THE PIPER AT THE GATES OF DAWN / PINK FLOYD [ピンク・フロイド]
『夜明けの口笛吹き』(CP32-5269)
1.天の支配
2.ルーシファー・サム
3.マチルダ・マザー
4.フレイミング
5.パウ・R・トック・H
6.恋の聴診器
7.星空のドライヴ
8.地の精
9.第24章
10.黒と緑のかかし
11.バイク
ピンク・フロイドのデビュー・アルバム(67年)であります。僕が初めて買ったフロイドのレコードは、中2のときリアルタイムだった『ザ・ウォール』です。その後『狂気』→『原子心母』→『おせっかい』とすすんだものだから、高校生になって初めてこのアルバムを聴いたときの正直な感想は「なんじゃこりゃ」でした。ギターはなんかヴェルヴェット・アンダーグラウンドに似たのが多いけど、曲のよさは段違いだなーと感じた次第。まあ、高校生にシド・バレットの精神世界を理解するのはムリだったでしょう。私の場合「フロイドで一番好きな曲は?」って聞かれたら、迷わず「理性喪失(One Slip)」って答えるようなヤツなんで、難解な音楽は苦手なんですなぁ。タイトルに期待した7を聞き終えたときは茫然としてしまいました。しかし折角お金を払って買ったのだから、何か自分の好きな部分はないものかと一生懸命に聴いた作品でした。やはりこの作品はメロディーではなく、音の空間を楽しむ作品なんでしょうね。エコーがかかったり、音が左右に振れたり、非楽器のSE(これはシド脱退後のフロイドも継承していると思います)が使われているような部分を聞くとそう思います。「ドラッグの酩酊感を音で味合わせてやろうか?」というシドの不敵な笑いが目に浮かぶようです。
全11曲のうち、8曲がシド・バレットの曲。残り3曲のうち1曲はロジャー・ウォータース、2曲は4人の共作です。このことから分かるように、この作品で主導権を握っているのはシド・バレット。ジャケット右上の美青年ですね。オープニングの1からバレットの世界が開放されています。頭の中で原色の光が回転するかのような、奇妙な浮遊感。これぞサイケ、って感じですね。あとトラッド風サイケ?とでも言えそうな3,ねじれたポップの4など、いったいこの人の頭の中はどうなんってるんだろう、って感じです。私が一番好きなのは9。6はスゴイ邦題ですね。
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