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バンド・オン・ザ・ラン / ポール・マッカートニー&ウィングス [ビートルズ]

 雑誌『レコード・コレクターズ』2020年9月号の特集は、「ポール・マッカートニー ベスト・ソングス100」。選ばれた100曲のうち、アルバム『バンド・オン・ザ・ラン』にはイギリス盤収録の7曲が、アメリカ盤収録の8曲が収録されている。

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『バンド・オン・ザ・ラン』収録曲
 2位 「バンド・オン・ザ・ラン」
 8位 「ジェット」
 13位 「ブルーバード」
 44位 「レット・ミー・ロール・イット」
 66位 「西暦1985年」
 80位 「愛しのヘレン」※米盤のみの収録
 81位 「ミセス・ヴァンデビルト」
 96位 「ピカソの遺言」

 ポール・マッカートニーはソロになってからも素晴らしく良い曲が多いので、一番よく聞くのは『ウィングス・グレイテスト・ヒッツ』だけど、アルバム単位となると『バンド・オン・ザ・ラン』が良い。ビートルズ時代の「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を思い起こさせる、曲の組み合わせの妙技が冴えわたるタイトル・ナンバーから、ロックンローラー・ポールの面目躍如とも言える「ジェット」、そしてサックスが良い感じのしっとりしたアコースティック・ナンバー「ブルーバード」、♪ホッ、ヘイホッという奇妙な掛け声が印象的(アフリカン?)な「ミセス・ヴァンデビルト」まで、「静→動→静→動」と続く流れは素晴らしい。なかでも「ジェット」はポールの曲の中でも別格のカッコよさだと思う。ホーンによるドラマティックなオープニングから、ドラムに導かれて始まるムーグとベースを組み合わせた重低音リズム、印象的なコーラス、そしてムーグによる間奏部からラストを締めるサックスまで、まったくスキのない完成度の高さはもはや神。この曲を聴いて以来、ボウイの「サフラジェット・シティ」とかJAPANの「ヨーロピアン・サン」(ヴェルヴェッツの曲とは同名異曲)など「suffragette」という言葉が出てくる曲にはおおっと思うようになってしまった。

 牧歌的なアコースティック・ナンバーとロックンロール、ポールの「車の両輪」ともいえる才能がよくわかるアルバムである。私が中学生の頃に買った東芝EMI盤(EPS-80235)は、英国仕様で「愛しのヘレン」は収録されていない。1999年には25周年記念盤として2枚組でリリースされたがインタビューが中心で、未発表テイクと言っても80年代や90年代にレコーディングされたものもあり、あまり面白くない。2001年にリリースされた「デラックス・エディション」にはシングルのB面曲「カントリードリーマー」と「ズーギャング」が収録されているので、25周年記念盤はスルーしてよい。





バンド・オン・ザ・ラン(紙ジャケット仕様)

バンド・オン・ザ・ラン(紙ジャケット仕様)

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2017/12/13
  • メディア: CD



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