THE SMITHS / THE SMITHS [ザ・スミス]
『ザ・スミス』
1.リール・アラウンド・ザ・ファウンテイン
2.ユーヴ・ゴット・エヴリシング・ナウ
3.ミゼラブル・ライ
4.プリティ・ガールズ・メイク・グレイヴズ
5.ザ・ハンド・ザット・ロックス・ザ・クレイドル
6.スティル・イル
7.ハンド・イン・グローヴ
8.ホワット・ディファレンス・ダズ・イット・メイク?
9.アイ・ドント・オウ・ユー・エニシング
10.サファー・リトル・チルドレン
80年代のイギリスを代表したバンド、ザ・スミスのデビュー・アルバム。このアルバムがリリースされたのは84年の2月で、それまでに彼らは83年の5月にファースト・シングル「ハンド・イン・グローヴ」、9月にセカンド・シングル「ディス・チャ-ミング・マン」、翌84年1月には3枚目となるシングル「ホワット・ディファレンス・ダズ・イット・メイク?」をリリースしていました。
当時ラジオ日本で大貫憲章氏と今泉恵子氏が夜の10時からやっていた番組、「サウンド・プロセッサー」(サンプロ)で流れた「ホワット・ディファレンス・ダズ・イット・メイク?」を聴いた私は彼らの虜となり、以来解散まで彼らの音楽を聴き続けました。すべてをリアル・タイムで知っている数少ないバンドの一つです。 84年当時、僕は高校三年の受験生で、受験勉強をしながら、『ハットフル・オブ・ホロウ』をひたすら聴いていました。「ホワット・ディファレンス・ダズ・イット・メイク?」の歌詞を覚えたのは、英語のテスト勉強に役立ったものです(笑)。大学入試センター試験(当時は共通一次試験と言ってました)の一ヶ月前に目の手術をし、試験は別室で一人で受験しましたが、それでもなんとかザ・スミスとU2の曲を聴いて乗り切ったという思い出があります。
このデビュー・アルバムは、音楽評論家の方々にはどうも評判がよろしくないようです。酷いのになると、「ジャケット(アンディ・ウォーホールの映画『フレッシュ』のワンシーン)に彼らの美意識が感じられる」というほめてるんだか貶しているんだかよくわからないレビューまである。
確かに、この後の彼らの活躍(と挫折)を知っている人が聴くと、曲とリズムは一本調子で起伏に乏しく、どれも同じに聞こえてしまうことでしょう。唯一ジョニー・マーのギターは閃きを感じさせますが、そのほかは演奏も稚拙で、特にモリッシーの歌は(テクニック的に)酷い。しかし今聴いてみると、楽曲のよさは耳を引きます。初期の彼らをネオ・アコ・バンドの一つとみる人も多かっのは、このアルバムに納められている、1や9,10といった優しげな曲の影響でしょう。初期の彼らの魅力は、「女々しさ」にあったような気もするんですがね。9でのポール・キャラック(元スクィーズ)のキーボードが、しっとりとした感じでgood。
このアルバムにはトロイ・テイト(元ティアドロップ・エクスプローズ)がプロデュースしたヴァージョンが存在します。全体的にテンポがゆったり目で、「女々しさ度」が強い感じがします。ラスト・ナンバーのエンディングについてるピアノはいい感じですがね。
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