Faded Seaside Glamour / Delays　ディレイズ：「英国ロックの深い森」の入り口：SSブログ

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Faded Seaside Glamour / Delays　ディレイズ　[ラフ・トレード・レコード] [編集]

　自分よりも若いアーティストが亡くなるのは、なかなか悲しい。活動休止中だったディレイズは、ガンと闘病中だったフロントマンのグレッグ・ギルバートが亡くなったことにより、その20年に及ぶ活動に終止符を打つことになってしまった。享年44歳。R.I.P.

　ディレイズはグレッグ（リード・ヴォーカル＆ギター）とアーロン（キーボード＆ヴォーカル）のギルバート兄弟を中心にしたサウサンプトン出身の４人組のバンド。2003年にシングル「Nearer Than Heaven」でデビューし、これまでに４枚のアルバムをリリースしている。このバンドの魅力は、浮遊感のあるドリーミーなメロディーに乗った、グレッグのちょっと切ない感じのファルセット・ヴォーカル。ちょっとバーズっぽいハモり具合も心地よい。エレクトロニクスで味付けをしたギター中心のサウンドは、80年代のギターポップ/ネオアコ系にも通じる。最初の２枚のアルバムは名門ラフ・トレードからリリースされ、グレッグのイケメンぶりとも相まって日本でも好評だった。その後2008年と2010年にアルバムをリリースし、５枚目のアルバムをレコーディング中と伝えられたもののリリースには至らず、2010年の『Star Tiger Star Ariel』が最後の作品となった。Amazonのマーケット・プレイスやメルカリでは投げ売り状態のバンドだが、忘れてしまうには惜しいバンドである。

以下、『NME Japan』の記事より
・ディレイズのシンガーのグレッグ・ギルバート、ガンと診断されて治療費が募られることに(2016) https://nme-jp.com/news/31360/
・ディレイズのグレッグ・ギルバート、ガンとの闘病を描いた詩が桂冠詩人に選ばれることに(2019) https://nme-jp.com/news/67225/
・ディレイズのフロントマンであるグレッグ・ギルバートが逝去（2021）
　https://nme-jp.com/news/107728/

　1stアルバム『フェイデッド・シーサイド・グラマー』（2004年）からは計３枚のシングルがカットされたが、２枚の先行シングルを含むミニ・アルバム『Delays Debut EP』（2003年）が日本独自でリリースされた。youtubeなどがなかったころはPCでビデオクリップを見ることができる「エンハンスド仕様」のCDがよくあったが、『Delays Debut EP』には「ヘイ・ガール」、『フェイデッド・シーサイド・グラマー』には「ロング・タイム・カミング」のビデオが収録されていた。日本盤の『フェイデッド～』はジャケ違いで、また英国盤『フェイデッド～』にはDVD（シングル３枚のPV＋ライヴ５曲）がコンパイルされたヴァージョンもあり。