Stuart Moxham & Louis Philippe 」元ヤング・マーブル・ジャインツと元エルレーベル、2人の才人のコラボ・ユニット [ギター・ポップ系]
元ヤング・マーブル・ジャイアンツのスチュワート・モクサムと、かつてエル(él)・レーベルで一世を風靡したルイ・フィリップによるコラボ作はこれまで2枚がリリースされている。いずれも高水準のネオアコ名作。ともに「ネオアコ系」として語られることの多い2人だが、YMGはシンプルの極地、方やエル・レーベルはお洒落なラウンジ系と両者の持ち味はかなり異なる。
最初の1枚『The Huddle House』は、2007年にルイ・フィリップ自身のインディー・レーベルWonderからリリースされ、スチュワートの弟アンドリューもクレジットされている。かつての木漏れ日フォーク的な雰囲気をたたえた、牧歌的でメロディアスな作品集だが、シンプルでデモ集のような趣のアルバム。しかし2020年にリリースされた2作目『The Devil Laughs』は、アレンジやコーラスワークも作り込まれており、より高い完成度を誇る作品に仕上がった。ゆったりとした流れるような曲からジャス調の曲まで、流麗なコーラスワークとアコギが耳に心地よい。ルイ・フィリップ2枚目のアルバム『アイヴォリー・タワー』のオープニング・ナンバー「ゲス・アイム・ダム」は、ブライアン・ウィルソン(とラス・タイトルマン)がつくった曲で、山下達郎もカヴァーした曲。この曲の雰囲気をを引き算していって、ちょうどよい感じにしたらこうなったという感じのアルバムである。YMG風オルガンが流れる曲もあって、いい感じの作品である。
The Huddle House
The Devil Laughs
- アーティスト: STUART MOXHAM&LOUIS PHILPPE
- 出版社/メーカー: CA VA? RECORDS / HAYABUSA LANDINGS
- 発売日: 2021/03/17
- メディア: CD