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NEW ORDER 1985年の初来日 [ニュー・オーダー]

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 コロナ禍によって今年(2020年)の来日が2022年に延期となってしまったニュー・オーダー、彼らが初めて来日したのは今を去ること30年以上前の1985年。FM東京やFM大阪が主催した「明日のスーパースターたち」というタイトルのもと、新進アーティストが日替わりで登場するという興行の一参加バンドとしての来日である(詳細はこちら→ https://merurido.jp/magazine.php?magid=00012&msgid=00012-1524067493)。ニュー・オーダーは、5月1日・2日に東京、4日には大阪で計3公演を行っているが、3日にも東京でシークレットギグを行っており、実際には4日連続公演という精力的なものであった。しかもこの合間を縫ってシングル「ステイト・オブ・ザ・ネイション」のレコーディングを行っていた(雑誌『フールズ・メイト』1985年6月号に掲載されている来日インタビューには、「レコーディング中のため、夜10時を回ったころから始まった」という記述がある)。

石野卓球とスティーヴン・モリスの対談
http://www.ele-king.net/interviews/005154/

【TOKYO 1985 (Wardour-369)】
 ニュー・オーダー初来日公演の初日、1985年5月1日の東京厚生年金会館(新宿厚生年金会館)公演を、良好なオーディエンスと当時FM東京で放送されたSBの2つのソースで収録。音質はともにEXである。「In A Lonely Place」というアルバム未収の地味な曲をオープニングに持ってくるとは、なんと捻くれたこと!続く「サブカルチャー」はプログラミングが上手くいかなかったのか、ドラムマシーンとシーケンサーがシンクロしておらず妙な演奏になっている(そうしたトラブルをねじ伏せるような、ラストのフッキーのベースがカッコいい)。FM音源にはラジオDJのアナウンスも収録されているが、生放送だったようで、淡々とした中にもほのかに臨場感が感じられる。聴きどころは多いが、何といっても終演時の混乱が克明に記録されている点は興味深い。『フールズ・メイト』85年6月号には、この日の混乱について次のようなレポートが掲載されている。
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 これを読んだ大学生の私は「う~ん、東京はすごいなぁ」と妙に感心したのだが、まさかそれから30年以上もたってその時の音源を聴くことができるとは思わなかった。記事中にある「ワンワンという犬の鳴き真似」は、「ブルー・マンデー」の前に聞こえる。
 メーカーインフォ:https://www.giginjapan.com/new-order-85tokyo/


【ELECTRICELEGY(3D REALITY 3D-NO-053)】
 東京二日目(5月2日)の模様は、『パンプド・フル・オブ・ドラッグス』というタイトルで、オフィシャル映像がリリースされている(DVDはCPBY-91044)。解説は今野雄二。前日とは異なりオープニングは「コンフュージョン」なので、石野卓球が観たのは2日目ということになる。90年代にリリースされたCD『ELECTRICELEGY』は『パンプド・フル・オブ・ドラッグス』の完コピだが、80年代のVHSが廃盤になってからDVDがリリースされるまでは10年以上の間があったので、結構重宝したCDである。音は悪いし、DVDの最初にはバックステージからオープニングSEとともにメンバーがステージに登場する様子も収録されているので、DVDがあれば必要ないCDである(メンバーが出てくるときに流れる曲は何というタイトルだろう?)。『パンプド・フル・オブ・ドラッグス』に収録されなかった3曲は、『TOKYO 1985』にボーナストラックとして収録されている。

【Live At Club D(Wardour-373)】
 東京三日目(5月3日)、渋谷にあったディスコ「Club D」で行われたシークレット・ギグの模様を収録した驚愕の音源。機材の調子が悪かったのか演奏は不安定だが、場所が場所だけに客の声もはっきり聞こえて生々しい。良好なオーディエンスソースで、セットリストの順番も初日・二日目と異なっていて興味深い。観客の反応も良いが、初日同様この日も終演時に混乱が起こっている。
 メーカーインフォ:https://www.giginjapan.com/new-order-live-at-club-d/


【OSAKA 1985(Wardour-384)】
 日本公演最終日、5月4日の大阪厚生年金会館のステージはメンバーも慣れてきたのか、PAトラブルもなく安定した演奏。「サブカルチャー」を初日の演奏と比べてみると、初日の不安定さがよくわかる。「夢盗人」という名曲をカットしておきながら、そのB面曲の「Lonesome Tonight」を演奏するというセンスはやはり彼ららしい。バーニーより目立つバック・ヴォーカルにメロディアスなベースと、フッキーの快調さに耳を奪われる。

メーカーインフォ:https://www.giginjapan.com/new-order-85osaka/


パンプド・フル・オブ・ドラッグス/ライヴ・イン・トーキョウ1985 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2003/07/16
  • メディア: DVD



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