HEAVEN UP HERE / ECHO & THE BUNNYMEN [エコー&ザ・バニーメン]
ヘヴン・アップ・ヒア / エコー&ザ・バニーメン
01. Show Of Strength
02. With A Hip
03. Over The Wall
04. It Was A Pleasure
05. A Promise
06. Heaven Up Here
07. The Disease
08. All My Colours
09. No Dark Things
10. Turquoise Days
11. All I Want
12. Broke My Neck (Long Version)
13. Show Of Strength (Live)
14. The Disease (Live)
15. All I Want (Live)
16. Zimbo (Live)
エコバニ(バニーズ?「マクドかマックか」みたい)の1~3枚目はどれも出来が良く、最高傑作は?と問われても即答できず、仕方なく「とりあえずファースト聴いてみて」ということになる。確かに80年代のUKニュー・ウェーヴを回顧する特集では、彼らのファーストが紹介されることが多い。しかし、アルバム全体に漂う緊張感、さらにそれらとは相容れないような深みと繊細さを兼ね備えているといった「'80s New Wave感」から、私はこのセカンド(81年)をあげたい。暗闇から光に向かって突き進むような「A Promise」(アナログではA面ラスト)からと「タイトルナンバー「Heaven Up Here」への、一呼吸置いたつながりが大好きだ。トーキング・ヘッズ的アフロ・ビートの「All My Colours」の、「Zimbo」への進化も興味深い(トーキング・ヘッズの『リメイン・イン・ライト』がリリースされたのは、このアルバムがリリースされる前年1980年である)。「It Was A Pleasure」「All I Want」でのイアンは、デヴィッド・バーン的な雰囲気も感じられる。
憂鬱ながら深みのあるヴォーカル、空気を切り裂いて空高く広がっていくようなギター、リズム・セクションのタイトで硬質なグルーヴ感....すべてが素晴らしい。こうしたサウンドを支えているのは、ヒュー・ジョーンズによるプロデュース。ひんやりとした独特な空間を感じさせる感覚は、ジャケット写真そのまま。しかし奇跡的な化学反応のように思えるこのテンションの高さを持続できるはずもなく、以降の彼らは徐々にエッジが感じられないサウンドになっていく。
正直言って、50歳を過ぎた現在聴くのはつらい作品。「天国はこにある」と言われても、ザ・スミスやロータス・イーターズのように「日常に疲れたときに聴きたくなる音楽」ではない。今の僕には、エコバニなら4枚目『オーシャン・レイン』がいちばんしっくりくる。
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