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La Varieté / Weekend ~ ヤング・マーブル・ジャイアンツ後のアリソン・スタットン [ラフ・トレード・レコード]

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 ヤング・マーブル・ジャイアンツの解散後、アリソン・スタントンがサイモン・ブース(後にワーキング・ウィークを結成)やスパイクとともに結成したのがウィークエンド。81年にラフ・トレードからアルバム『ラ・ヴァリエテ』をリリースしたが、これが唯一のアルバム。この後UK音楽シーンで顕著になるジャズやラテン、ボサノヴァさらにはアフロ系まで取り入れたサウンドの先駆的作品。時に感じるもの悲しさも魅力的。このアルバムをプロデュースしたロビン・ミラーは、その後EBTGやシャーデー、ファイン・ヤング・カニバルズなどジャズやボサノヴァなどを取り入れた作品を手がけたという点でも興味深い1枚。元YMGのフィリップ・モクサムもベースで参加。

 オリジナルは12曲入りだが、リイシューのたびにボーナストラックが異なるという困った作品である。まず1986年のジャパン・レコード盤(32JC-167)にはシングル「The View From Her Room / Leaves Of Spring」「Past Meets Present / Midnight Slows」の4曲が収録され、全16曲。ついで翌1987年にはミニアルバム『Live At Ronnie Scotts』の5曲を加えて『La Varieté - Live At Ronnie Scotts』としてリイシューされた。リリース元は、当時ラフ・トレードの販売権を持っていたビクター音産。中古盤市場ではこのビクター盤をよく見かけるので、日本ではいちばんなじみ深いのではないだろうか。1990年のラフ・トレード盤は、ジャパン・レコード盤の4曲プラス「Drum Beat For Baby (12" Mix) 」が追加され、計5曲のボーナス・トラック。さらに2000年のVynil Japan盤は、1995年に『'81Demos』としてリリースされた4曲を加えた全16曲。そして現行の2006年チェリー・レッド盤は、『'81Demos』からの曲とシングルの12インチ・ヴァージョンなど8曲のボーナス・トラックを加えた全20曲となっている。買うなら現行の20曲入りがベストだと思うが、『Live At Ronnie Scotts』の曲が収録されていないという点がなんとも痛い。公式音源を網羅しようとするなら、チェリー・レッドからリイシューされた『Live At Ronnie Scotts』(10曲のボーナス・トラック!)や、現在は入手が難しい『'81Demos』『Archive』まで揃えないといけないので、そろそろ彼女&彼らの音源を整理したボックスを期待したい。

 このアルバムをYMGの『コロッサル・ユース』と比較して「無難な進化」と書いている文章をみかけたが、かつてジョン・レノンが亡くなった後に見られた、ポール・マッカートニーを貶めるかのような風潮を思い出した。音楽的な普遍性は、YMGよりもウィークエンドの方が高いと思う。


Past Meets Present


Summer Days




La Varieté

La Varieté

  • アーティスト: Weekend
  • 出版社/メーカー: Cherry Red UK
  • 発売日: 2006/10/31
  • メディア: CD



ラ・バリエテ(+8/SHM-CD)

ラ・バリエテ(+8/SHM-CD)

  • アーティスト: Weekend
  • 出版社/メーカー: Cherry Red
  • 発売日: 2018/02/07
  • メディア: CD



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