BRYTER LAYTER / NICK DREAK [ニック・ドレイク]
ブライター・レイター / ニック・ドレイク
01. イントロダクション
02. ヘイジー・ジェーン2
03. アット・ザ・チャイム・オブ・ザ・シティ・クロック
04. ワン・オブ・ジーズ・シングス・ファースト
05. ヘイジー・ジェーン1
06. ブライター・レイター
07. フライ
08. プア・ボーイ
09. ノーザン・スカイ
10. サンデイ
ニック・ドレイク、というと「内省的」「陰翳」というイメージだが、この2枚目(70年)はバックの演奏が華やかで、明るいイメージを打ち出した作品に仕上がっている。ニックの少しくぐもったような歌い方はそのままだが、全体的に明るさが感じられる。一方でストリングスやリズム・セクションのアレンはもほどよく抑制が効いており、曲の良さがよく生かされている。プロデュースは前作同様ジョー・ボイド、リズム隊もデイヴ・ペグ(ベース)とデイヴ・マタックス(ドラム)のフェアポート組が固めており、「ヘイジー・ジェーン2」にはリチャード・トンプソンもクレジットされている。そして「フライ」と「ノーザン・スカイ」には、元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルが参加。なお「プア・ボーイ」にバック・ヴォーカルでクレジットされているパット・アーノルドは、P.P.アーノルドとして知られる女性ソウル・シンガーで、イミディエイト・レコードのアンドリュー・オールダムが彼女のバック・バンドとしてつくったのが、後にELPへと発展するザ・ナイスである。
「アット・ザ・チャイム・オブ・ザ・シティ・クロック」や「プア・ボーイ」など、曲によってはジャズ的な雰囲気も感じられ、続く「ワン・オブ・ジーズ・シングス・ファースト」は、レッド・ツェッペリンの「ザッツ・ザ・ウェイ」や「カリフォルニア」を彷彿とさせる。なかでも、ジョン・ケイルによる明るくリリカルなピアノをバックにした「ノーザン・スカイ」は、聴く人を陽光の中に誘うかのような名曲。裏ジャケの後ろ姿からは、希望に向かって歩いていくような雰囲気も感じられる。いい作品だと思う。
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