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Colossal Youth / Young Marble Giants ヤング・マーブル・ジャイアンツ [ラフ・トレード・レコード]

 『レコード・コレクターズ』2022年7月号の特集は、創刊40周年特別企画の一環「80年代のロック・アルバム200」。15年前の2007年7月号の特集も、同様に創刊25周年企画の「80年代ロック・アルバム・ベスト100」だった。1位のトーキング・ヘッズ『リメイン・イン・ライト』と2位のU2『ヨシュア・トゥリー』は変わらないが、15年前に3位だったスクリッティ・ポリッティ『キューピッド&サイケ'85』が14位に下がり、一方で15年前には48位(22位の『ブラック・シー』、45位の『イングリッシュ・セトゥルメント』より下)だったXTC『スカイラーキング』が5位となっている。
 中でも驚いたのが、15年前29位だったヤング・マーブル・ジャイアンツが7位に上がり、プリファブ・スプラウト『スティーヴ・マックイーン』(10位)、ジョイ・ディヴィジョン『クローサー』(22位)よりも上にランクされていたこと。レビューにもある通り「40周年の節目のリリースや彼らのインタビューが脚光を浴びて間もなかった」ということもあるだろうが、それでも増補版がリリースされている ザ・スミス『クイーン・イズ・デッド』(15位)やプリンス『サイン・オブ・ザ・タイムス』(9位)よりも上であり、残した作品は1枚だけというバンドであることを思えばオドロキである。アーティストの大物度よりも、アルバムそのもの=作品としてのインパクトがいかに強かったかを物語っている。

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【『コロッサル・ユース』40周年記念盤リリース時のインタビュー】
・アリソン・スタットンとスチュワート・モクサムのインタビュー
  https://turntokyo.com/features/young-marble-giants-interview/
・アリソン・スタットンとスチュワート・モクサムのインタビュー
  http://www.ele-king.net/interviews/007923/
・アリソン・スタットンが選ぶ5枚
  https://rollingstonejapan.com/articles/detail/36840 
・スチュワート・モクサムが選ぶ10枚
  https://rollingstonejapan.com/articles/detail/36957


 私は1990年のデヴァイン&スタットンから遡り、ウィークエンド、YMGと聴いてきたクチで、最初に買った『コロッサル・ユース』は再発されたクレプスキュール盤だった。ある程度の予備知識はあったものの、予想した音楽とはあまりに違っていて唖然とした記憶がある。スカスカな音空間、結構鋭いギター、ボソボソと歌うアリソン・スタットン、オモチャみたいなチープな音のオルガンとリズムボックスと、正直その良さは当初わからず、何度も繰り返し聴いたものである。プロデュースには、元アモン・デュールⅡ~ホークウィンドのデイヴ・アンダーソンも加わっているが、おそらく彼が所有するスタジオ(フォーエル・スタジオ)でレコーディングされたことによるクレジットだと思われる。

 2020年にリリースされた40周年記念盤には、チェリー・レッドからリリースされていた『Live At The Hurrah』(2004年)のDVDが付属しているが、CDだけをみてみると、2007年にリリースされた『Colossal Youth & Collected Works』(CD3枚組)よりも収録曲数は少ない。DVDをぜひ見たいという人以外は、クレプスキュールの1枚モノで十分ではないか。以下リリースの変遷。

1.最初のリリース(1980年、ラフ・トレード) 15曲
2.最初の再発(1990年、ラフ・トレード)
  『Testcard E.P.』(1981)に収録されていた6曲を加えた全21曲
3.2度目の再発(1994年、クレプスキュール)
  ラフ・トレード再発盤に『Final Day』(1980)の3曲と、1979年のコンピレーション『Is The War Over?』に収録されていた「Ode To Booker T. 」の計4曲を加えた全25曲
4.3度目の再発(『Colossal Youth & Collected Works』2007年、ドミノ)
 CD3枚組で、CD1はオリジナル15曲、CD2はこれまでのボーナストラック10曲に、『Salad Days』(2000、Vinyl Japan)を加えた全26曲。CD3はBBCのジョン・ピール音源。これがあれば、音源はすべてそろう。私も一応買った。
5.40周年記念盤(『Colossal Youth / Loose Ends And Sharp Cuts』2020年、ドミノ)
 CD2枚+DVDの計3枚組。CD2「Loose Ends And Sharp Cuts」は、『Salad Days』ベースの全14曲。『Testcard E.P.』『Final Day』からの曲はオミットされているので、2007年盤を持っている人は、(DVDが欲しい人以外は)買う必要はないだろう。

  『Salad Days』は1979年年にYMGが自主制作したカセット『Colossal Youth』を、Vinyl Japanが2000年に再発したCD。インタビューの中で、アリソンが「最初のライヴの時にはカセットテープができていたと思う」と語っているのは、これを指している。もとは16曲だったのが、『Salad Days』は15曲で、その他トラック・リストも微妙に違っている。
自主制作『Colossal Youth』
https://www.discogs.com/ja/release/7325461-Young-Marble-Giants-Colossal-Youth
『Salad Days』
https://www.discogs.com/ja/release/830970-Young-Marble-Giants-Salad-Days






Colossal Youth

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  • アーティスト: Young Marble Giants
  • 出版社/メーカー: Domino
  • 発売日: 2007/07/14
  • メディア: CD



Colossal Youth -CD+DVD-

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  • アーティスト: Young Marble Giants
  • 出版社/メーカー: Domino
  • 発売日: 2020/11/27
  • メディア: CD



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  • 出版社/メーカー:
  • メディア: LP Record



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  • 発売日: 2020/12/11
  • メディア: CD



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