The Chameleons / カメレオンズ [ネオ・サイケ系]
グレーターマンチェスターのミドルトン出身の4人組。1982年にスティーヴ・リリーホワイトがプロデュースした「In Shreds」でデビューした。エッジ(U2)とロビン・ガスリーを足したようなギターが魅力のバンドで、哀愁のある流麗なメロディーは日本でも人気があった。ファースト・アルバム『Script Of The Bridge』(83年)とセカンド・アルバム『What Does Anything Mean? Basically?』(85年)はヴァージン傘下のスタティックからリリースされ、3枚目の『Strange Times』(87年)はメジャーのゲフィンからリリースされた。3枚それぞれにいいアルバムである。1987年、マネージャーが急死したことで解散したが、2000年に再結成した(2003年に再び解散)。その後、リーダーのマーク・バージェスを中心にChameleonsVoxというバンド名で活動していたが、現在はリーダーのマーク・バージェスがソロで活動中。結成40周年のイベントが予定されているようだ。初期3枚はボーナス・トラックを詰め込んだ2枚組がリリースされている。
マーク・バージェス https://www.chameleonsmark.com/
ChameleonsVox https://www.facebook.com/Chameleonsvox/
The Chameleons - In Shreds (Live at the Camden Palace, UK, 1985)
スティーヴ・リリーホワイトがプロデュースしたデビュー・シングル。セカンド・アルバム『What Does Anything Mean? Basically?』がCD化されたときに両面ともボーナス・トラックとして収録された。エコバニっぽい。
Tears
The Chameleons Vox - Swamp Thing (Live on KEXP)
Script of a Bridge 25th Anniversary Edition
- アーティスト: Chameleons
- 出版社/メーカー: Blue Apple Music UK
- 発売日: 2008/06/03
- メディア: CD
What Does Anything Mean Basically: Collector's Edition
- アーティスト: Chameleons
- 出版社/メーカー: Blue Apple
- 発売日: 2010/01/26
- メディア: CD
Why Call It Anything - 2CD Collectors Edition
- アーティスト: The Chameleons
- 出版社/メーカー: Blue Apple Music
- 発売日: 2013/06/04
- メディア: CD
B-MOVIE / B-ムーヴィー [ネオ・サイケ系]
「B級映画」という自虐的なバンド名を持つB-ムーヴィーはマンスフィールド出身の4人組で、マンスフィールドと同じくイースト・ミッドランズのリンカーンにあったインディ・レーベル、DEAD GODからシングル「Take Three EP」(1980年)でデビューした。同年には「Nowhere Girl」(「Remembrance Days」とのカップリング)もDEAD GODからリリースしている。その後デッカ・レコード傘下のレーベルDREAMから「Marilyn Dreams」(81年)、「Remembrance Day」(ニュー・ヴァージョン・81年)、SOME BIZZAREから「Nowhere Girl」(ニュー・ヴァージョン:82年)をリリースした。
初期ははなかなかにパンキッシュだが、「Remembrance Day」あたりからは、叙情的なメロディーと、哀愁あるキーボード&泣きの旋律を奏でるギターの絡みが魅力のバンドとなっていく。なかでも「Remembrance Day」と「Nowhere Girl 」は、センチメンタル・ドラマティック・メロディアスと3拍子揃った「エレポップ寄りネオサイケ」の名曲である。「オリジナルRemembrance Dayの12インチ・ヴァージョン」の前奏&エンディングや、「82年版Nowhere Girl12のインチ・ヴァージョン」の前奏で聴くことができる「泣き」が入った演奏にはなぜかグッとくるのである。特に「82年版Nowhere Girlの12インチ・ヴァージョン」の前奏は素晴らしく、哀愁あるフレーズを弾きまくるピアノは何度聴いてもシビれる。この「82年版Nowhere Girlの12インチ・ヴァージョン」(6分31秒)を聴くこととができるのは、ミニアルバム『Nightmares In Wax』だけだと思うが、Discogsによればブートレッグらしい。。デジパックで、写真カードが付属するなど結構凝った作りなのだが、よく聴くと確かにスクラッチ・ノイズが聴こえる。このCD、ブートにもかかわらずDiscogsのマーケットプレイスに掲載されているという不思議。
DEAD GOD時代の音源はコンピレーションに収録された曲も含めて、チェリー・レッドがリリースした『Remembrance Days - The Dead God Years』(CDMRED137)に収録されている。「Remembrance Day」は、なんと「PWLリミックス」が2ヴァージョン収録されている。活動を停止していたDEAD GODだが、活動再開に向けて準備中だという。
http://deadgoodrecords.co.uk/
https://www.facebook.com/DeadGoodRecords/
その後メジャーのSIREと契約し、当時売れっ子だったジェリービーンのプロデュースでシングルをリリースという大出世をするも、85年にリリースした『Forever Running』で失速してしまい、これがファーストにしてラスト・アルバムとなってしまった。このアルバムでは「Remembrance Day」と「Nowhere Girl」が新たに再々録ヴァージョンで収録されたが、ケバケバしくてあまりカッコよくない。アルバム自体も可もなく不可もない作品で、インディーからメジャーへ移籍して失敗した例の典型となってしまった。2000年代に再結成し、2013年と16年にアルバムをリリースしている。
B-Movie Nowhere Girl - 1982 (HD extended ver.)
Nowhere girl - B Movie (1982)
B MOVIE - NOWHERE GIRL (ALBUM VERSION)
B-Movie - Remembrance Day (Best Version)
B-Movie - Nowhere Girl - Madrid - 09/03/2019 (HD)
B-Movie - Remembrance Day - Madrid - 09/03/2019 (HD)
The Mighty Lemon Drops / マイティ・レモン・ドロップス [ネオ・サイケ系]
マイティ・ワー!とティアドロップ・エクスプローズを足したようなバンド名、音はエコー&ザ・バニーメンというのでリヴァプールのバンドかと思ったらウルヴァーハンプトンの出身のバンドであった。インディー・チャートの1位となったデビュー・シングル「Like an Angel」(1985年)がステーィヴン・ストリート(ザ・スミスのエンジニア/プロデューサー~後にブラーも手掛ける)の目に留まり、彼のプロデュースでセカンド・シングル「The Otherside Of You」(86年)、サード・シングル「My Biggest Thrill」(86年)をリリースした。この2曲を含むファースト・アルバム『Happy Head』もスティーヴン・ストリートのプロデュースである。屈折していないエコバニ、という感じの若々しいひたむきさが魅力の作品だが、いかんせんエコバニに似すぎており、一本調子の感が否めない
Mighty Lemon Drops -The Other Side of You
Mighty Lemon Drops - My Biggest Thrill
しかし、87年にリリースされた4枚目のシングル「Out Of Hand」はノスタルジックなメロディに哀愁溢れるギターとキーボードが絡む名曲であり、一皮むけたという感じだ。PVの監督にはデレク・ジャーマン(これまたザ・スミス!)を起用し、メジャーのSIREとも契約、すでに大物の風格を感じさせる成長ぶりであった。
The Mighty Lemon Drops -Out Of Hand Directed by Derek Jarman
The Mighty Lemon Drops ~ Inside Out
The Mighty Lemon Drops - Fall Down (Like the Rain)
The Mighty Lemon Drops-Into The Heart Of Love
The Mighty Lemon Drops - Beautiful Shame
UPTIGHT ~ THE EARLY RECORDINGS 1985-1986
- アーティスト: MIGHTY LEMON DROPS
- 出版社/メーカー: CHERRY RED
- 発売日: 2014/03/31
- メディア: CD
BFG / B・F・G [ネオ・サイケ系]
マンチェスター出身のBFGはマイク・シミィ(ドラム)を中心とするバンドで、ニュー・オーダーのピーター・フックに見出された。バンド表記は、「B·F·G」「BFG」「B.F.G」など様々で、「Biosteel Fueled Grindcore」の略だという説があるが、バンドは今も昔もインタビューなどマスコミへの出演を行わないので詳細は不明である。オフィシャル・サイトのバイオグラフィーによれば、初期のメンバーにはカメレオンズのギタリストもいたらしい。1986年にシングル「Paris」でデビューし、翌年に2枚目のシングル「Western Sky」をリリースしているが、この2枚のシングルは、ヴォーカルの声質からバックの演奏まで完全にジョイ・ディヴィジョンのコピーである。知らない人が聴いたら、「JDの未発表曲?」と思うかもしれない(つまり、出来はとてもいい)。ところがヴォーカルが交代してリリースされた3枚目のシングル「The Higher E.P.」(87年)のタイトル・ナンバー「Higher Than Heaven」は、疾走感あふれるギターが炸裂する突き抜けた明るいサウンドに変化。ドライヴ感溢れるベースもいい感じで、「ギター・ポップ寄りのネオ・サイケ」とでも言える大名曲に大化けした。これら3枚のシングルはすべて『Compilation 1986/89』に収録されているが、収録されている曲は86年から88年までののレコーディング&リリースなのに、なぜタイトルは「86/89」?
『Compilation 1986/89』
01.Amelia
02. Paris
03. Western Sky
04. Murder
05. Fall
06. Higher Than Heaven
07. No Two Things
08. Firefly
09. Back To Front
BFG - Amelia LIVE
BFG - Western Sky
BFG - Higher Than Heaven
BFG - Higher Than Heaven Is
BFGの作品はすべてマンチェスターのインディーレーベルAttica Recordsからリリースされているが、Discogsのレーベルインフォを見る限り、BFGが自分たちの作品をリリースするために設立したレーベルだと思われる。BFGの曲の多くは、Attica Recordsのサイトで試聴可能。 https://www.songtradr.com/attica.records
BFGのオフィシャル・サイト http://www.bfgcontrol.com/
BFGのフェイスブック https://www.facebook.com/BFGcontrol/
ボルショイ / THE BOLSHOI [ネオ・サイケ系]
ボルショイは80年代の半ばに一時人気のあったバンドで、日本盤もリリースされていた。色気のあるヴォーカルとメロディアスでメランコリックな曲の数々は、今聞いても十分魅力的である。メンバーは トレヴァー・ターナー(ギター、ヴォーカル)、ニック・チョウン(ベース)、ジャン・カリッキー(ドラム)の3人(後にキーボードのポール・クラークが加入)。トレヴァーとジャンの2人は、ボルショイ結成以前にモスコー(Moskow)というバンドで共に活動していたようで、どうもロシア指向が強かった?
【Bigger Giants / The Bolshoi】
01. Fly
02. Sliding Seagulls
03. Hail Mary
04. Giants
05. Happy Boy
06. By the River
07. Sob Story
08. Boxes
09. Holiday by the Sea
10. Amsterdam
11. Crosstown Traffic
12. Happy Boy [Long Version]
ボルショイは85年にシングル「Sob Story」でデビューし(リリースはSituation Two)、セカンド・シングル「Happy Boy」をリリースした後に発表したのが、アルバム『Giants』。イギリスでリリースされたオリジナルの『Giants』は、『Bigger Giants』の1~6を収録したミニ・アルバム(確か日本コロムビアからリリースされたときは、8曲入りだったような気がする)。このミニ・アルバム『Giants』に、デビューシングル「Sob Story」とそのカップリング曲「Amsterdam 」「Crosstown Traffic」(ジミヘンのカヴァー)、セカンドシングルのカップリング曲「Boxes」「Holiday by the Sea」等を加えてリイシューされたのが、この『Bigger Giants』。初期の彼らは「バウハウスやキリング・ジョークの後継者」的な扱いを受けていたが(もっとも、それを期待して買った私は、かなり期待を裏切られた)。この頃のボルショイは、フレッシュ・フォー・ルルに近い感じ。80年代のニューウェーヴ全盛期によく耳にした音づくりで、突出したオリジナリティはまだ感じられないが、以降の作品に感じられる叙情性の片鱗は随所にうかがうことができる。
【Friends / The Bolshoi】
01. A Way
02. Modern Man
03. Someones Daughter
04. Sunday Morning
05. Looking For A Life To Lose
06. Romeo In Clover
07. Books On The Bonfire
08. Pardon Me
09. Fat And Jealous
10. Waspy
1986年リリースのセカンド・アルバム。熊本みたいな地方でも、当時は「A Way」や「Books On The Bonfire」のシングルが輸入盤屋(熊本市上通の「Woodstock」)に置いてあって、ちょっとびっくりしたものである。日本コロムビアがリリース記念でレコード屋店頭でのプレゼント企画をやっていて、熊本会場のマツモトレコードに行ったところ、すでに配付終了ということで、これまた意外な人気に驚いた。
レーベルがが前作のSituation TwoからBeggars Banquetへと出世し、音楽的にも格段の進化を見せた。第4のメンバーとしてキーボードが加入したこともあるだろう。特に進化したのはアレンジ面で、叙情的でメロディアスな彼らの魅力が際立つようになった。プロデユーサーに,ウォーターボーイズの『This IS The Sea』などを手掛けたマイク・グロソップを起用したことで、エコーを上手く使ってメランコリックな雰囲気を出すことにも成功している。
The Bolshoi - Sunday Morning
【Lindy's Party / The Bolshoi】
01. Auntie Jean
02. Please
03. Crack In Smile
04. Swings And Roundabouts
05. She Don't Know
05. T.V. Man
06 .Can You Believe It
07. Rainy Day
08. Barrowlands
08. Lindy's Party
『Giants』の頃とはまるで別のバンドみたいになった3枚目。ブレット・アンダーソンは、トレヴァー・ターナーのヴォーカルを手本にしたのでは?という感じだが、アメリカ市場を意識したようなメロディー重視のポップな音作りとなり、洗練されすぎて全体的なテンションは落ちてしまった。このあと4枚目をレコーディングするも、バンドは解散してお蔵入りとなってしまう。
The Bolshoi - Please
The Bolshoi - T.V. Man
2015年にリリースされた5枚組『5 Albums』では、お蔵入りとなっていた4枚目『Country Life』が含まれている。5枚目はデモやライヴ音源の模様。
ボルショイの(多分)オフィシャル・サイト [http://www.thebolshoi.co.uk/]
トレヴァー・ターナーの(多分)オフィシャル・サイト [http://www.trevortanner.com/]
5 Albums -The Bolshoi- [輸入盤CD / 5CD] (BBQCD2113)
- アーティスト: The Bolshoi
- 出版社/メーカー: BEGGARS ARKIVE
- 発売日: 2015/11/27
- メディア: CD