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THE GARDEN OF JANE DELAWNEY / TREES [トラッド/ フォーク系]

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ジェーン・ドゥロウニーの庭 / トゥリーズ
 01. ナッシング・スペシャル
 02. ザ・グレート・シルキー
 03. ジェーン・ドゥロウニーの庭
 04. レディ・マーガレット
 05. グラスゲリオン
 06. 美しい時を過ぎて
 07. 道
 08. 碑文
 09. かたつむりの悲しみ

 2ndアルバム『オン・ザ・ショア』(1970)が英国プログレ・フォークの名盤として知られるトゥリーズの1stアルバム(1970)。全9曲のうち4曲がトラッド・ナンバーで、エレクトリック・トラッドの雰囲気は明らかにフェアポート・コンヴェンションからの影響を感じる(フェアポートの『リージ&リーフ』がリリースされたのは69年)。情感あふれる女性ヴォーカルもサンディ・デニー的だが、サンディに比べると儚さが2割増といった感じで、とてもよい。英国トラッド特有の陰翳はあるものの、暗すぎない適度なバランスがなかなかよい塩梅で、英国エレクトリック・トラッドの名盤である。ただしエレキ・ギターがやや過剰で、曲調にあまりそぐわないソロを長々と入れる中途半端な感じがなんとも惜しい。メロディアスでいい曲が多く、セリア・ハンフリーズ嬢のヴォーカルも素晴らしいのに、曲の印象を薄くしてしまっている。この点がデイヴ・スウォーブリックとリチャード・トンプソンを中心に、メンバーが火花散るようなバトルを繰り広げてみせたフェアポートとの違いか。「かたつむりの悲しみ」みたいな、泣きの哀愁ツイン・ヴォーカル路線をつきつめて欲しかった。タイトル曲は、オール・アバウト・イヴがカヴァーしている(シングル「What Kind of Fool」のB面)。

 6曲目「美しい時を過ぎて(She Moved Through the Fair)」はレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジがデイヴィ・グレアムからパクったと言われている「ホワイト・サマー」の原曲。フェアポート・コンヴェンションなどのトラッド勢から、アイレス・イン・ガザといったニューウェイヴ勢まで幅広い英国アーティストか取り上げている名曲だ。

【「She Moved Through the Fair」を取り上げたアーティスト】
 ・フェアポート・コンヴェンション(『ホワト・ウィ・ディド・オン・アワ・ホリデイズ』)
 ・アン・ブリッグス(『コレクション』)
 ・アイレス・イン・ガザ(『BACK FROM THE RAIN』に「She Moves Thru the Fair」というタイトルで収録)
 ・ペンタングル(『イン・ザ・ラウンド』)
 ・バート・ヤンシュ(『Toy Balloon』)
 ・ヴァン・モリソン(with チーフタンズ)(『アイリッシュ・ハートビート』)
 ・マリアンヌ・フェイスフル(『妖精の歌(North Country Maid )』と『Blazing Away』のライヴ・ヴァージョン)
 ・オール・アバウト・イヴ(『イヴの序曲』)
 ・フィアガル・シャーキー(元アンダートーンズ、『Songs from the Mardi Gras』)
 ・マイク・オールドフィールド(『ヴォイジャー』)

 ジャケットを描いたのは、メンバーの一人でギタリストのデヴィッド・コスタ(David Costa)だが、彼はソロ・ミュージシャンとして活動する傍ら、アーティストとして幅広く活動している。Allmusicで彼のクレジットを検索すると、クイーンの『オペラ座の夜』やジョージ・ハリスンの『オール・シングス・マスト・パス』をはじめ、エルトン・ジョン、ローリング・ストーンズ、フィル・コリンズなど有名アーティストのアートワークを多数手がけていることがよくわかる。
http://www.allmusic.com/artist/david-costa-mn0000523819/credits

 現行盤は、4曲のボーナス・トラック入り。
  10. 美しい時を過ぎて (デモ・バージョン)
  11. かわいいポリー (デモ・バージョン)
  12. 黒後家蜘蛛
  13. 小さな黒い雲


ジェーン・ドゥロウニーの庭(紙ジャケット仕様)

ジェーン・ドゥロウニーの庭(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2008/12/24
  • メディア: CD



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