少年易老学難成 / ザ・ナイス [ザ・ナイス]
デヴィッド・ボウイをはじめ、最近有名ミュージシャンの訃報が多い。とくにキース・エマーソンの訃報は、拳銃自殺という衝撃的な死因と、4月に来日公演が予定されていたということも相まって、脱力感に囚われてしまう。彼の遺体を発見した現在のパートナーは日本人女性であり、映画『ゴジラ FINAL WARS』や大伴克洋のアニメ映画『幻魔大戦』のサントラを担当したことや、東北大震災の支援ソング「The Land Of Rising Sun (日出ずる国へ)」の発表など、彼は日本との関わりも深い。ボウイといいエマーソンといい、親日家で知られるミュージシャンの死は本当に残念だ。 ご冥福を祈るばかりである。
先日、山口県立美術館で開催中の「英国の夢 ラファエル前派展」を見てきた。目玉の作品はジョン・エヴァレット・ミレイの「浅瀬を渡るサー・イサンブラス」と「ブラック・ブランズウィッカーズ」。ミレイはサーの称号を有していたので、紋章の使用も許可されていたが、彼の紋章に刻まれた信条(モットー)こそ、この作品のタイトル「Ars longa, vita brevis」(ラテン語で「芸術は長く、人生は短い」の意)である。「少年老いやすく学成りがたし」と邦題をつけた人は、なかなかのセンス。
『少年易老学難成』
01. 何処から来たのだろう
02. リトル・アラベラ
03. 陽気なフロイド
04. 間奏曲(「カレリア組曲」より)
05. ドン・エディト・エル・グルヴァ
06. 芸術は永く、人生は短かし
〔ボーナス・トラック〕
07. 受諾「ブランデンブルガー」(第3楽章)
08. 陽気なフロイド
ザ・ナイスのセカンド・アルバム(1968年)。ギタリストのデイヴ・オリストが脱退し(6の「第2楽章 実現」にコンポーザー・クレジットはされている)、ギターレスのキーボード・トリオとなって初めての作品。デイヴ・オリストの後任としてスティーヴ・ハウの名前があがっていたというから、トリオでの編成はおそらく急場しのぎだったのだろう。オーケストラとの共演というこころみも、「不足を補う」という考えだったかもしれない。しかしキース・エマーソンはこの作品の出来映えを聴いて、「トリオでいける」と感じたに違いない。
最初の3曲はまだサイケ色が強く前作の延長線上にある感じだが、ジャズ的な2のブラスや、クラシックから着想を得た4と6は次作の邦題にもなるロックとジャズ~クラシックの融合につながるつくりであり、ELPの構想の始まりという印象。20分近いタイトルナンバーは、オーケストラを導入した意欲作だが、シングルとなった「ブランデンブルガー」以外では、オーケストラの必要性はあまり感じられない。一方でこの長尺曲を聴くと、エマーソン以外の2名の演奏力は前作に比べれば格段に向上していることもよくわかる。「陽気なフロイド」というタイトルは、前作収録の「クライ・オブ・ユージン」とともにサイケ時代のピンク・フロイドを思い出させる。
先日、山口県立美術館で開催中の「英国の夢 ラファエル前派展」を見てきた。目玉の作品はジョン・エヴァレット・ミレイの「浅瀬を渡るサー・イサンブラス」と「ブラック・ブランズウィッカーズ」。ミレイはサーの称号を有していたので、紋章の使用も許可されていたが、彼の紋章に刻まれた信条(モットー)こそ、この作品のタイトル「Ars longa, vita brevis」(ラテン語で「芸術は長く、人生は短い」の意)である。「少年老いやすく学成りがたし」と邦題をつけた人は、なかなかのセンス。
『少年易老学難成』
01. 何処から来たのだろう
02. リトル・アラベラ
03. 陽気なフロイド
04. 間奏曲(「カレリア組曲」より)
05. ドン・エディト・エル・グルヴァ
06. 芸術は永く、人生は短かし
〔ボーナス・トラック〕
07. 受諾「ブランデンブルガー」(第3楽章)
08. 陽気なフロイド
ザ・ナイスのセカンド・アルバム(1968年)。ギタリストのデイヴ・オリストが脱退し(6の「第2楽章 実現」にコンポーザー・クレジットはされている)、ギターレスのキーボード・トリオとなって初めての作品。デイヴ・オリストの後任としてスティーヴ・ハウの名前があがっていたというから、トリオでの編成はおそらく急場しのぎだったのだろう。オーケストラとの共演というこころみも、「不足を補う」という考えだったかもしれない。しかしキース・エマーソンはこの作品の出来映えを聴いて、「トリオでいける」と感じたに違いない。
最初の3曲はまだサイケ色が強く前作の延長線上にある感じだが、ジャズ的な2のブラスや、クラシックから着想を得た4と6は次作の邦題にもなるロックとジャズ~クラシックの融合につながるつくりであり、ELPの構想の始まりという印象。20分近いタイトルナンバーは、オーケストラを導入した意欲作だが、シングルとなった「ブランデンブルガー」以外では、オーケストラの必要性はあまり感じられない。一方でこの長尺曲を聴くと、エマーソン以外の2名の演奏力は前作に比べれば格段に向上していることもよくわかる。「陽気なフロイド」というタイトルは、前作収録の「クライ・オブ・ユージン」とともにサイケ時代のピンク・フロイドを思い出させる。
2016-03-27 13:52
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0