GTR / GTR [GTR/ 3(Three)]
1.ハート・マインド
2.ハンター
3.ヒア・アイ・ウエイト
4.スケッチ・イン・ザ・サン
5.ジキルとハイド
6.ゲット・スルー
7.リーチ・アウト
8.トー・ザ・ライン
9.ハケット・トゥ・ビッツ
10.イマジニング
エイジアを脱退した元イエスのギタリスト、スティーヴ・ハウと、元ジェネシスのギタリスト、スティーヴ・ハケットというハイ・テクニックを誇る両スティーヴが結成したバンドによる唯一の作品。バンドについてはwikipediaの記事がよくできています。http://ja.wikipedia.org/wiki/GTR_%28%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89%29
音の方は、ジェフ・ダウンズがプロデュースということもあり、一聴してエイジアに近いものを感じさせますが、演奏の主体をあくまでギターにおいている点に、このバンドのこだわりが感じられます(バンド名にそのことは現れています)。とはいうものの、ハイテクニックをひけらかして弾きまくる、という感じではなく、ヴォーカルのマックス・ベーコンのヴォーカルを全面に出し、曲の良さで勝負、という感じです。その結果、彼のヴォーカルがハイ・トーンで透明感のある声ゆえ、アルバム全体からは明るく突き抜けるような高揚感を感じます。一時流行した、アメリカのプログレ・ハード勢に対する英国からの巻き返しといった感じです。ハウの4、ハケットの9と1曲ずつインスト曲が収録されますが、アルバムをトータルで聴くと、ハウの演奏が全面に出てるように思えます。特にアコ-スティク・ギターの音色はイエス時代そのままで、ハウの演奏であることがすぐに分かります(2のアコギなんてイエスの「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル」そっくり)。エイジアでジョン・ウェットンにおさえられていたハウが、鬱憤を晴らすかのような感じです。エイジアに比べると、短命であった故に印象は薄いかもしれませんが、なかなかいいバンドでした。
コメント 0