Isolar II Tour の音源(その3:映像) [デヴィッド・ボウイ]
Isolar II Tour のステージ映像としては、4月10日のダラス、5月22日のウィーン、5月27日のマルセイユ、6月30日&7月1日のアールズ・コートといったところをYoutubeで見ることができる。
1978年4月10日 ダラス
しかし決定版映像はツアー千秋楽の12月12日の東京公演だろう。この映像はNHKのテレビ番組「ヤング・ミュージック・ショー」のために収録されたもので、場所が前日までの武道館ではなく渋谷のNHKホール(「紅白歌合戦」の会場)である。そのためスタッフが撮影慣れしておりカメラワークが的確で、さらにハコのサイズ(キャパは武道館の1/3)・音楽イベント仕様(NHK交響楽団の本拠地)といった条件のせいか、音も近く聞こえる。
カルロス・アロマーのタクトがリードする重厚かつ荘厳な「ワルシャワ」でコンサートは幕を開ける。最初に少し笑みをうかべて会釈するボウイがカッコいい。縦横無尽にギターを弾きまくるエイドリアン・ブリューの奇才ぶりと、大きな役割を果たしているサイモン・ハウスのエレクトリック・ヴァオリンが目を引くが、中でも「ステイション・トゥ・ステイション」オープニングでのロジャー・パウエルとエイドリアン・ブリューの絡みは圧巻である。曲によっては照明のせいでステージが暗く、バックメンバーにカメラが当たっても姿が見えないことがあるが、『ステージ』のジャケット写真と同じライトが背景で点滅しているので、曲によっては意図的にステージの照明を暗くしていたのだろう。ドラマーのデヴィス・ディヴィスが映画『猿の惑星』のザイアス博士っぽい被り物をつけて演奏しているのが面白い。テレビ放送時につけられた「"ヒーローズ"」の訳詞は、歌とあってない部分も多く、個人的には邪魔である。音源だけを収録したCDの方が音が良いが(FM音源?)、撮影に慣れたスタッフが手掛けたこともあり、音が少々悪くても映像アリのほうがはるかに楽しめる。
雑誌『レコード・コレクターズ』の増刊号『デヴィッド・ボウイ・アンソロジー』では大鷹俊一さんが「日本公演ではドラムスがチェスター・トンプスンだったから、もっとオイシかった」(30㌻)、保科好宏さんが「この年の暮れ、ドラマーのみチェスター・トンプソンに替わって2度目の来日公演を行った」(103㌻)と述べているが(いずれもライヴ盤『ステージ』の項)、NHK放送版を見る限り最終日のドラムはデヴィス・デイヴィスである。チェスター・トンプソンが叩いたのは、いつのステージだったのだろう。
日本公演以外では、ヨーロッパ・ツアー中の5月にドイツのブレーメンで収録されたスタジオ・ライヴが面白い。口パクではなく実際に演奏している点でも貴重だが、なによりメロディ度外視のノイジーなギターを弾きまくるエイドリアン・ブリューのエキセントリックなプレイが見ものだ。しかもそれを楽しそうにプレイしており、誰も止められず手が付けられない感じである。
【CD 1】TOKYO
01. WARSZAWA
02. "HEROES"
03. FAME
04. BEAUTY AND THE BEAST
05. FIVE YEARS
06. SOUL LOVE
07. STAR
08. HANG ON TO YOURSELF
09. ZIGGY STARDUST
10. SUFFRAGETTE CITY
11. STATION TO STATION
12. TVC15
13. JAPANESE TV INTERVIEW
【CD 2】DALLAS(1-6)&BREMEN(7-14)
01. WHAT IN THE WORLD
02. BLACKOUT
03. SENSE OF DOUBT
04. THE SPEED OF LIFE
05. HANG ON TO YOURSELF
06. ZIGGY STARDUST
07. SENSE OF DOUBT
08. BEAUTY AND THE BEAST
09. "HEROES"
10. STAY
11. THE JEAN GENIE
12. TVC15
13. ALABAMA SONG (MOON OF ALABAMA)
14. REBEL REBEL
1978年5月22日 ウィーン
1978年5月27日 マルセイユ
1978年6月30日 ロンドン(アールズ・コート)
しかし決定版映像はツアー千秋楽の12月12日の東京公演だろう。この映像はNHKのテレビ番組「ヤング・ミュージック・ショー」のために収録されたもので、場所が前日までの武道館ではなく渋谷のNHKホール(「紅白歌合戦」の会場)である。そのためスタッフが撮影慣れしておりカメラワークが的確で、さらにハコのサイズ(キャパは武道館の1/3)・音楽イベント仕様(NHK交響楽団の本拠地)といった条件のせいか、音も近く聞こえる。
カルロス・アロマーのタクトがリードする重厚かつ荘厳な「ワルシャワ」でコンサートは幕を開ける。最初に少し笑みをうかべて会釈するボウイがカッコいい。縦横無尽にギターを弾きまくるエイドリアン・ブリューの奇才ぶりと、大きな役割を果たしているサイモン・ハウスのエレクトリック・ヴァオリンが目を引くが、中でも「ステイション・トゥ・ステイション」オープニングでのロジャー・パウエルとエイドリアン・ブリューの絡みは圧巻である。曲によっては照明のせいでステージが暗く、バックメンバーにカメラが当たっても姿が見えないことがあるが、『ステージ』のジャケット写真と同じライトが背景で点滅しているので、曲によっては意図的にステージの照明を暗くしていたのだろう。ドラマーのデヴィス・ディヴィスが映画『猿の惑星』のザイアス博士っぽい被り物をつけて演奏しているのが面白い。テレビ放送時につけられた「"ヒーローズ"」の訳詞は、歌とあってない部分も多く、個人的には邪魔である。音源だけを収録したCDの方が音が良いが(FM音源?)、撮影に慣れたスタッフが手掛けたこともあり、音が少々悪くても映像アリのほうがはるかに楽しめる。
雑誌『レコード・コレクターズ』の増刊号『デヴィッド・ボウイ・アンソロジー』では大鷹俊一さんが「日本公演ではドラムスがチェスター・トンプスンだったから、もっとオイシかった」(30㌻)、保科好宏さんが「この年の暮れ、ドラマーのみチェスター・トンプソンに替わって2度目の来日公演を行った」(103㌻)と述べているが(いずれもライヴ盤『ステージ』の項)、NHK放送版を見る限り最終日のドラムはデヴィス・デイヴィスである。チェスター・トンプソンが叩いたのは、いつのステージだったのだろう。
日本公演以外では、ヨーロッパ・ツアー中の5月にドイツのブレーメンで収録されたスタジオ・ライヴが面白い。口パクではなく実際に演奏している点でも貴重だが、なによりメロディ度外視のノイジーなギターを弾きまくるエイドリアン・ブリューのエキセントリックなプレイが見ものだ。しかもそれを楽しそうにプレイしており、誰も止められず手が付けられない感じである。
オススメのアイテムは、NHKとブレーメンに加えてダラスの映像も収録した『1978 LIVE TOKYO-DALLAS-BREMEN』(SOUND & VISION ARCHIVE COLLECTION )。CDのみ、DVDのみもあるが、CD2枚+DVD1枚の3枚組仕様もあり(CDとDVDは同内容だが、CDの方が音が良い)。
【CD 1】TOKYO
01. WARSZAWA
02. "HEROES"
03. FAME
04. BEAUTY AND THE BEAST
05. FIVE YEARS
06. SOUL LOVE
07. STAR
08. HANG ON TO YOURSELF
09. ZIGGY STARDUST
10. SUFFRAGETTE CITY
11. STATION TO STATION
12. TVC15
13. JAPANESE TV INTERVIEW
【CD 2】DALLAS(1-6)&BREMEN(7-14)
01. WHAT IN THE WORLD
02. BLACKOUT
03. SENSE OF DOUBT
04. THE SPEED OF LIFE
05. HANG ON TO YOURSELF
06. ZIGGY STARDUST
07. SENSE OF DOUBT
08. BEAUTY AND THE BEAST
09. "HEROES"
10. STAY
11. THE JEAN GENIE
12. TVC15
13. ALABAMA SONG (MOON OF ALABAMA)
14. REBEL REBEL
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