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SANDY / SANDY DENNY [サンディ・デニー]

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1. It'll Take A Long Time
2. Sweet Rosemary
3. For Nobody To Hear
4. Tomorrow Is A Long Time
5. Quiet Joys Of Brotherhood
6. Listen, Listen
7. The Lady
8. Bushes And Briars
9. It Suits Me Well
10. The Music Weaver


 私の高校時代、サンディ・デニーはおろかフェアポート・コンヴェンションの作品でさえも軒並み廃盤であった。私が最初に買った彼女の作品は、2枚目のソロ・アルバム『SANDY』(72年)。熊本市内で輸入レコードを扱っていた「WOODPECKER」で買ったレコードである。それだけに思い入れの深い作品であり、最近リーリスされた2枚組をいれると、結局4種類の『SANDY』が手元にある。


 2枚目のソロ・アルバムは、「トラッド/フォーク」の枠を越えて万人にアピールできる作品に仕上がっている。英国トラッド/フォークの魅力は独特の陰影にあり、前作の『海と私のねじれたキャンドル』は、その好例だと思う。この『SANDY』の魅力は、そういった暗さを残しつつ、アメリカ的明るさをも同時に感じさせる点にある。アラン・トゥーサン(ブラス・アレンジャー)に、故スニーキー・ピート(フライング・ブリトー・ブラザーズ、がペダル・スティール)といったアメリカ南部勢が参加してるせいでしょうね。リチャード・トンプソンのマンドリン、ボブ・ディランの「明日は遠く」で聴かせるサラリとしたヴォーカルも明るい感じ。

 白眉は、アナログだとA面のラストに収録されている「Quiet Joys Of Brotherhood」。原曲は、ケイト・ブッシュも取り上げているアイリッシュ・トラッドの「My Lagan Love」。歌詞はリチャード・ファリーニャ(ジョーン・バエズの妹の夫)によるもので、彼の詩をのせたこの曲は、ジェファーソン・スターシップも取り上げている(『ツリー・オブ・リバティー』に収録)。静寂の中に響き渡る、オーヴァーダビングを重ねた彼女の凛としたヴォーカル、エンディングに流れるデイヴ・スウォーブリックのヴァイオリンも素晴らしい。


 このアルバムを聴くと、高校時代の夏休みの夕暮れ、窓からはいってくる涼やかな風を思い出す。


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