UNHALFBRICKING / FAIRPORT CONVENTION [フェアポート・コンヴェンション]
1.ジェネシス・ホール
2.二人のわかれ
3.オートプシー
4.船乗りの生涯
5.ケイジャン・ウーマン
6.時の流れを誰が知る
7.パーシーズ・ソング
8.ミリオン・ダラー・バッシュ
英国エレクトリック・フォークの雄、フェアポート・コンヴェンションの3rdアルバム(69年)。ベスト盤『ヒストリー・オブ・フェアポート・コンヴェンション』のジャケット (CDではインナー部分)はファミリー・ツリーとなっているが、このツリーでは7期(1972年まで)に分けられているフェアポートの歴史の中で第2期に相当するメンバーでレコーディングされたのが本作だ。全8曲のうちボブ・ディランの曲が3曲も取り上げられているのが目を引く (「パーシーズ・ソング」では脱退したイアン・マシューズがヴォーカルで参加)。リラックスした開放感には、なんとなく違和感を感じる部分がなきにしもあらずだが、次作から正式メンバーとなるデイヴ・スウォーブリックや、第5期のメンバーで後にサンディ・デニーの夫となる故トレヴァー・ルーカスがゲスト参加している「二人のわかれ」は、それまでのフォーク・ロックのイメージを打ち破る演奏であり、それなりに興味深い。とはいえ聞き物はサンディ作の「時の流れを誰が知る」と、トラッドをアレンジした「船乗りの生涯」だろう。特に後者においてデイヴのフィドルが果たした役割は大きく、6分過ぎからのリチャード・トンプソンのギターとのせめぎあいは特筆に値する。まさに「エレクトリック・トラッド」。現行盤にはボブ・ディランの「ディア・ランドロード」「イージー・ライダーのバラード」の2曲が追加されている。
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