SSブログ

Door X / David Torn デヴィッド・トーン [スーパー・プロジェクト]

 デヴィッド・トーンのギター・プレイは変幻自在。無限に広がる大宇宙や大自然の中の夜明け、そして暮れなずむ大都会まで、私のイマジネーションを刺激してくれる。また、時に中近東風、時にヨーロピアンと無国籍風。私の中ではマイク・オールドフィールドと双璧なんだけど、マイクがナチュラル指向で一人で作っていくタイプなのに対して、デヴィッド・トーンはテクノロジーを駆使して、ゲスト・ミュージシャンの良さを引き出すことに長けている。そうしたデヴィッド・トーンの魅力がよく出ているのが、『Door X』(1990年)。前作『Cloud About Mercury』(87年)と並ぶ、私の愛聴盤である。

IMG_0689.jpg

  『Cloud About Mercury』には参加できなかったミック・カーンが参加した本作には、前作に引き続いてビル・ブルーフォードが参加し、安定した作品に仕上がっている。デヴィッド自身のヴォーカル(なかなかよい)をフィーチャーしたブルージーでジャジーな「voodoo chile」(ジミ・ヘンドリクスのカヴァー)や、ミック・カーンとの共作「Lion of Boaz」(ラッセル・ホーバンのファンタジー小説『ボアズ=ヤキンのライオン』にインスパイアされた)など聞き所も多いが、トランペットにクリス・ボッティを起用した「the others」の心地よさは最高(後にクリス・ボッティは、ビル・ブルーフォード、トニー・レヴィン、デヴィッド・トーンともにブルーフォード・レヴィン・アッパー・エクストリミティーズを結成する)。

David Torn - Voodoo Chile


David Torn - Lion of Boaz


David Torn - The Others


 『ミック・カーン自伝』によれば、元JAPANのメンバーによるレイン・トゥリー・クロウのプロデューサーとしてデヴィッド・トーンにもオファーがあったというが(結局実現しなかった)、このときミック・カーンから「デヴィッド・トーンに似てる」と言われたデヴィッド・シルヴィアンが自分のギター・ソロをすべて消去したというエピソードは面白い。



Door X

Door X

  • アーティスト: Torn, David
  • 出版社/メーカー: Windham Hill Records
  • 発売日: 1990/09/11
  • メディア: CD



ミック・カーン自伝

ミック・カーン自伝

  • 出版社/メーカー: リットーミュージック
  • 発売日: 2018/01/04
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Chantons Noël - Ghos..White Room / The KLF.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。