ボルショイ / THE BOLSHOI [ネオ・サイケ系]
ボルショイは80年代の半ばに一時人気のあったバンドで、日本盤もリリースされていた。色気のあるヴォーカルとメロディアスでメランコリックな曲の数々は、今聞いても十分魅力的である。メンバーは トレヴァー・ターナー(ギター、ヴォーカル)、ニック・チョウン(ベース)、ジャン・カリッキー(ドラム)の3人(後にキーボードのポール・クラークが加入)。トレヴァーとジャンの2人は、ボルショイ結成以前にモスコー(Moskow)というバンドで共に活動していたようで、どうもロシア指向が強かった?
【Bigger Giants / The Bolshoi】
01. Fly
02. Sliding Seagulls
03. Hail Mary
04. Giants
05. Happy Boy
06. By the River
07. Sob Story
08. Boxes
09. Holiday by the Sea
10. Amsterdam
11. Crosstown Traffic
12. Happy Boy [Long Version]
ボルショイは85年にシングル「Sob Story」でデビューし(リリースはSituation Two)、セカンド・シングル「Happy Boy」をリリースした後に発表したのが、アルバム『Giants』。イギリスでリリースされたオリジナルの『Giants』は、『Bigger Giants』の1~6を収録したミニ・アルバム(確か日本コロムビアからリリースされたときは、8曲入りだったような気がする)。このミニ・アルバム『Giants』に、デビューシングル「Sob Story」とそのカップリング曲「Amsterdam 」「Crosstown Traffic」(ジミヘンのカヴァー)、セカンドシングルのカップリング曲「Boxes」「Holiday by the Sea」等を加えてリイシューされたのが、この『Bigger Giants』。初期の彼らは「バウハウスやキリング・ジョークの後継者」的な扱いを受けていたが(もっとも、それを期待して買った私は、かなり期待を裏切られた)。この頃のボルショイは、フレッシュ・フォー・ルルに近い感じ。80年代のニューウェーヴ全盛期によく耳にした音づくりで、突出したオリジナリティはまだ感じられないが、以降の作品に感じられる叙情性の片鱗は随所にうかがうことができる。
【Friends / The Bolshoi】
01. A Way
02. Modern Man
03. Someones Daughter
04. Sunday Morning
05. Looking For A Life To Lose
06. Romeo In Clover
07. Books On The Bonfire
08. Pardon Me
09. Fat And Jealous
10. Waspy
1986年リリースのセカンド・アルバム。熊本みたいな地方でも、当時は「A Way」や「Books On The Bonfire」のシングルが輸入盤屋(熊本市上通の「Woodstock」)に置いてあって、ちょっとびっくりしたものである。日本コロムビアがリリース記念でレコード屋店頭でのプレゼント企画をやっていて、熊本会場のマツモトレコードに行ったところ、すでに配付終了ということで、これまた意外な人気に驚いた。
レーベルがが前作のSituation TwoからBeggars Banquetへと出世し、音楽的にも格段の進化を見せた。第4のメンバーとしてキーボードが加入したこともあるだろう。特に進化したのはアレンジ面で、叙情的でメロディアスな彼らの魅力が際立つようになった。プロデユーサーに,ウォーターボーイズの『This IS The Sea』などを手掛けたマイク・グロソップを起用したことで、エコーを上手く使ってメランコリックな雰囲気を出すことにも成功している。
The Bolshoi - Sunday Morning
【Lindy's Party / The Bolshoi】
01. Auntie Jean
02. Please
03. Crack In Smile
04. Swings And Roundabouts
05. She Don't Know
05. T.V. Man
06 .Can You Believe It
07. Rainy Day
08. Barrowlands
08. Lindy's Party
『Giants』の頃とはまるで別のバンドみたいになった3枚目。ブレット・アンダーソンは、トレヴァー・ターナーのヴォーカルを手本にしたのでは?という感じだが、アメリカ市場を意識したようなメロディー重視のポップな音作りとなり、洗練されすぎて全体的なテンションは落ちてしまった。このあと4枚目をレコーディングするも、バンドは解散してお蔵入りとなってしまう。
The Bolshoi - Please
The Bolshoi - T.V. Man
2015年にリリースされた5枚組『5 Albums』では、お蔵入りとなっていた4枚目『Country Life』が含まれている。5枚目はデモやライヴ音源の模様。
ボルショイの(多分)オフィシャル・サイト [http://www.thebolshoi.co.uk/]
トレヴァー・ターナーの(多分)オフィシャル・サイト [http://www.trevortanner.com/]
5 Albums -The Bolshoi- [輸入盤CD / 5CD] (BBQCD2113)
- アーティスト: The Bolshoi
- 出版社/メーカー: BEGGARS ARKIVE
- 発売日: 2015/11/27
- メディア: CD
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