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SECOND COMING / THE STONE ROSES [ザ・ストーン・ローゼズ]

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 89年のファースト・アルバム『石と薔薇』から実に5年半を経てリリースされた、ストーン・ローゼズのセカンド・アルバム。この間、かつて所属したインディーレーベルを襲撃してメンバーが逮捕されるという事件、所属レーベルの移籍、度重なるプロデューサーの交代などの混乱があり、ファンは期待よりも不安を持ってリリースを待っていた。今でこそ「やっぱりいいじゃん」的な評価を結構目にするが、リリース当時の評価はなかなか微妙であった。ファンが期待したキラキラフワフワしたサイケでポップな雰囲気は消え失せ、ギターのジョン・スクワイアを中心としたレッド・ツェッペリンのような重いサウンド(12曲中9曲がジョンの作品)に対しては、どちらかというと否定的な評価の方が目立っていたように思う。当時の肌感覚では「ストーン・ローゼズのファンには不評だが、一般的ロックファンには好評」といったところか。



The Stone Roses - Ten Storey Love Song



The Stone Roses - Begging You



The Stone Roses - Love Spreads


 このアルバムに対する評価が、リリース当時よりも解散してからの方が高くなったような気がするのは、ギター中心の英国ロックの伝統的な部分をしっかりと継承してるからだと思う。英国ロックにおける聖地の一つロックフィールド・スタジオ(ウェールズ)でレコーディングが行われたことは、メンバーにもそのような意識があったのではないかと想像させられる。一方で、独特のひんやりとしたグルーヴ感にも注目したい。アルバムから受ける印象は確かにツェッペリンだが、単なる模倣とは異なる印象を受けるのはこのグルーヴ感だと思う。それはツェッペリンよりも、「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」のようなビートルズの感触に近い。このグルーヴ感はレニ&マニのリズム隊の働きによるわけだが、前作と比べて二人の腕は格段に向上している。レッド・ツェッペリンのヘヴィさにビートルズのようなグルーヴ感を取り込んだような傑作アルバム、というのが私の評価。最初の5曲の出来は特に素晴らしい。



セカンド・カミング

セカンド・カミング

  • アーティスト: ザ・ストーン・ローゼズ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2002/06/05
  • メディア: CD


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