WISH YOU WERE HERE / PINK FLOYD [ピンク・フロイド]
『炎~あなたがここにいてほしい~』
1. クレイジー・ダイアモンド(第1部)
2. ようこそマシーンヘ
3. 葉巻はいかが
4. あなたがここにいてほしい
5. クレイジー・ダイアモンド(第2部)
『狂気』と『アニマルズ』にはさまれたこの作品は、シド・バレットのことが歌われているということは話題になりますが、音楽自体が話題になることは少ないようです。おそらく、フロイド=哲学的というイメージが災いし、難解ではないからかもしれません。フロイドにしては間口が広く、誰にでも楽しめてわかりやすい=安直ということになってしまったのでしょう。
この作品で重要なのは、デヴィッド・ギルモアのギターと故リック・ライトのキーボード。1曲目の霧が立ちこめるようなキーボードと、その中にきらめく閃光のようなギター。幽玄で荘厳な雰囲気は、イマジネーションを刺激します。その後に続く曲でも、むせび泣くようなギターと、映画『ブレードランナー』での夜の街を思い出させるキーボードが素晴らしい。時に虚無的で、時に優しい。「クレイジー・ダイアモンド(第2部)」のエンディングのキーボードを聴くたび、曇り空から陽が差してくるような感覚にとらわれます。後にはレイオフされたリック・ライトですが、このアルバムにおいて彼が果たした役割は、決して小さくないでしょう。
アコースティックな「あなたがここにいてほしい」も素晴らしい出来です。フロイドによるフォーク調の曲は、どの曲も名曲揃い。
「葉巻はいかが」のヴォーカルは、ロイ・ハーパー。
アナログ時代は、英盤と米盤でジャケットの写真が若干違っていました。米盤は、英盤に比べると燃えている方の男性が背を伸ばしていて、炎も大きいです。現行のジャケットはすべて英国仕様に統一されています。写真は旧米盤です。オリジナルハーフスピードマスター(番号:HC33453)で、私の持っている数少ないレア盤の1つ....だと思う。
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