スティーヴ・ウィンウッド在籍時のスペンサー・デイヴィス・グループ [スティーヴ・ウィンウッド]
スティーヴ・ウィンウッドがスペンサー・デイヴィス・グループに在籍していたのは1964~66年の3年間。私が生まれたのが1966年なので、少々感慨深いものがあるが、彼は1948年生まれなので、SDG在籍時は16~18歳の頃である。今で言えば高校生だという事実には驚くほかないが、その間にリリースされたのアルバムは3枚、シングルは9枚である。1990年代に入手できたSDGのCDはベスト盤くらいしかなく、その全貌を捉えることはなかなか難しかった。しかし今ではフォンタナ時代の3枚すべてCD化されており、シングル曲もすべてボーナストラックとして収録されているので、若きスティーヴィーの魅力を十分に堪能できる。
『ゼア・ファーストLP』
01. マイ・ベイブ
02. えくぼ(ディンプルズ)
03. サーチン
04. エヴリ・リトル・ビット・ハーツ
05. アイム・ブルー(ゴング・ゴング・ソング)
06. シッティン・アンド・シンキン
07. アイ・キャント・スタンド・イット
08. ヒア・ライト・ナウ
09. ジャンプ・バック
10. イッツ・ゴナ・ワーク・アウト・ファイン
11. ミッドナイト・トレイン
12. イット・ハーツ・ミー・ソー
[ボーナス・トラック]
13. シー・プット・ザ・ハート・オン・ミー
14. アイム・ゲティング・ベター
15. アイル・ドラウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ
16. グッドバイ・スティーヴィー
17. マイ・ベイブ (USヴァージョン)
18. サーチン (USヴァージョン)
19. エヴリ・リトル・ビット・ハーツ (USヴァージョン)
20. ミッドナイト・トレイン (USヴァージョン)
21. インセンス
65年7月にリリースされた1stアルバム。1stシングル「えくぼ」をはじめ、64年にリリースされた3枚のシングルを中心にした編集。「えくぼ」のB面「シッティン・アンド・シンキン」(6曲目)、2ndシングル「アイ・キャント・スタンド・イット」(7曲目)とそのB面「ミッドナイト・トレイン」(11曲目)、そして3rdシングル「エヴリ・リトル・ビット・ハーツ」とそのB面「イット・ハーツ・ミー・ソー」(12曲目)。いずれもカヴァーだが、「エヴリ・リトル・ビット・ハーツ」の情感あふれるバラードが最も素晴らしい。USヴァージョンにはストリングスがはいってるが、これはやや過剰な気がする。この「エヴリ・リトル・ビット・ハーツ」はスモール・フェイセスもカヴァーしているのだが、私が持っているスモール・フェイセスのCDはほとんどが初期盤のため、この曲のスタジオ・ヴァージョンを聴くことができない。『オータム・ストーン』に収録されているライヴ・ヴァージョンしか聴いたことがないが、切々と歌い上げる故スティーヴ・マリオットのヴォーカルには胸を打たれる。ブリティッシュ・ロックを代表するヴォーカリスト、両スティーヴのヴォーカルを聞き比べるのも一興。
カヴァー中心のアルバムだが、「ヒア・ライト・ナウ」「イット・ハーツ・ミー・ソー」はスティーヴ単独のオリジナル(「シッティン・アンド・シンキン」はメンバーの共作)。面白いのは5曲目の「アイム・ブルー」で、いささかエキセントリックなヴォーカルは、「マイ・ボーイ・ロリポップ」(小泉今日子もカバーしていた)をヒットさせたジャマイカ出身のミリー・スモール。ミリーもSDGも、ともにクリス・ブラックウェル(アイランド・レコードの創立者)がマネージメントを担当していた関係。ボーナストラック9曲のうち、13/14/15/16の4曲は、65年にリリースされた4曲入りEP「You Put The Hurt On Me」(Fontana 465 282 TE)に収録されていたテイク。USヴァージョンの4曲は、67年にアメリカのUAがリリースした編集盤『I'm A Man』に収録されてていたヴァージョン。ラストの「インセンス」はSDGの曲ではなく、65年にリリースされたジ・アングロスTHE ANGLOSというユニットの曲である。SDGの変名ユニットだとか、プロデューサーのジミー・ミラーがアメリカでレコーディングしてきたバック・トラックにスティーヴ・ウィンウッドがヴォーカルをイギリスでオーヴァー・ダビングしたものだとか様々な伝説があるが、その真偽は現在の所確認されていない(スティーヴは、スティーヴ・アングロという変名でセッションに参加していることもある)。したがって、この曲のヴォーカルがスティーヴだという確証はない。スティーヴィーのヴォーカルだと言われればそう聞こえるが、違うと言われれば違うように聞こえる。
『セカンド・アルバム』
01. ルック・アウェイ
02. キープ・オン・ラニング
03. ジス・ハマー
04. 我が心のジョージア(ジョージア・オン・マイ・マインド)
05. プリーズ・ドゥ・サムシング
06. レット・ミー・ダウン・イージー
07. ストロング・ラヴ
08. アイ・ウォッシュト・マイ・ハンズ・イン・マディ・ウォーター
09. シンス・アイ・メット・ユー・ベイビー
10. ユー・マスト・ビリーヴ・ミー
11. ヘイ・ダーリン
12. ウォッチ・ユア・ステップ
[ボーナス・トラック]
13. スティーヴィーズ・ブルース
14. トランポリン
15. バック・イン・マイ・ライフ・アゲイン
16. カンザス・シティ
17. オー・プリティ・ウーマン
18. デト・ヴァー・イン・シェーネベルク
19. スティーヴィーズ・グルーヴ
20. スティーヴィーズ・ブルース(USヴァージョン)
「ストロング・ラヴ」「キープ・オン・ラニング」の2枚のシングルをメインとした、1966年1月リリースの2ndアルバム。「ストロング・ラヴ」のB面「ハイ・タイム・ベイビー」は、次の3rdアルバムに収められている。聞き物は、もちろん全英No.1となった「キープ・オン・ラニング」だが、「我が心のジョージア」も素晴らしい。また「バック・イン・マイ・ライフ・アゲイン」もいい曲だが、これは「キープ・オン・ラニング」の作者ジャッキー・エドワーズとジミー・ミラーの共作。ジャッキーはジャマイカ出身だが、SDGの演奏にはあまりレゲエ感がなく、スマートなドライヴ感が魅力的だ。「スティーヴィーズ・ブルース」(次のアルバム『オータム'66』に収められているシングル曲「サムボディ・ヘルプ・ミー」のB面)は、ツェッペリンもカヴァーした「ユー・シュック・ミー」っぽい60年代英国ブルースの香り漂うブルージーな好ナンバー。
『オータム '66』
01. 愛の終わる日まで(トゥゲザー・ティル・ジ・エンド・オブ・タイム)
02. テイク・ジス・ハート・オフ・ミー
03. ノーボディ・ノウズ・ユー・ホエン・ユア・ダウン・アンド・アウト
04. ミッドナイト・スペシャル
05. 男が女を愛する時(ホエン・ア・マン・ラヴズ・ア・ウーマン)
06. ホエン・アイ・カム・ホーム
07. ミーン・ウーマン・ブルース
08. ダスト・マイ・ブルース
09. オン・ザ・グリーン・ライト
10. ネイバー・ネイバー
11. ハイ・タイム・ベイビー
12. サムボディ・ヘルプ・ミー
[ボーナス・トラック]
13. 愛しておくれ(ギミ・サム・ラヴィン)
14. Fのブルース(ブルース・イン・エフ)
15. アイム・ア・マン
16. 満ちたりない気持ち(アイ・キャント・ゲット・イナフ・オブ・イット)
17. ワルツ・フォー・ルムンバ(ワルツ・フォー・カロライン)
18. サムボディ・ヘルプ・ミー (USヴァージョン)
19. 愛しておくれ(ギミ・サム・ラヴィン) (USヴァージョン)
20. アイム・ア・マン (ステレオ・ヴァージョン)
タイトル通り、1966年の秋にリリースされた3枚目、スティーヴ・ウィンウッド在籍ラストのアルバム。「サムボディ・ヘルプ・ミー」(B面「スティーヴィーズ・ブルース」)と「ホエン・アイ・カム・ホーム」(B面「トランポリン」)の2枚のシングルが収められているが、B面曲は2曲とも『セカンド・アルバム』のボーナス・トラックという変則的な編集になっている。これは「愛しておくれ(ギミ・サム・ラヴィン)」(B面「Fのブルース」)と「アイム・ア・マン」(B面「満ちたりない気持ち」)という2枚のシングルを収録したため、収録曲数を合わせるためだろう。「愛しておくれ(ギミ・サム・ラヴィン)」、「アイム・ア・マン」という2大名曲プラス「男が女を愛する時」の名唱が聴けるということで、3枚の中では最も聴き応えがある。「男が女を愛する時」を聴いていると、自分が高校の教師をしているせいか、「これがホントに高校生の歌唱力か?」と思ってしまう。
『ゼア・ファーストLP』
01. マイ・ベイブ
02. えくぼ(ディンプルズ)
03. サーチン
04. エヴリ・リトル・ビット・ハーツ
05. アイム・ブルー(ゴング・ゴング・ソング)
06. シッティン・アンド・シンキン
07. アイ・キャント・スタンド・イット
08. ヒア・ライト・ナウ
09. ジャンプ・バック
10. イッツ・ゴナ・ワーク・アウト・ファイン
11. ミッドナイト・トレイン
12. イット・ハーツ・ミー・ソー
[ボーナス・トラック]
13. シー・プット・ザ・ハート・オン・ミー
14. アイム・ゲティング・ベター
15. アイル・ドラウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ
16. グッドバイ・スティーヴィー
17. マイ・ベイブ (USヴァージョン)
18. サーチン (USヴァージョン)
19. エヴリ・リトル・ビット・ハーツ (USヴァージョン)
20. ミッドナイト・トレイン (USヴァージョン)
21. インセンス
65年7月にリリースされた1stアルバム。1stシングル「えくぼ」をはじめ、64年にリリースされた3枚のシングルを中心にした編集。「えくぼ」のB面「シッティン・アンド・シンキン」(6曲目)、2ndシングル「アイ・キャント・スタンド・イット」(7曲目)とそのB面「ミッドナイト・トレイン」(11曲目)、そして3rdシングル「エヴリ・リトル・ビット・ハーツ」とそのB面「イット・ハーツ・ミー・ソー」(12曲目)。いずれもカヴァーだが、「エヴリ・リトル・ビット・ハーツ」の情感あふれるバラードが最も素晴らしい。USヴァージョンにはストリングスがはいってるが、これはやや過剰な気がする。この「エヴリ・リトル・ビット・ハーツ」はスモール・フェイセスもカヴァーしているのだが、私が持っているスモール・フェイセスのCDはほとんどが初期盤のため、この曲のスタジオ・ヴァージョンを聴くことができない。『オータム・ストーン』に収録されているライヴ・ヴァージョンしか聴いたことがないが、切々と歌い上げる故スティーヴ・マリオットのヴォーカルには胸を打たれる。ブリティッシュ・ロックを代表するヴォーカリスト、両スティーヴのヴォーカルを聞き比べるのも一興。
カヴァー中心のアルバムだが、「ヒア・ライト・ナウ」「イット・ハーツ・ミー・ソー」はスティーヴ単独のオリジナル(「シッティン・アンド・シンキン」はメンバーの共作)。面白いのは5曲目の「アイム・ブルー」で、いささかエキセントリックなヴォーカルは、「マイ・ボーイ・ロリポップ」(小泉今日子もカバーしていた)をヒットさせたジャマイカ出身のミリー・スモール。ミリーもSDGも、ともにクリス・ブラックウェル(アイランド・レコードの創立者)がマネージメントを担当していた関係。ボーナストラック9曲のうち、13/14/15/16の4曲は、65年にリリースされた4曲入りEP「You Put The Hurt On Me」(Fontana 465 282 TE)に収録されていたテイク。USヴァージョンの4曲は、67年にアメリカのUAがリリースした編集盤『I'm A Man』に収録されてていたヴァージョン。ラストの「インセンス」はSDGの曲ではなく、65年にリリースされたジ・アングロスTHE ANGLOSというユニットの曲である。SDGの変名ユニットだとか、プロデューサーのジミー・ミラーがアメリカでレコーディングしてきたバック・トラックにスティーヴ・ウィンウッドがヴォーカルをイギリスでオーヴァー・ダビングしたものだとか様々な伝説があるが、その真偽は現在の所確認されていない(スティーヴは、スティーヴ・アングロという変名でセッションに参加していることもある)。したがって、この曲のヴォーカルがスティーヴだという確証はない。スティーヴィーのヴォーカルだと言われればそう聞こえるが、違うと言われれば違うように聞こえる。
『セカンド・アルバム』
01. ルック・アウェイ
02. キープ・オン・ラニング
03. ジス・ハマー
04. 我が心のジョージア(ジョージア・オン・マイ・マインド)
05. プリーズ・ドゥ・サムシング
06. レット・ミー・ダウン・イージー
07. ストロング・ラヴ
08. アイ・ウォッシュト・マイ・ハンズ・イン・マディ・ウォーター
09. シンス・アイ・メット・ユー・ベイビー
10. ユー・マスト・ビリーヴ・ミー
11. ヘイ・ダーリン
12. ウォッチ・ユア・ステップ
[ボーナス・トラック]
13. スティーヴィーズ・ブルース
14. トランポリン
15. バック・イン・マイ・ライフ・アゲイン
16. カンザス・シティ
17. オー・プリティ・ウーマン
18. デト・ヴァー・イン・シェーネベルク
19. スティーヴィーズ・グルーヴ
20. スティーヴィーズ・ブルース(USヴァージョン)
「ストロング・ラヴ」「キープ・オン・ラニング」の2枚のシングルをメインとした、1966年1月リリースの2ndアルバム。「ストロング・ラヴ」のB面「ハイ・タイム・ベイビー」は、次の3rdアルバムに収められている。聞き物は、もちろん全英No.1となった「キープ・オン・ラニング」だが、「我が心のジョージア」も素晴らしい。また「バック・イン・マイ・ライフ・アゲイン」もいい曲だが、これは「キープ・オン・ラニング」の作者ジャッキー・エドワーズとジミー・ミラーの共作。ジャッキーはジャマイカ出身だが、SDGの演奏にはあまりレゲエ感がなく、スマートなドライヴ感が魅力的だ。「スティーヴィーズ・ブルース」(次のアルバム『オータム'66』に収められているシングル曲「サムボディ・ヘルプ・ミー」のB面)は、ツェッペリンもカヴァーした「ユー・シュック・ミー」っぽい60年代英国ブルースの香り漂うブルージーな好ナンバー。
『オータム '66』
01. 愛の終わる日まで(トゥゲザー・ティル・ジ・エンド・オブ・タイム)
02. テイク・ジス・ハート・オフ・ミー
03. ノーボディ・ノウズ・ユー・ホエン・ユア・ダウン・アンド・アウト
04. ミッドナイト・スペシャル
05. 男が女を愛する時(ホエン・ア・マン・ラヴズ・ア・ウーマン)
06. ホエン・アイ・カム・ホーム
07. ミーン・ウーマン・ブルース
08. ダスト・マイ・ブルース
09. オン・ザ・グリーン・ライト
10. ネイバー・ネイバー
11. ハイ・タイム・ベイビー
12. サムボディ・ヘルプ・ミー
[ボーナス・トラック]
13. 愛しておくれ(ギミ・サム・ラヴィン)
14. Fのブルース(ブルース・イン・エフ)
15. アイム・ア・マン
16. 満ちたりない気持ち(アイ・キャント・ゲット・イナフ・オブ・イット)
17. ワルツ・フォー・ルムンバ(ワルツ・フォー・カロライン)
18. サムボディ・ヘルプ・ミー (USヴァージョン)
19. 愛しておくれ(ギミ・サム・ラヴィン) (USヴァージョン)
20. アイム・ア・マン (ステレオ・ヴァージョン)
タイトル通り、1966年の秋にリリースされた3枚目、スティーヴ・ウィンウッド在籍ラストのアルバム。「サムボディ・ヘルプ・ミー」(B面「スティーヴィーズ・ブルース」)と「ホエン・アイ・カム・ホーム」(B面「トランポリン」)の2枚のシングルが収められているが、B面曲は2曲とも『セカンド・アルバム』のボーナス・トラックという変則的な編集になっている。これは「愛しておくれ(ギミ・サム・ラヴィン)」(B面「Fのブルース」)と「アイム・ア・マン」(B面「満ちたりない気持ち」)という2枚のシングルを収録したため、収録曲数を合わせるためだろう。「愛しておくれ(ギミ・サム・ラヴィン)」、「アイム・ア・マン」という2大名曲プラス「男が女を愛する時」の名唱が聴けるということで、3枚の中では最も聴き応えがある。「男が女を愛する時」を聴いていると、自分が高校の教師をしているせいか、「これがホントに高校生の歌唱力か?」と思ってしまう。
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