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The Imagined Village [トラッド/ フォーク系]

 サイモン・エマーソン(サイモン・ブース:ウィークエンド~ワーキングウィーク~アフロ・ケルト・サウンド・システム:2023年に死去)がスタートさせたプロジェクトであるイマジンド・ヴィレッジは、英国フォークをベースに多様な文化を取り入れ、さらに現代的に再構築して演奏するプロジェクト。英国フォークにラップやインド・ルーツの音楽も取り入れ、さらにシンセや打ち込みなどエレ・ポップの要素まで含んでいる。2004年にスタートしたこのプロジェクトは、現在まで3枚のアルバムをリリースしているが、2007年にピーター・ゲイブリエルのリアル・ワールドからリリースされたファースト・アルバム『The Imagined Village』は、このプロジェクトの魅力を最もよく伝える作品だと思う。

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 オープニングは定番トラッドで、スティーヴ・ウィンウッドのトラフィックで有名な「John Barleycorn」。オリジナルのCDでは2曲目らしいが、私が持っているCDではこの曲から始まる。重鎮マーティン・カーシーとイライザ・カーシー父子の共演で、さらにヴォーカルとギターがポール・ウェラー(彼の参加はこの曲のみ)という驚天動地のヴァージョン。アレンジは正統ながら、演奏にはハーディー・ガーディにシンセまで加わるという面白さ。リアル・ワールド・レコードのスタジオ・ライヴでは、ポール・ウェラーのパートをビリー・ブラッグが歌っている。

The Imagined Village John Barleycorn


The Imagined Village - John Barleycorn (Live at Real World Studios)

ビリー・ブラッグがトラッド・フォークに言及している記事(2021年)
 https://turntokyo.com/features/interview-billy-bragg/


 2曲目の「Tam Lyn Retold」はフェアポート・コンヴェンションやアン・ブリッグスが取り上げた定番ナンバーだが、ラップに打ち込みドラムン・ベースを加えるという斬新な解釈。言われないと、あの「タム・リン」だとはわからない。


Tam Lyn (retold)

Tam Lin · Fairport Convention


 かつてマーティン・カーシーがスティーライ・スパン時代にも取り上げた「Cold Haily Windy Night」は、ギターがちょっと中近東風。

The Imagined Village - Cold Hailey Rainy Night


Steeleye Span - Cold, haily, windy night

 船乗りをモチーフにした「ライリー・バラッド」の一曲、「Welcome Sailor」で魅力的なヴォーカルを聴かせるシーラ・チャンドラは、インド・ルーツのシンガー。残念ながら、病気のため引退したという。スティーライ・スパンのファースト・アルバム『ハーク! ザ・ヴィレッジ・ウェイト』収録の「Dark-Eyed Sailor」と同系統のバラッドらしいが、アレンジのせいか雰囲気はまったく異なる。

'Welcome Sailor' featuring Sheila Chandra



The Imagined Village

The Imagined Village

  • アーティスト: Imagined Village
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2012/05/29
  • メディア: CD



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