている。現在手元にある「ブルーベリー・ヒル」は次の4種類。
 ・①TARANTURAの2枚組(T2CD-4)
 ・②EMPRESS VALLEYの2枚組(EVSD-1158/1159)
 ・③EMPRESS VALLEYの4枚組(EVSE-530~533)
 ・④WENDYの2枚組(WECD-21/22)
 ・⑤WENDYの9枚組(WECD-279~287)

 WENDY9枚組には6つのソースが収録されているが、2018年にGRAF ZEPPELINからリリースされた「ブルーベリーヒル」のメーカーインフォ[https://www.navyblue-sound.jp/product/34]によれば、どうやら7つのソースがあるらしい。そのうち最初にリリースされたソース1(モノラル)と1990年代にCDが主流となってから発掘されたソース3(ステレオ、WENDY盤ではソース2)はともに「定番音源」とされている。私としては、長らく愛聴してきた①(ジャケットには「RUBBER DUBBER」とある)がソース3なので一番愛着がある。③はディスク1と2がソース1、3と4がソース3という構成になっているのでで聞き比べができて面白い。但し、欠落部は補填されている(例えばMCやソース2の「幻惑されて」など)ので、それぞれ単一のソースで収録されているわけではない。②と④は複数のソースを使って完全収録を目指しているが、②の方が良い。②と③をあわせた6枚組もあり。
 ところでGRAF ZEPPELINのメーカー・インフォで使われているソース番号と、WENDY9枚組で使われている番号とはナンバリングが違っているのでややこしい(例えばRUBBER DUBBERソースはGZ盤ではソース2、WENDY盤ではソース5とされている)が、GZ盤でもコメントされているとおり「海外専門サイトなどでは、どうやら上記のようなカウントが一般的」のようである。例えばココ→ http://www.argenteumastrum.com/1970.htm#19703
 WENDY盤のメーカーインフォ https://www.mellow-yellow.jp/product/627

 この日は演奏自体もとても良く、ハイトーンのヴォーカルが炸裂するオープニングの「移民の歌」、ライヴでは珍しい「アウト・オン・ザ・タイルズ」、ジミーのソロが素晴らしい「サンキュー」「ハートブレイカー」など聞き所も多い。なかでもアンコールの「コミュニケイション・ブレイクダウン」は、メドレーで「グッド・タイムス・バッド・タイムス」~バッファロー・スプリングフィールドの「フォー・ホワット・イッツ・ワース」~ビートルズの「アイ・ソーハー・スタンディング・ゼア」に続くという珍しい展開。客席とのコミュニケーションもよく、「ブリング・イット・オン・ホーム」や「胸一杯の愛を」での客席との掛け合いは、オーディエンス録音ならではの臨場感に溢れている。




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IMMIGRANT / GENE LOVES JEZEBEL [ジーン・ラヴズ・ジザベル]

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IMMIGRANT / GENE LOVES JEZEBEL
 01. Always A Flame
 02. Shame
 03. Stephen
 04. The Immigrant
 05. Cow
 06. Worth Waiting For
 07. The Rhino Plasty
 08. Deep South Wale
 09. Coal Porter


85年にリリースされたGLJの2枚目。彼らの最高傑作である。ポップすぎず、適度にメロディアスという匙加減が絶妙。名プロデューサー、ジョン・レッキーのエコーを効かせた独特の音空間づくりも成功している。ギター主体のロック・バンドでありながら、中性的で不思議な魅力を持ったヴォーカルで聴かせる歌モノが多い点も評価ポイント。シングル・カットされた「Cow」はそうしたGLJの魅力がもっともよくあらわれた曲で、印象的なギターフレーズと力強いリズム、そして妖艶なヴォーカルが渾然一体となったメロディアスな佳曲。また「Stephen」「Deep South Wale」、そしてラストの「Coal Porter」といった曲では、当時の4ADにもつながる耽美な浮遊感も。80年代のUK New Wave を代表する1枚だ。


COW


COW(マイケル・アシュトンによるアコースティック・ライヴ)


 2005年には、ベガーズ・バンケットから2枚組のスペシャル・エディションがリリースされ、ディスク2には11曲が収録されている。01・02は「Desire」の12インチ(SIT41T)、03~05は「Cow」の12インチ(SIT36T)、06~08は「Shame」の12インチ(SIT35T)にそれぞれ収録されていたテイクである。ただし、SIT41T収録の「Flame」は「Extended Version」ではないため、その意味で02は初出である。01のオリジナルは次作『DISCOVER』(86年)に収録されているが、SIT41Tは85年にSITUATION2からリリースされており、レコーディングは『IMMIGRANT』と同時期だったのかもしれない。コマーシャルな曲ゆえ、アルバムとしては『DISCOVER』(こちらはベガーズ・バンケットからのリリース)に入っている方がなじむ。01のプロデューサーのクレジットはマイケル、02はコックニー・レベルのスティーヴ・ハーレイ。09・10は84年5月12収録のジョン・ピール・ショウから。11は初出。

【デラックス・エディションのDISC2】
 01. Desire (Extended Remix)
 02. Flame (Extended Version)
 03. The Cow (Extended Version)
 04. One Someone
 05. You Weaken Her (Cow)
 06. Shame (Whole Heart Howl)
 07. Thin Things
 08. Gorgeous
 09. Waves (BBC Session)
 10. Five Below (BBC Session)
 11. Always A Flame (Alternate Version)

 また、2013年発売の『5ALBUMS』の『IMMIGRANT』には7曲のボーナストラックが収録されているが、すべてスペシャル・エディションに収録されている(『スペシャル・エディション』の「Gorgeous」には「Original Version」という表記がないが、同じテイクである)。

【5ALBUMSのボーナス・トラック】
 10. Flame (Extended Version)
 11. One Someone
 12. You Weaken Her (Cow)
 13. Shame(Whole Heart Howl)
 14. Thin Things
 15. Gorgeous (Original Version)
16. Desire (Extended Version)





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THE 1980 FLOOR SHOW / DAVID BOWIE [デヴィッド・ボウイ]

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 「The 1980 Floor Show」は、1973年11月16日に米NBCで放送されたボウイの特番で、NBCの音楽番組『The Midnight Special』の一つとして制作された。奇妙な番組タイトルは、ボウイの曲「1984」の言葉遊び(nineteen eighty four→nineteen eighty floor)である。放送一カ月前の10月18日から20日にかけて、ロンドンのマーキー・クラブで収録された。同年7月にザ・スパイダース・フロム・マーズの解散宣言を行っているが、この時のバックは、ギターがミック・ロンソンで、ベースはトレヴァー・ボルダー。ドラムはウッディ・ウッドマンジーではないものの、名手エンズレー・ダンバーなのでむしろこっちの方が興味深い。『ジギー・スターダスト:ザ・モーション・ピクチャー』にも出演していたマイク・ガーソンがキーボード。ボウイ以外の出演者は以下の通り。

 ・マリアンヌ・フェイスフル
 ・トロッグス
 ・カルメン
 ・アマンダ・レア
 
 マリアンヌ・フェイスフルの声は、60年代の可憐さが失われてハスキーになっているが、アンニュイな美しいルックスと相まってイイ感じだ。トロッグスは、「恋はワイルド・シング」(映画『メジャーリーグ』でチャーリー・シーンが登場するときに流れた曲)のカバーで全米1位となったことがあるイギリスのバンド。この番組でも同曲を演奏している。カルメンは「フラメンコ・ロック」と言われたスパニュッシュな英米混成バンドで、ベースのジョン・グラスコックは後にジェスロ・タルのメンバーとなった。MC担当のアマンダ・レアは、ロキシー・ミュージックの2枚目『フォー・ユア・プレジャー』(73年)のジャケットのカッコいい女性。一時は「アマンダは男性だ」という噂があったようで、『レコード・コレクターズ』93年4月号のロキシー特集では、『フォー・ユア・プレジャー』のジャケットについて「女装したアマンダ・レア」という記述がある。サルヴァドール・ダリの愛人だったこともあるらしい。

 本番・リハーサルともに高音質のCDがあるが、音が悪くても映像の方がずっと楽しめる。私が持っている映像版DVDは、HELDENの1枚モノ『THE 1980 FLOOR SHOW』(DEN -122)と、ヤフオクで360円だったチープなDVD-R2枚組。チープながら2枚組の方はリハ映像が長く収録されており、また「THE DICK CAVETT SHOW 1974」なども収録されているので、2枚組の方が楽しめる。HELDENの1枚モノはリハ60分+本番50分で計110分、2枚モノは2枚あわせて383分の収録。『beatleg』No.153(2013年4月号)によれば、2006年に10時間以上のビデオがオークションに出品されたということで、そのすべてを収録したDVDの5枚組や6枚組がある。
・DVD5枚組の内容
https://www.discogs.com/David-Bowie-Rehearsals-For-The-1980-Floor-Show/release/2851922
・DVD6枚組の内容
 https://www.discogs.com/David-Bowie-The-1980-Floor-Show-Uncut-Version/release/8043209

 6枚組の方がコンプリートか.....というとそうでもなくて、「The 1980 Floor Show」以外のプログラムが収録されていたりしているので基本的にはあまり変わらないように思われる。

Sorrow

アマンダ・レアとの絡みが楽しめる。最後にくっついている二人の会話「Who are you?」は放送されておらず、リハーサル映像をつなげている。

I Got You Babe

「1980 Floor Show」のラストを飾るデュエット(本番ではなくリハーサル映像)。マリアンヌ・フェイスフルは幼い頃修道院で生活していたという。

Everything`s Alright

ロックの殿堂入りしたドラマー、エインズレー・ダンバーのプレイ




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アビイ・ロード 50周年記念 スーパー・デラックス・エディション [ビートルズ]

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CD 2: セッションズ
 01.アイ・ウォント・ユー(トライデント・レコーディング・セッション&リダクション・ミックス)
 02.グッドバイ (ホーム・デモ)
 03.サムシング (スタジオ・デモ)
 04.ジョンとヨーコのバラード (テイク7)
 05.オールド・ブラウン・シュー (テイク2)
 06.オー!ダーリン (テイク4)
 07.オクトパス・ガーデン (テイク9)
 08.ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー (テイク36)
 09.ハー・マジェスティ (テイク1‐3)
 10.ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト (テイク1‐3)
 11.ヒア・カムズ・ザ・サン (テイク9)
 12.マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー (テイク12)

CD 3: セッションズ
 01. カム・トゥゲザー (テイク5)
 02. ジ・エンド (テイク3)
 03. カム・アンド・ゲット・イット (スタジオ・デモ)
 04. サン・キング (テイク20)
 05. ミーン・ミスター・マスタード (テイク20)
 06. ポリシーン・パン (テイク27)
 07. シー・ケイム・イン・スルー・バスルーム・ウィンドウ (テイク27)
 08. ビコーズ (テイク1 – インストゥルメンタル)
 09. ザ・ロング・ワン (トライアル・エディット&ミックス)
 10. サムシング (テイク39 – インストゥルメンタル- ストリングス・オンリー)
 11. ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト (テイク17 – インストゥルメンタル – ストリングス&ブライス・オンリー)



 マーク・ルウィソ-ン著『ビートルズ・レコーディング・セッション』(シンコー・ミュージック)の1969年4月14日(月)の項には「ジョンとヨーコのバラード」について「第4テイクに入る前には、ジョンがドラマーのポールに「テンポを少し上げてくれ、リンゴ!」と言い、ポールがギタリストのジョンに「OK、ジョージ!」と答える微笑ましい場面も。」という記述がある。今回収録されている第7テイクにはそのやりとりがつけくわえられており、二人の言葉の間には笑い声も聞こえる。マーク・ルウィソーンも書いているが、「グループ末期のメンバーは仲が悪かった」という通説を覆すようなやりとりで、大変興味深い。

 一番の聞き物は、CD3に収録されている「ザ・ロング・ワン (トライアル・エディット&ミックス」。このセットに収録されている様々な曲を編集で1つにつなげたテイクだが、ルウィソーン本の1969年7月30日を読みながら、オリジナルと聞き比べてみるとなかなか楽しい。
 (1)オリジナル盤ではラストの「ハー・マジェスティー」が、このミックスでは「ミーン・ミスター・マスタード」と「ポリシーン・パン」の間に位置している。
 (2)「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」と「サン・キング」のクロスフェイドのつなぎがオルガンで、オリジナル版のSE(カウベルや虫の声:ルウィソーン本によれば8月5日にポールが付け加えた)が入っていない。
 (3)「ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト」「ジ・エンド」にストリングス(8月15日)が入っていない。「ジ・エンド」のオーケストラについて、ルウィソーン本の8月15日の項に「ほんの数秒のため」「念の入った入ったオーケストラ・オーバーダブ」という興味深い記述がある。オリジナル版では「Is equal to the love you make」の「love」にかかって入るオーケストラのことだろう。「ジ・エンド」にはヴォーカルも素晴らしいギターソロも短いピアノ(8月18日)も入っていない。

 「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」のリリース版はヴォーカルから始まるが、テイク12はドラムからはいる前奏がついたテイク。最初にポールが入り方を指示しているのが面白い。ルウィソーン本によればテイク12のレコーディングは7月9日で、あの素晴らしいムーグがオーバーダビングされたのは8月6日。したがってムーグはまだ入っていない。8月5日の項によると、ポールはリボン・コントローラー(キース・エマーソンがステージで振り回していた)でムーグを演奏したらしい。前奏にムーグをオーバーダブしたテイクもあり、これを収録して欲しかった。

 色々と興味深い『アビイ・ロード』音源だが、結局は「聴くならやはり公式オリジナル・アルバム」という点に落ち着く。「オクトパス・ガーデン (テイク9)」で歌詞の入りを間違えるリンゴ 、「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー (テイク12)」で歌詞を忘れて鼻歌でごまかすポールなど、聞き所は多い。が、それは「オリジナル盤を相当に聞き込んだ人にとって」という条件がつく。インストのストリングスだけのテイクなど、ある程度ビートルズ音源を聴聞き込んできた私でさえも「一度聴いたら十分」的なマテリアルにすぎないし、ムーグ抜きの「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー 」、ヴォーカルとギターソロなしの「ジ・エンド」、そしてムーグとコーラス、手拍子なしの「ヒア・カムズ・ザ・サン」なんかを聴いて喜ぶのは相当なマニアだけだろう。収録されているボツテイクを聴いて、改めてオリジナル盤を聴いてみるとその凄さが再認識できる。そういうセットである。



アビイ・ロード【50周年記念スーパー・デラックス・エディション】(完全生産限定盤)(3SHM-CD+Blu-ray Audio付)

アビイ・ロード【50周年記念スーパー・デラックス・エディション】(完全生産限定盤)(3SHM-CD+Blu-ray Audio付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: CD



Abbey Road -Deluxe-

Abbey Road -Deluxe-

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal
  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: CD



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ZIGGY STARDUST : THE MOTION PICTURE / DAVID BOWIE and THE SPIDERS FROM MARS [デヴィッド・ボウイ]

 1972年の1月にイギリスからスタートした「ジギー・スターダスト・ツアー」は、北米と日本ツアーを間に挟み、翌73年7月3日・4日のハマースミス・オデオン(ロンドン)2daysで幕を閉じる(この間73年4月には『アラジン・セイン』がリリースされている)。最終日の7月4日のステージは『ジギー・スターダスト:ザ・モーション・ピクチャー』として映画化され(D・A・ペネベイカー監督)、1983年に公開され、またこの日の公演を収録したライヴ・アルバムも同時にリリースされた。2013年には「30周年記念エディション」として2枚組CDがリリースされ、「チェンジズ」が映像版と同じ位置に修正されるなどの変更が行われている。またDVDは映像・音声ともにリマスタリングされ、監督のD・A・ペネベイカーとトニー・ヴィスコンティのコメンタリーが収録されている。

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ZIGGY STARDUST : THE MOTION PICTURE
30th Anniversary 2CD Set (2003)
【Disc 1】
 01. Intro (incorporating "Beethoven's Ninth Symphony")
 02. Hang on to Yourself
 03. Ziggy Stardust
 04. Watch That Man
 05. Wild Eyed Boy From Freecloud
 06. All the Young Dudes
 07. Oh! You Pretty Things
 08. Moonage Daydream
 09. Changes
 10. Space Oddity
 11. My Death

【Disc 2】
 01. Intro (incorporating "William Tell Overture")
 02. Cracked Actor
 03. Time
 04. The Width of a Circle
 05. Let's Spend the Night Together
 06. Suffragette City
 07. White Light/White Heat
 08. "Farewell Speech"
 09. Rock 'n' Roll Suicide


 音だけでも十分楽しめるが、シアトリカルなステージが魅力であるボウイのこと、一度映像を見てしまうと音だけではやはり物足りなくなってしまう。「ジギー・スターダスト」のオープニングでの「ah!」というため息、ドヤ顔とも言えそうな不敵で妖しい微笑、山本寛斎デザインの「出火吐暴威」マントを羽織ってマウス・ハープを吹く「クラックト・アクター」などカッコいいボウイが十分に堪能できる。がしかし、この映像ではミック・ロンソンもまたカッコよく撮られている。「円軌道の幅」(トニーヴィスコンティ曰く「クリーム風の曲」)で端正な顔を歪めながらひたすらドライヴ感溢れるギターを弾きまくる姿には、思わず引き込まれてしまう(この曲の最初と最後では、故リンゼイ・ケンプに師事していたボウイがパントマイム風の動きを見せる)。右手を挙げ、左手だけでギブソン・レスポール(トニー・ヴィスコンティも磨くのを手伝ったという)を弾く姿にもシビれる。

 ラストの「ロックンロールの自殺者」の前では有名な解散宣言を行い、会場から悲鳴が上がるが、ヴィスコンティによれはロンソンだけは解散宣言を事前に知らされていたそうで、この点でもボウイのパートナーだったロンソンに対する「特別扱い」がうかがえる。知らされていなかったウッディ・ウッドマンジーとトレヴァー・ボルダーは、解散宣言直後の「ロックンロールの自殺者」では演奏に動揺が感じられたとヴィスコンティは語っているが、あまりよくわからない。

 「グラム・ロック」というと、メイクや煌びやかな衣装から中性的~女性的な印象を持ってしまうが、このDVDを観ると、ボウイのステージは確かにグラマラスではあるが、一方ではパワフルでアグレッシヴでもある。トニー・ヴィスコンティがDVDコメンタリーで「アメリカのグラムはマッチョだった」とコメントしているが、こうしたエネルギッシュなステージもアメリカ・ツアーの成功には良い方向に働いたのかもしれない。

 さてこの日のステージにはジェフ・ベックが飛び入りしたことでも知られているが、オフィシャル盤には収録されていない。飛び入りの様子は音も映像も残されており(アメリカのABCで放送された)、「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」の後にボウイがベックを紹介し、「ジーン・ジニー~ラヴ・ミー・ドゥ」、チャック・ベリーの「アラウンド&アラウンド」を一緒に演奏している(例の解散宣言は、ベックとの共演の後に行われた)。ベックとの共演部分について、ヴィスコンティはDVDのコメンタリーで興味深いエピソードを紹介している。曰く「ベックはギターソロに不満があるというので、後日スタジオでオーバーダビング用のソロを録りなおしたが、とても素晴らしい演奏で、2つのテイクを1つにつなげた」という。ベックもその演奏に満足していたようで、当然発売OKになると思っていたのだが、後日ベックから「やはり使わないで欲しい」という連絡が来た。ヴィスコンティは憤るわけだが、その理由というのが「ステージ上で自分のファッションだけが浮いている」というものだったらしい。確かに「ロック史上に残る記録」としては極めて重要なシーン&演奏だが、コンセプチュアルな映画作品という点から考えれば、やはりベックは「異物」感が強い。そのことをベックもわかっていたに違いない。
 
 トニー・ヴィスコンティは、ボウイとマーク・ボランという2大グラム・スターのどちらにも深く関わっており、DVDコメンタリーでもたびたびボランに触れている。ヴィスコンティはボウイについて「完全燃焼した」とコメントしてるが、片や完全燃焼できなかったボランは、ボウイがジギーに終止符を打った後もグラム路線からキャラクターの変更が出来なかった。結果的に、アメリカ市場でも着々と成功したボウイと明暗を分けてしまったのだろう。

 音源の方は良好なSBで、開演前にキーボードのマイク・ガーソンがピアノでボウイ・ナンバーのメドレーを華麗に弾く様子や、ジャック・ブレルのシャンソン・ナンバー「マイ・デス」を弾き語りする際に、静かにするように観客に求め、ざわめきがおさまらないため、スタートした演奏を中断する様子も記録されている(ABC版にも収録)。 

この日のコレクターズ盤としては、解散宣言中の言葉を引用したタイトルのEmpress Valley Supreme Disc『THE LAST SHOW THAT WE'LL EVER DO』(2CD+1DVD)が、音も映像も楽しめるよいアイテムである。

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Ziggy Stardust


The Width of a Circle


David Bowie & Jeff Beck - The Jean Genie / Love Me Do,Round And Round

ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャー(CCCD)

ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャー(CCCD)

  • アーティスト: デヴィッド・ボウイ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2003/03/29
  • メディア: CD
ジギー・スターダスト [DVD]

ジギー・スターダスト [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • メディア: DVD


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DAVID BOWIE AT THE BEEB ~ ボウイのBBC音源 [デヴィッド・ボウイ]

 BBCの放送音源は「安心して聴ける」という指標でもあり、演奏音質ともにハイクオリティのマテリアルが多い。ビートルズやツェッペリンのように、後年オフィシャルとしてリリースされることも多いのもそのためである。インターネットなどない時代、ラジオはもっとも効果的なプロモーション手段だったのだろう。BBCの番組は他国に販売されることも多く、日本では80年代を中心にNHK-FMでよく放送されていた。渋谷陽一氏や伊藤政則氏が紹介するピンク・フロイドやジェスロ・タル、はたまたグリフォンといったバンドのライヴに「世の中にはこんな音楽があるのか」と、中学~高校生の頃は驚いたものである。こうしたライヴはレコード(トランスクリプション・ディスク)の形で提供されていたため音質がよいのも当然で、これらをソースにしたCDも入手できる....というのを知ったのは社会人となってからのことである。

 ボウイのBBC音源がオフィシャルでリリースされたのは2000年。当然音質はよく、お宝アイテムであった。が、しかしボウイのBBC出演は多く、CD2枚に収めることは不可能である。当然オミットされた曲も少なくなく、結果として「オフォシャルには収録されなかったBBCモノ」という新たなコレクターズアイテムを生んでしまったのも否定できない。

 ボウイのBBC音源で初めてCDとして出回ったのは、1989年にリリースされたとされる『AT THE BEEB 1969-1972』(Archive Productions:AP 89004)である。リリースしたArchive Productionsはツェッペリンの77年クリーヴランド公演『DESTROYER』(LZ 69801)や『SOMETHING ELES』(AP 89002)等を出したレーベルで、ジャケットに「Made In W. Germany」と印刷されていたせいか、たいへん高価であった(コレクターズ専門誌『GOLD WAX』No.5の広告には、4600円とある)。確かに『DESTROYER』のジャケットには「Made In W. Germany」とあるものの、『SOMETHING ELES』のジャケットには「Made In Italy SIAE」とあることから、実際にはイタリア製だったのだろう。『DESTROYER』と『SOMETHING ELES』は別業者がプレスしたという可能性もあるが、『AT THE BEEB 1969-1972』と『SOMETHING ELES』は番号から判断するに同じ業者によるプレスだと思われる。

 Archive Productionsの『AT THE BEEB 1969-1972』とまったく同じ内容なのがTSP(The Swingin' Pig)からリリースされた『WHITE LIGHT / WHITE HEAT』(TSP CD 053)である。リリース元のTSP(The Swingin' Pig)は、かのビートルズ『ULTRA RARE TRACKS』シリーズをリリースしたレベールで、ヨーロッパを拠点にハーフオフィシャルながら良質アイテムを数多くリリースしていたレーベルである。WIkipediaドイツ語版に記事があり、またJim Berkenstat著(セバスチャン夏樹訳)『Black Market Beatles』(バロック出版)でもビートルズ絡みで紹介されている。ヨーロッパで訴訟となったこともあり現在は活動していないが、安価な良質アイテムを多数リリリースしていたこともあり、このレーベルのファンも多かった[http://www.theswinginpig.net/index.php]。当時の値段は『AT THE BEEB』の約半分くらいで、私もこちらを買った。『WHITE LIGHT / WHITE HEAT』の盤面には1990年のリリースとあるため、『AT THE BEEP 1969-1972』の方が1年早くリリースされたと言えそうだが、どっちがコピーかなどは不明である。『White Light / White Heat』収録テイクのほとんどは公式盤に収録されているが、「Unwashed And Somewhat Slightly Dazed」は別テイクで、エレクトリック・ギターが入ったバンド形態で演奏される『White Light / White Heat』収録版の方が公式版よりもよい。また選曲と構成もよいため、私の場合はオフィシャルよりも聴く回数は多い。『AT THE BEEB』・ 『WHITE LIGHT / WHITE HEAT』の内容は以下の通り。

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 01. White Light / White Heat
 02. Let Me Sleep Beside You
 03. Unwashed And Somewhat Slightly Dazed
 04. Wild Eyed Boy From Freecloud
 05. Bombers
 06. Looking For A Friend
 07. Almost Grown
 08. Kooks
 09. The Supermen
 10. Ziggy Stardust
 11. Five Years
 12. Starman
 13. Rock'n'Roll Suicide
 14. Hang On To Yourself
 15. Waiting For The Man

 ・1969年10月20日放送「Dave Lee Travis Show」:02/03
 ・1970年 4月 6日放送「Sounds Of The 70s:Andy Ferris」:04
 ・1971年 6月20日放送「In Concert:John Peel」:05/06/07/08
 ・1971年10月 4日放送「Sounds Of The 70s:Bob Harris」:09
 ・1972年 2月 7日放送「Sounds Of The 70s:Bob Harris」:10/11/14/15
 ・1972年 5月23日放送「Sounds Of The 70s:John Peel」:01/12/
 ・1972年 6月19日放送「Sounds Of The 70s:Bob Harris」:13


 2000年にオフィシャルリリースされたのが2枚組『BOWIE AT THE BEEB』(2000年のライヴ盤が付属した3枚組もあり)で、基本はこの公式盤である。内容は以下の通り。ディスク2の2曲目「Oh! You Pretty Things」は日本盤のみの収録で、その後2016年にリリースされたアナログ盤4枚組に「目玉テイク」として収録された。日本盤ライナーではDISC2の14と15が09~13と同じ収録日になっているが、そうではなく16・17と同じ日の収録である。

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[DISC1]
 【1968年5月26日放送「Top Gear」】
  01. In The Heat Of The Morning
  02. London Bye Ta Ta
  03. Karma Man
  04. Silly Boy Blue
 【1969年10月26日放送「The Dave Lee Travis Show」】
  05. Let Me Sleep Beside You
  06. Janine
 【1970年2月8日放送「The Sunday Show」】
  07. Amsterdam
  08. God Knows I'm Good
  09. The Width Of A Circle
  10. Unwashed And Somewhat Slightly Dazed
  11. Cygnet Committee
  12. Memory Of A Free Festival
 【1970年4月6日放送「Sounds Of The 70s:Andy Ferris」】
  13. Wild Eyed Boy From Freecloud
 【1970年6月20日放送「In Concert:John Peel」】
  14. Bombers
  15. Looking For A Friend
  16. Almost Grown
  17. Kooks
  18. It Ain't Easy
[DISC2]
 【1971年10月 4日放送「Sounds Of The 70s:Bob Harris」】
  01. The Supermen
  02. Oh! You Pretty Things
  03. Eight Line Poem
 【1972年 2月07日放送「Sounds Of The 70s:Bob Harris」】
  04. Hang On To Yourself
  05. Ziggy Stardust
  06. Queen Bitch
  07. I'm Waiting For The Man
  08. Five Years
 【1972年 5月23日放送「Sounds Of The 70s:John Peel」】
  09. White Light / White Heat
  10. Moonage Daydream
  11. Hang On To Yourself
  12. Suffragette City
  13. Ziggy Stardust
 【1972年6月5日放送「The Johnnie Walker Lunchtime Show」】
  14. Starman
  15. Space Oddity
  16. Changes
  17. Oh! You Pretty Things
 【1972年 6月19日放送「Sounds Of The 70s:Bob Harris」】
  18. Andy Warhol
  19. Lady Stardust
  20. Rock 'n' Roll Suicide

 
 公式盤とほぼ同時期に登場したのが、『The Rise And Rise Of Ziggy Stardust Volume 1ー4』(SHOUT TO THE TOP 086/087/088/089)。これは2枚組×2の計4枚セットで構成されたセットで、中には当時のラジオを録音したものがソースと思われる音質もあり、また放送・収録された時系列に並んでいないという欠点もあるが、この4枚があればボウイのBBC音源はほぼコンプ出来るというスグレモノである。★は公式盤に未収のテイク。

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The Rise And Rise Of Ziggy Stardust Volume 1 And 2
[DISC1]
 【1967年12月24日放送「Top Gear」】
  01. Love You Till Tuesday ★
  02. When I Live My Dream ★
  03. Little Bombardier ★
  04. Silly Boy Blue ★
  05. In The Heat Of The Morning ★
 【1968年5月26日放送「Top Gear」】
  06. When I'm Five ★
 【1970年2月8日放送「The Sunday Show」】
  07. Amsterdam
  08. God Knows I'm Good
  09. Buzz The Fuzz ★
  10. Karma Man ★
  11. London Bye Ta-Ta  ★
  12. An Occasional Dream ★
  13. The Width Of A Circle
  14. Janine ★
  15. The Wild Eyed Boy From Freecloud ★
  16. Unwashed And Somewhat Slightly Dazed
  17. Fill Your Heart ★
  18. The Prettiest Star ★
  19. Cygnet Committee

・1968年5月26日放送の「Top Gear」では5曲が収録された。本作収録の「When I'm Five」と公式盤の4曲を併せてコンプリートとなる。
・1970年2月8日放送の「The Sunday Show」では全14曲が放送された。本作収録の13曲と公式盤の「Memory Of A Free Festival」を併せてコンプリートとなる。演奏されたものの放送されなかった「I’m Waiting For The Man」が収録されておらず、音質もいまひとつのため、当時のエアチェックテープが元ソースだと思われる。

[DISC2]
 【1969年10月26日放送「The Dave Lee Travis Show」】
  01. Unwashed And Somewhat Slightly Dazed ★
  02. Let Me Sleep Beside You
  03. Janine
 【1970年4月6日放送「Sounds Of The 70s:Andy Ferris」】
  04. Waiting For The Man ★
  05. The Width Of A Circle ★
  06. The Wild Eyed Boy From Freecloud
  07. The Supermen ★
 【1970年6月20日放送「In Concert:John Peel」】
  08. Queen Bitch ★
  09. Bombers
  10. The Supermen ★
  11. Looking For A Friend
  12. Almost Grown Vocals – Geoffrey Alexander
  13. Kooks
  14. Song For Bob Dylan Vocals – George Underwood ★
  15. Andy Warhol Vocals – Dana Gillespie ★
  16. It Ain't Easy

・1969年10月26日放送「The Dave Lee Travis Show」では全3曲が演奏された。本作のみでコンプリート。公式盤には未収録だった「Unwashed And Somewhat Slightly Dazed」は、TSPの『WHITE LIGHT / WHITE HEAT』にも収録されていたテイクで、素晴らしい演奏である。
・1970年4月6日放送「Sounds Of The 70s:Andy Ferris」では全4曲が演奏され、このうち「The Wild Eyed Boy From Freecloud」のみが公式盤に収録された。本作のみでコンプリート。7曲目の「The Supermen」は放送されなかった。音はこもり気味だがベースラインがハッキリ聞こえて、いい感じである。
・8-16は「John Peel's Sunday Concert - 5 July 71」となっているが、正しくは71年6月3日収録・6月20日放送である。公式盤には5曲が収録されていたが、本作のみでコンプリート。


The Rise And Rise Of Ziggy Stardust Volume 3 And 4
[DISC1]
 【1971年10月 4日放送「Sounds Of The 70s:Bob Harris」】
  01. The Superman
  02. Oh! You Pretty Things / Eight Line Poem
  03. Kooks ★
  04. Fill Your Heart ★
  05. Amsterdam ★
  06. Andy Warhol ★
 【1972年 2月7日放送「Sounds Of The 70s:Bob Harris」】
  07. Hang On To Yourself
  08. Ziggy Stardust
  09. I'm Waiting For The Man
  10. Queen Bitch
  11. Five Years
 【1972年 1月28日放送「Sounds Of The 70s:John Peel」】
  12. Ziggy Stardust ★
  13. Queen Bitch ★
  14. Waiting For The Man ★
  15. Lady Stardust ★

・1971年10月 4日放送の「Sounds Of The 70s:Bob Harris」は全7曲(うち2曲はメドレー)が収録され、本作のみでコンプリート。
・1972年 2月07日放送の「Sounds Of The 70s:Bob Harris」は全5曲が演奏され、公式盤にもすべて収録されている(なぜか曲順が一部入れ替わっている)が、音感が全く違う。おそらくリマスタリング前のテイクと思われるが、「Hang On To Yourself」の凶暴なギターのドライヴ感と唸りを上げるベースは、公式盤よりもこちらの方がよいのでは....思えるほど。バックはロンソン、ボルダー、ウッディ・ウッドマンジーのスパイダーズ・フロム・マース。『ジギー・スターダスト』(72年6月16日)のリリース直前の収録(1月18日)であり、バンドとしての勢いが感じられる演奏。収録日の72年1月18日は、手元の資料によれば英国シェフィールドでのライヴ。忙しいスケジュールだが、いい演奏である。
・12-15は、1972年1月11日に収録された全4曲コンプリート。07ー11の一週間前に収録されたテイクだが、音はよくない。バックのメンバーも同じで、この日は英国ハイ・ウィカムでのステージ。やはり忙しい。

[DISC2]
 【1972年 5月23日放送「Sounds Of The 70s:John Peel」】
  01. White Light, White Heat
  02. Moonage Daydream
  03. Hang On To Yourself
  04. Suffragette City
  05. Ziggy Stardust
 【1972年6月5日放送「Johnny Walker Lunch Time Show 」】
  06. Starman
  07. Space Oddity
  08. Changes
  09. Oh! You Pretty Things
 【1972年 6月19日放送「Sounds Of The 70s:Bob Harris」】
  10. Andy Warhol
  11. Lady Stardust
  12. White Light, White Heat ★
  13. Rock 'N' Roll Suicide
 【Bookended By DJ Talking With Rick Wakeman 21 Sep 1972】
  14. John I'm Only Dancing
  15. Lady Stardust
  16. Star


・ディスク2に収録されているテイクは、ほとんどが公式盤にも収録されているが、これもまた音感が公式盤とはまったく異なる。端正なオフィシャルもよいが、攻撃的なミック・ロンソンのギターのカッコよさを堪能できるリマスタリング前のナマの響きもまたよい。ディスク2収録の各セッションにはピアノ(ミック・グラハム)が加わっており、公式盤に比べるとピアノが若干オフ気味のテイクもある。『ジギー』リリース前後の約1カ月という短い間に録音された3つのスタジオ・ライヴの記録であり、まさしくキラキラ時代のボウイの記録。1-5は「Top Gear 16 May 1972」とクレジットされているが、番組は「Top Gear」ではなく「Sounds Of The 70s:John Peel」である。いずれもイギリス・ツアーの合間を縫って収録された演奏だが、ボウイのエネルギーが伝わってくる演奏で、素晴らしい。








BBCセッションズ

BBCセッションズ

  • アーティスト: デヴィッド・ボウイ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2000/09/27
  • メディア: CD
BBCセッションズ(通常版)

BBCセッションズ(通常版)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2001/01/17
  • メディア: CD
1968-72-Bowie at the Beeb: Limited Edition

1968-72-Bowie at the Beeb: Limited Edition

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin Records Us
  • 発売日: 2000/09/26
  • メディア: CD
Bowie At The Beeb: The Best of the BBC Radio Sessions 68-72 by DAVID BOWIE

Bowie At The Beeb: The Best of the BBC Radio Sessions 68-72 by DAVID BOWIE

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin Records
  • メディア: CD
Bowie At The Beeb [12 inch Analog]

Bowie At The Beeb [12 inch Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Plg
  • 発売日: 2016/02/26
  • メディア: LP Record


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SONGS FROM THE WOOD / JETHRO TULL [ジェスロ・タル]

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ジェスロ・タル『神秘の森~ピブロック組曲 』
 01. Songs from the Wood / 大いなる森
 02. Jack-in-the-Green / 緑のジャック
 03. Cup of Wonder / カップ一杯の不思議~クリムゾン・ワンダー
 04. Hunting Girl / 女狩人
 05. Ring Out, Solstice Bells / 至高の鐘
 06. Velvet Green / 優しい緑
 07. The Whistler / 森の笛吹き
 08. Pibroch(Cap in Hand) / ピブロック組曲
 09. Fire at Midnight / 真夜中の灯
 09. Beltane 【2003 Remastered Edition Bonus Tracks】
 10. Velvet Green / 優しい緑 (Live)【2003 Remastered Edition Bonus Tracks】

 初めてジェスロ・タルを聴いたのはNHK-FMで流れていたライヴ。伊藤政則氏がDJだったが、ヒョロヒョロと流れる奇妙な音が印象的で、それがジョン・アンダーソンが吹くフルートだった。中学生の頃に雑誌『ミュージック・ライフ』で見たジェスロ・タルの写真というのが、老人のような風貌のジョン・アンダーソンが短パンにハイソックス姿で片足上げてフルートを吹いているという白黒写真で、「これはきっとキワモノに違いない」と思ったものである。それに当時は「ロックにフルート」というのも違和感があった(後にキング・クリムゾン~プログレを聴いてからはそうした偏見もなくなったが)。

 ジェスロ・タルは多様な音楽性を持っている。多様な音楽性を一つにまとめてあげているのがジョン・アンダーソンの唯一無比の強烈な個性であり、アルバムごとに異なるジェスロ・タルの音楽性は、その時点でのジョン・アンダーソンの興味や関心を体現しているのかもしれない。アルバムごとにカラーが違っているとはいえども、どの作品にも共通して感じられるのがトラッド/フォーク的な部分で、それが彼らに英国らしさを感じる所以だろう。そうしたトラッド/フォーク色がもっとも強く感じられる『神秘の森』(77年)の日本盤ライナーには「英国トラッド/フォーク的な方向へと大きくシフトチェンジ」とあるものの、トラッド/フォーク的な部分はこれまでの作品にも感じられたことであり、「大きくシフトチェンジ」という感じではない。

 トラッド色の強い『神秘の森』だが、牧歌的ではなくロック色の強い作品でもある。「Hunting Girl」や「Pibroch(Cap in Hand)」のようにロックなギターとドラムに、フルートをはじめリュート、ホイッスル(「The Whistler」)などのトラディショナルな楽器がはいるという不思議なサウンドがこのアルバムの聞き所。これまでの難解で韜晦な歌詞とは異なり、「Jack-in-the-Green」(イギリスの May Dayの祭りで使われる伝統的なキャラクター)といった伝承や、森や緑など自然をイメージしたものが目立っており、この点でもトラッド的な部分が強く出ている作品となっている。なかでもアルバムのオープニングを飾るタイトル・ナンバー「大いなる森」はこのアルバムのエッセンスが詰まった名曲(ニュージーランドだけシングルとしてリリースされた)。冒頭のコーラスが印象的だが、コーラス以外のアレンジも凝っており、フルート・ソロへ向かって徐々に厚みを増していく楽器のアンサンブルも技巧的で素晴らしい。





 この作品には正式メンバーとしてキーボードが2名クレジットされている。新たに加わったのがデヴィッド・パーマー(ディー・パーマーDee Palmer名義でソロ作品をリリースしている)で、タルのデビュー作から前作『ロックンロールにゃ老だけど』(76年)までオーケストラアレンジでクレジットされていた。この作品で感じられるアレンジ面での進化は、彼の正式参加によるところが大きいように思われる。「Hunting Girl」や「Ring Out, Solstice Bells」ではシンセが活躍しているが、これも彼の参加によるものだろう。特に「Ring Out, Solstice Bells」は転調や手拍子を使った変拍子のリズムが「いかにもジェスロ・タル」という感じで、最後の鐘の音まで一気に聴かせてくれる名曲だ。





 ジェスロ・タルの最高傑作というと、まずは『ジェラルド』(72年)、次いで『アクアラング』(71年)か『パッション・プレイ』(73年)というのが順当だが、本作も捨てがたい。エレクトリック・トラッド・ロックの名盤である。2017年には40周年記念の5枚組(CD3枚+DVD2枚)がリリースされた。


神秘の森~ピブロック組曲(紙ジャケット仕様)

神秘の森~ピブロック組曲(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2003/06/18
  • メディア: CD



Songs From the Wood

Songs From the Wood

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2003/05/20
  • メディア: CD



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LONDON 0 - HULL 4 / THE HOUSEMARTINS [ハウスマーティンズ~ビューティフル・サウス]

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 01. Happy Hour
 02. Get Up Off Our Knees
 03. Flag Day
 04. Anxious
 05. Reverends Revenge
 06. Sitting On A Fence
 07. Sheep
 08. Over There
 09. Think For A Minute
 10. We're Not Deep
 11. Lean On Me
 12. Freedom
【BONUS TRACK】
 13. I'll Be Your Shelter (Just Like A Shelter)
 14. People Get Ready
 15. Mighty Ship
 16. He Ain't Heavy, He's My Brother

 私の中では、ペイル・ファウンテンズと並ぶバンドだったハウスマーティンズ。86に Go! Discsからリリースしたのがこのデビュー・アルバム。当時は奇妙なアルバムタイトルの意味がわからなかったが、サッカーのスコアを模して「4対0で(バンドの出身地であり)ハルの勝ち(ロンドンの負け)」ということらしく、また「ロンドンにいいバンドなんて一つもないが、ハルには4つもある(だけどハウスマーティンズなんてその4番目にすぎないよ)」という意味もあるらしい。ちなみにハウスマーティンズ以外の3つのバンドの1つがエヴリシング・バット・ザ・ガール。



 ハウスマーティンズの魅力の一つは、彼らが持っていた二面性にある。ハイトーンで優しい声なのに力強く芯があるポール・ヒートンのヴォーカル、キャッチーながら時には切ないメロディに乗せた辛辣な歌詞。ライナーに手書きの歌詞がついていたのは、歌詞にも目を向けて欲しいという思いからだろう(読んでも意味がわからなかったけど)。



 ピアノやハーモニカ、コーラスワークなどは60年代風でノスタルジックな雰囲気もあり、一方ではビル・ウィザースへのオマージュ11、ゴスペル調の名曲13、カーティス・メイフィールドのカヴァー14などソウル系の影響も強い音づくり。ロッド・スチュワートとジェフ・ベックをはじめ多くのアーティストがとりあげた14「People Get Ready」は、60年代のアフリカ系アメリカ人による公民権運動がテーマの曲として知られている。ビューティフル・サウスになって2枚目のシングル「You Keep It All In」のカップリング曲「You Just Can't Smile It Away」はビル・ウィザースの曲だった。



 でもやっぱり根っこは80年代ニューウェーヴ/ポスト・パンク。そうしたハウスマーティンズの魅力が一番あらわれているのは2曲目「Get Up Off Our Knees」だと思う。



【2009年にリリースされたデラックス・エディションのボーナス・ディスク】
 01.Flag Day (Original Single Version)
 02. Stand At Ease
 03. You
 04. Coal Train To Hatfield Main
 05. I'll Be Your Shelter (Just Like A Shelter)
 06. People Get Ready
 07. Drop Down Dead
 08. The Mighty Ship
 09. He Ain't Heavy
 10. Think For A Minute (Single Version)
 11. Who Needs The Limelight
 12. I Smell Winter
 13. Joy Joy Joy
 14. Rap Around The Clock
 15. Lean On Me (Rehersal)
 16. Anxious (Janice Long 6/11/85 - Unreleased)
 17. We're Not Deep (Janice Long 6/11/85 - Unreleased)
 18. Freedom (Janice Long 6/11/85 - Unreleased)
 19. Think For A Minute (Saturday Live 4/1/86 - Unreleased)
 20. Drop Down Dead (Saturday Live 4/1/86 - Unreleased)
 21. Happy Hour (John Peel BBC Session 6/4/86 - Unreleased)
 22. Get Up Off Our Knees (John Peel BBC Session 6/4/86 - Unreleased)



London 0 Hull 4

London 0 Hull 4

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Spectrum Audio UK
  • 発売日: 2009/03/24
  • メディア: CD



London O Hull 4 (Dlx)

London O Hull 4 (Dlx)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ume Imports
  • 発売日: 2009/06/30
  • メディア: CD



ロンドン 0 ハル 4

ロンドン 0 ハル 4

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1994/04/25
  • メディア: CD



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