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90125 / YES [イエス]

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 イエス『ロンリー・ハート』
  1. ロンリー・ハート
  2. ホールド・オン
  3. イット・キャン・ハプン
  4. 変革
  5. シネマ
  6. リーヴ・イット
  7. アワ・ソング
  8. シティ・オブ・ラヴ
  9. ハーツ
  (ボーナス・トラック)
  10. リーヴ・イット(シングル・リミックス)
  11. メイク・イット・イージー
  12. イット・キャン・ハプン(シネマ・ヴァージョン)
  13. イッツ・オーヴァー
  14. ロンリー・ハート(エクステンデッド・リミックス)
  15. リーヴ・イット(ア・カペラ・ヴァージョン)

 前作『ドラマ』(1980年)のリリース後、イエスは解散を発表しました。『ドラマ』ではただひとりのオリジナル・メンバーとなってしまったクリス・スクワイア。彼が解散後、新たにパートナーに選んだのは、トレヴァー・ラビンでした。トレヴァーは1954年南アフリカ共和国生まれ。当時の南アフリカは、悪名高きアパルトヘイト(人種隔離政策)国家であったことから国際社会から排除されていたため、彼の名前には必ずと言っていいほど「南アフリカ出身」という説明がついていました。

 1983年、復活イエスの第一弾としてリリースされたこの作品は、シングル「ロンリー・ハート」がイエス初の全米No.1となるなど、彼ら最大のヒット作となりました。プロデュースは、前作『ドラマ』で僚友ジェフ・ダウンズとともに参加していた元バグルスのトレヴァー・ホーン。エレクトロニクスを多用し、モダンでポップな面が強調された作風は、昔からのファンを大いに驚かせたものでした。とはいうものの、「イット・キャン・ハプン」のスペイシーな感覚や、トレヴァー・ラビンとジョン・アンダーソン2人のヴォーカルをフィーチャーした「リーヴ・イット」徐々に盛り上がるアンサンブルには「イエスらしさ」を私は感じましたが。とりわけ、印象的なイントロで始まる「変革」での、イエスならではの緻密な構成とハードなドライヴ感は、まさに「新生イエス」を感じさせます。

 この『90125』で音楽的なイニシアティヴを握っていたのはトレヴァー・ラビンです。いわゆる「プログレ・ハード」風味を大胆に取り入れています。このことは、解散後に彼が自分の名義でリリースしたイエス時代のデモ集『90124』を聴くとよく分かります。

 トレヴァー・ラビン『90124』
  1. ホールド・オン
  2. 変革
  3. ムーヴィング・イン
  4. ウッド・ユー・フィール・マイ・ラヴ?
  5. ホエア・ウィル・ユー・ビー
  6. ロンリー・ハート
  7. ウォールズ
  8. プロムナード
  9. ラヴ・ウィル・ファインド・ア・ウェイ
  10. ミラクル・オブ・ライフ
  11. シネマ

 『90124』と『90125』との間には、アレンジや雰囲気など同じ曲でもかなりの違いがあります。当初「シネマ」と命名されたプロジェクトに、ジョン・アンダーソンが加わって「イエス復活」となったことは有名な話ですが、トレヴァー・ラビンの音楽性にジョン・・アンダーソンの個性を加え、両者をエレクトロニクスで融合させという点で、トレヴァー・ホーンの功績は大きいと言えるでしょう。プログレ・ハードに「踊れる」というファクターをプラスしたことで、さらに音楽性の幅が広がっています。イエスらしい細部までこだわった緻密な構成を持ちながら、新しい要素を取り入れていくという「不易と流行」を体現した点にこの作品のすばらしさ(そしてイエスというバンドの息の長さ)はあると思います。


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 シングル・カットされた「ロンリー・ハート」と「リーヴ・イット」は、当時流行した12インチでもリリースされました。
「ロンリー・ハート」の12インチヴァージョンは、CDにボーナス・トラックとして収録されていますが、「リーヴ・イット」の「Hello, Goodbye Mix」はCD未収なのが残念です。また、 『90125』の現行盤に収録されているボーナス・トラックのうち、「メイク・イット・イージー」「イット・キャン・ハプン(シネマ・ヴァージョン)」の2曲はボックス『イエス・イヤーズ』に収録されていますが、同じころ「ロンリー・ハート」はリミックスされました。
 『Owner Of A Lonely Heart』 (B8712CD)
1. Original Version
2. Wonderous Mix
3. 2 Close to the Edge Mix
4. Not Fragile Mix
 それぞれ、かつてのイエスの名曲のタイトルにインスパイアされたネーミングになっています。




90124

90124

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ミュージック・シーン
  • 発売日: 2010/09/25
  • メディア: CD



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