Dissolution / The Pineapple Thief [ポーキュパイン・ツリー]
パイナップル・シーフの代表作といえば、10作目の『マグノリア』をあげる人が多かったと思うが、12作目のアルバム『ディソリューション』(2018年)は『マグノリア』を超える傑作アルバムで、現状ではこれを彼らの最高傑作としてよいと思う。
1999年にデビューしたパイナップル・シーフは、ポーキュパイン・ツリーの Kscopeに所属していることもあり、両者はよく比較される。2つのPT、静と動の対比などサウンド的にも近く、ともに「ポスト・プログレの雄」であるが、パイナップル・シーフはポーキュパイン・ツリーほどヘヴィではない。英国的仄暗さとブルース・ソードの浮遊感あるヴォーカルが醸し出すしっとりした感覚が魅力的で、僕は「ソフィスティケイトされたポーキュパイン・ツリー」として聴いている。
Not Naming Any Names
The Pineapple Thief - Far Below (from Dissolution)
White Mist
現在パイナップル・シーフには、ポーキュパイン・ツリー(およびキング・クリムゾン)のドラマー、ギャヴィン・ハリソンが参加している。とくに本作では全9曲のうち7曲の曲作りに参加しており、バンドにおける彼の貢献度はきわめて高い。時折聴かせる変拍子のドラムは、これ見よがしな演奏ではないために目立たないが、まさに超絶ドラマー。彼のドラミングは、アルバム全体を引き締まった雰囲気に仕上げている。
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