Violator / Depeche Mode [デペッシュ・モード]
ザ・キュアーと並んで「この1枚」を選ぶのが難しいバンドが、デペッシュ・モード。1980年にデビューしてから40年以上、この間14枚のアルバムを発表しているが、一般的には彼らが自分たちのスタイルを確立した3枚目『コンストラクション・タイム・アゲイン』(1983) が代表作として取り上げられることが多いようだ。他にも「ピープル・アー・ピープル」「マスター・アンド・サーヴァント」という2大名曲を含む『サム・グレート・リウォード』を推す声もあるが、7枚目の『ヴァイオレーター』(1990年)を代表作としたい。商業的にも成功したこの『ヴァイオレーター』を最高傑作とする意見も結構多いようだが、デペッシュ・モードというと「80年代のバンド」というイメージが強いせいか、雑誌などではあまり取り上げられないのが残念。
このアルバムを聴くと、「硬質」「ダーク」「ストイック」「端正」といった言葉が思い浮かぶ。アイドル感が強いバンドが多いエレポップ勢の中で、スタイリッシュでクールながらも力強い彼らの魅力が最もよく表れている作品だと思う。エンジニア出身のフラッド(マーク・エリス)をプロデューサーに迎えたことも、アントン・コービン(「エンジョイ・ザ・サイレンス」のPVも監督)による秀逸なジャケット・デザインとも相まって、クールで骨太なイメージづくりに成功している。
このアルバムからは「Personal Jesus」、「Enjoy The Silence」、「Policy Of Truth」、「World In My Eyes」の4枚のシングルがカットされ、ファースト・シングル「Personal Jesus」は、マリリン・マンソンやロック界のレジェンドであるジョニー・キャッシュにカヴァーされた。ジョニー・キャッシュ版が収録されているアルバムは、彼の死の前年(2002年)にリリースされた『American IV: The Man Comes Around』。リック・ルービンがプロデュースしたこのアルバムにはドン・ヘンリーやニック・ケイヴなどが参加しているが、「Personal Jesus」でピアノを弾いているのは伝説のピアニスト、故ビリー・プレストンである。「枯淡の味わい」とは、こういう感じか。
Depeche Mode - Personal Jesus (Official Video)
Johnny Cash - Personal Jesus
Marilyn Manson - Personal Jesus (Official Music Video)
Depeche Mode - Personal Jesus [The Stargate Mix] (Official Video)
directed by Patrick Daughters
Depeche Mode - Personal Jesus (ZDF HD 1989)
Depeche Mode - Enjoy The Silence (Official Video)directed by Anton Corbijn
【Enjoy The Silence】 Y12-3
01. Enjoy The Silence (7" Version)Remix – Daniel Miller
02. Enjoy The Silence (Ecstatic Dub)Remix – François Kevorkian
03. Enjoy The Silence (Ecstatic Dub - Edit)Remix – François Kevorkian
04. Sibeling
05. Enjoy The Silence (Bass Line)Remix – François Kevorkian
06. Enjoy The Silence (Harmonium)
07. Enjoy The Silence (Ricki Tik Tik Mix)Remix – Daniel Miller
08. Memphisto
Violator Remixes 2010 [CD] (20周年記念版)(ボーナストラック)(完全生産限定盤)
- 出版社/メーカー: デペッシュ・モード
- 発売日: 2021/08/12
- メディア: CD
Violator Remixes 2000 [CD] (10周年記念版)(ボーナストラック)(完全生産限定盤)
- 出版社/メーカー: デペッシュ・モード
- 発売日: 2021/08/12
- メディア: CD
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