CLOSER / JOY DIVISON [ジョイ・ディヴィジョン]
『クローサー』ジョイ・ディヴィジョン
1. アトロシティ・エクシビジョン
2. アイソレイション
3. パスオーヴァー
4. コロニー
5. エイ・ミーンズ・トゥ・アン・エンド
6. ハート・アンド・ソウル
7. 24アワーズ
8. ジ・エターナル
9. デケイズ.
イアン・カーティスの自殺後にリリースされた、2作目にして彼らの最終作。イアンの自殺は1980年5月18日。この作品は同年3月18日から30日にかけてレコーディングがなされています。こうした情報が、この作品を一層神聖視させるのかもしれませんが、そのことを差し引いてもこの作品のインパクトは強いものがあります。オープニングは、J.G.バラードの小説からタイトルをとった曲。以下収録曲は触れるものすべてを凍りつかせるかのような、冷徹な曲ばかり。2曲目「アイソレイション」をはじめ、前作に比べるとシンセサイザーが大々的に使われていますが、冷たい印象を一層強めているように思われます。と言っても、深く沈み込んでいく一方という感じでもないような気がしますが。
「首つり」という自殺の中でも本人の強い意志を最も感じさせる方法で自らの命を絶ったイアン・カーティス。彼が自殺をしたのは23歳の時ですが、この作品で聴くことの出来る彼の声は、23歳の若者の声とは思えません。すべてを諦観したかのような声です。彼が見たものは一体何だったのでしょうか。
「コレクターズ・エディション」は、リマスターされた本編にライヴCDをプラスした2枚組。ライヴは80年2月8日のユニオン大学(ロンドン)でのステージで、イアンが亡くなる3ヶ月前のラ イヴです。臨場感あふれるすばらしい演奏で、中でも「ラヴ・ウィル・テア・アス・アパート」からラストへのの突き抜けるような高揚感は、いつまでも身をゆだねておきたい感覚にとらわれます。 本編のリマスターもすばらしく、冷たいシャープな感覚がよりいっそう増しています。
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