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ZINC ALLOY AND THE HIDDEN RIDERS OF TOMORROW OR A CREAMED CAGE IN AUGUST [T.レックス]

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『ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー』マーク・ボラン&T.REX
  1.ビーナスの美少年
  2.悪魔のしもべはのろまが嫌い
  3.熱く激しく爆発する唇
  4.銀河の国へ
  5.変革はお陽さまの如く
  6.名もなき狂人
  7.ティーンエイジ・ドリーム
  8.いやな液体
  9.懐かしのカースマイル
  10.ジャイブで行こう
  11.星空のソウル
  12.破滅への希望
  13.僕たちの復讐者
  14.豹の歌

 ベスト盤をのぞくと、T.REX名義では5枚目となるアルバム。これまでの諸作品と比べると、①タイトルがやたら長い、②「MArc Bolan & T.Rex」の名義になっている、③マークとトニー・ヴィスコンティの共同プロデュース形式になっている、とっいた点が目につきます。もっとも私が持っているテイチク盤(20CP-6)では、伊藤政則氏によるライナーに「マーク・ボラン自らも共同プロデュースとして名乗りを上げ」と書いてありますが、クレジットにはトニー・ヴィスコンティの名前しかありません(しかし『レコード・コレクターズ』88年7月号には「マークとトニーの共同プロデュース」とあるので、確かでしょう)。ちなみに「Hidden Rider」とは日本の仮面ライダーのことで、マークが日本公演中にテレビで見た
仮面ライダーからヒントを得たとのこと。現在では、仮面ライダーは「Masked Raider」と英語では表記されるようですが。
 『電気の武者』『スライダー』で頂点を極めたものの、『タンクス』に続くこの作品の評価は低いようです。やはり「ZINC ALLOY」という架空キャラをマークが演じるというコンセプトが、ボウイの『ジギー・スターダスト』の二番煎じと見られたからに他ならないでしょう。タイトルの『ZINC ALLOY AND THE HIDDEN RIDERS OF TOMORROW OR A CREAMED CAGE IN AUGUST』からして、『THE RISE AND FALL ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERS FROM MARS』からインスパイアされたって誰が見ても分かりますし。またバンド内の不協和音も、マイナス要因として作用したことは否めません。フロ&エディはすでに前作から参加しなくなっていますし、トニー・ヴィスコンティとの仕事もこの作品が最後。さらにドラマーのビル・リジェンドがこの作品を最後に脱退します。
 ただそういった先入観を抜きにして聴いてみると、意外に?いい作品です。マークの妻となる黒人女性グロリア・ジョーンズは、フロ&エディの代役として十分及第点でしょう(もっともマークが彼女をレコーディングに無理矢理参加させたことが、バンド内に不協和音が生まれた理由の一つとなったと言われています)。ストリングスもこれまでになくメロウな感じで、これまでになく音楽的な幅が広がったように感じます。特に、彼らのベスト盤には必ずはいっている「ティーンエイジ・ドリーム」はその好例でしょう。メロウなストリングスと女声バック・コーラスは、ノスタルジーさえ感じさせるロッカ・バラード。ブギーのアイドル的な雰囲気が薄れたことは確かですが、私はこの作品を、ボランが一皮むけて前進した作品として評価したいと思います。
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