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Mr.Fantasy / TRAFFIC [スティーヴ・ウィンウッド]

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『ミスター・ファンタジー』トラフィック
   1. ヘヴン・イズ・イン・ユア・マインド
   2. バークシャー・ポピーズ
   3. ハウス・フォー・エヴリワン
   4. ノー・フェイス,ノー・ネーム,ノー・ナンバー
   5. ディア・ミスター・ファンタジー
   6. ディーラー
   7. アタリー・シンプル
   8. カラード・レイン
   9. ホープ・アイ・ネヴァー・ファインド・ミー・ゼア
   10. ギヴィング・トゥ・ユー
 18歳にして「最高の白人ブルース・シンガー」と称されたスティーヴであったが、これからアメリカでも大ブレイクかという時期に兄マフとともにスペンサー・デイヴィス・グループを脱退してしまう。そして新しく結成したのがトラフィック。スティーヴ以外のメンバーは、デイヴ・メイスン(g)、ジム・キャパルディ(ds/p)、クリス・ウッド(fl/sax)。このメンバーは、スペンサー・ディヴィス・グループ時代の「ワルツ・フォー・ルムンバ」(映画『ヒア・ゴー・ラウンド・ザ・マルベリー・ブッシュ』のサントラ)にも参加していた。
 この1stアルバムは、67年にリリースされた作品だが、67年と言えばかの『サージェント・ペパーズ』がリリースされた年でもある。世はまさにサイケデリック。このトラフィックのアルバムも時代を反映したつくりとなっており、それまでのR&Bから全然違うベクトルを持っている。ジャケットからしてサイケ(色調がなんとなく『カラフル・クリーム』――これも1967年のリリースだが――に似ている?トラックバック先を見てね)し、不思議なMr.ファンタジーをあしらった写真もその流れだろう(クリス・ウッドのデザイン)。音が左右に移動していく「ヘヴン・イズ・イン・ユア・マインド」とか、シタールを使ったラーガ・ロックの「アタリー・シンプル」、「ディア・ミスター・ファンタジー」の歌詞など、モロに「トリップ感覚」に満ちた曲。「ヘヴン~」以外にも「ハウス・フォー・エヴリワン」でのブレイクなど、エフェクト類を駆使した凝った音づくりになっており、当時としては最新のレコーディング技術を駆使したと思われる。そこでエンジニアを見てみると、クレジットされているのはエディー・クレイマーであった。彼は80年代にメタル系のアーティストを手がけたことでも知られるが、ツェッペリンのエンジニアとしてその名が知られている。有名なブート『Listen to This, Eddie』の「エディー」は、ヴァン・ヘイレンのエドワードではなく、このエディー・クレイマーを指しているという説もある。
 ジャケ・音づくり・曲とすべてにサイケディックなトータル性をもたせたのは、このアルバムのコンセプトで、それはグループ全体の方向性でもあったと考えてよさそうなものだが、なかなかこれが難しい。というのも、このアルバムを象徴すると言っても過言ではない「ハウス・フォー・エヴリワン」「アタリー・シンプル」「ホープ・アイ・ネヴァー・ファインド・ミー・ゼア」の3曲は、このアルバムのリリース後に一時脱退するメイスンの単独作品である。う~む、とするとこの作品においてメイソンの果たした役割は、スティーヴ以上であり、それが原因で内部対立が起きた可能性がありますな。こういった「やりたいことが違う人たち」が、兎にも角にもまとまったのはプロデューサーのジミー・ミラーの手腕なのかもしれない。ジミー・ミラーは、翌68年にリリースされるストーンズの傑作『ベガーズ・バンケット』を手がけるが、この作品と同じくオリンピック・スタジオがレコーディングに使用され、デイヴ・メイソンが「ストリート・ファイティング・マン」で存在感のあるシタールを弾いている。この作品が後世に与えた影響も、侮れないかも。
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