The Wild Swans / The Sire Years サイアー時代のワイルド・スワンズ [リヴァプールのアーティスト]
英国の80年代に強いリイシュー専門(というワケでもない....元ミッションのウェイン・ハッセイと元オール・アバウト・イヴのジュリアンヌ・リーガンの二人によるアルバムとかも出していた)レーベル、Optic Nerve Recordingsが、第1期ワイルド・スワンズ唯一の(そしてZooレーベル最後の)リリース「Revolutionary Spirit」を限定7インチとして再発するという。最初にリリースされたヴァージョンはZooのコンピレーション『Uncaged 1978-1982』にB面の「God Forbid」ともども収録されているが、「Revolutionary Spirit」はモノラル・ミックスになっていた。ステレオ・ミックスは、チェリー・レッドからリリースされた5枚組『Revolutionary Spirit』にも収録されているが、今回リリースされるヴァージョンは、全くのニューミックスだとのこと。日本国内でもHMVやタワー・レコードなどで予約受付が始まっている。
https://opticnerverecordings.com/products/wild-swans-the-revolutionary-spirit-7?variant=40615158644847
第1期ワイルド・スワンズ後のケアーとロータス・イーターズがともに解散した後、ポール・シンプソンは再びワイルド・スワンズの名義で活動をスタートする。第2期ワイルド・スワンズはワーナー傘下のサイアー・レコードと契約し、『ブリンギング・ホーム・ジ・アッシェズ』(1988年)・『スペース・フラワー』(1990年)の2枚のアルバムをリリースした。2枚とも優しいギター・ポップ・アルバムで、心が高揚していくような伸びやかなポール・シンプソンのヴォーカルが印象的だ。
ファースト・アルバム『ブリンギング・ホーム・ジ・アッシェズ』は、ポール・シンプソンとジェレミー・ケリー(ロータス・イーターズ)に加えてベーシストとしてジョゼフ・フィアロンの3名がクレジットされている。ポールのヴォーカルと、独特のエコーがかかったジェレミーのギターの組み合わせはとても優しく、時にセンチメンタル。アルバムのオープニング・ナンバー「Young Manhood」と2曲目の「Bible Dreams」の2曲がシングルとしてカットされた。プロデューサーのポール・ハーディーマンはエンジニア畑の人物で、ペイル・ファウンテンズの『フロム・アクロス・ザ・キッチン・テーブル』(プロデュースはイアン・ブロウディ)やケイト・ブッシュの『ドリーミング』等にクレジットされている。このポール・ハーディーマン、ケイト・ブッシュの「狂気の家」では「Voice ["Eeyore"] 」、ザ・ザの「ジャイアント」では「Vocals [Chant]」とクレジットされるなど、時々レコーディングに参加しているようだが本作ではそれらしいクレジットは見あたらない。プロモーションのため、『Music And Talk From Liverpool』と題されたプロモーション盤が制作された。『ブリンギング・ホーム・ジ・アッシェズ』からの4曲に「Revolutionary Spirit」を加えた5曲入りで、曲間にはジェレミー・ケリーのコメントが入っている。
Music And Talk From Liverpool
01. Young Manhood
02. A Few Words From Jeremy Kelly...
03. Mythical Beast
04. A Few More Words..
05. Northern England
06. And Some More...
07. Bible Dreams
08. Summing It All Up...
09. Revolutionary Spirit
続く『スペース・フラワー』は、ケアー時代の僚友イアン・ブロウディのプロデュース。ドラマーとして、元アイシクル・ワークス~ラーズ~オアシスのクリス・シャーロックがクレジットされている。ベースのジョゼフ・フィアロンは前作に引き続きだがジェレミーが抜けて、ギターはアイシクル・ワークスのイアン・マクナブとイアン・ブロウディ。前作に続いてメロディアスなギター・ポップ作品で、イアン・ブロウディによってポップ度が増し、前作よりも明るい作品に仕上がった。
サイアー時代の2枚のアルバムは、いずれもアメリカで先行発売されている。メジャーへの移籍とアメリカ市場の重視とも言える動きは、ややもすると「メジャーに魂を売った」等の批判をされることもあるが、ワイルド・スワンズに限ってはそうした批判を目にしたことはない。サイアー時代の2枚のクオリティの高さを物語っているとも思うが、ポール・シンプソン自身は、サイアー時代を振り返って「メジャーの考えはウイルスのようだ。バンドを始めた理由を忘れてしまい、売れる曲を求める考えに陥ってしまう」と語っている。[http://www.noripcord.com/features/wild-swans-interview-paul-simpson]
サイアー時代の2枚は1999年に日本でCD化され、一時は海外でも高値で取引されていたが、2007年にサイアーから2枚組『Magnitude (The Sire Years)』として再発された。
『ブリンギング・ホーム・ジ・アッシェズ』には4曲、『スペース・フラワー』には7曲のボーナス・トラックが収録されている。CD1のボーナス・トラックは、11と12が「Young Manhood」12インチのB面、13と14が「Bible Dreams」12インチのB面。CD2の12は2001年にリヴァプールのレーベルViperからリリースされた『Unearthed Liverpool Cult Classics Vol.1 』に収録されたヴァージョンで、女性コーラスなども加えられたゴージャスなミックス。17は「Melting Blue Delicious」のプロトタイプで、ドラムがカッコいい。
『Magnitude (The Sire Years)』
CD1 【Bringing Home The Ashes】
11. Holy Holy
12. The World Of Milk And Blood
13. 1982
14. Pure Evil
CD2 【Space Flower】
06. Tastes Like Tuesday (previously unreleased)
12. Melting Blue Delicious (Bill Drummond Single Version)
13. Sugar Engines (Demo)
14. Chocolate Bubblegum (Demo)
15. Lantern Man (Demo)
16. Magic Hotel (Demo)
17. Telescope (Demo)
ワイルド・スワンズはフィリピンで人気がある(ノルウェーのフラ・リッポ・リッピもフィリピンで人気があるそうだ)。2006年にはフィリピン・オンリーで『The Platinum Collection』というサイアー時代のコンピレーションがリリースされている。3枚目のアルバム『The Coldest Winter for a Hundred Years』(2011年)がリリースされた時、彼らが英国以外でライヴを行ったのは、フィリピンだけだった。このとき、エコバニのレス・パティンソンがベーシストとして同行している。
https://www.pressreader.com/philippines/sunstar-cebu/20111008/282995396623968
https://opticnerverecordings.com/products/wild-swans-the-revolutionary-spirit-7?variant=40615158644847
第1期ワイルド・スワンズ後のケアーとロータス・イーターズがともに解散した後、ポール・シンプソンは再びワイルド・スワンズの名義で活動をスタートする。第2期ワイルド・スワンズはワーナー傘下のサイアー・レコードと契約し、『ブリンギング・ホーム・ジ・アッシェズ』(1988年)・『スペース・フラワー』(1990年)の2枚のアルバムをリリースした。2枚とも優しいギター・ポップ・アルバムで、心が高揚していくような伸びやかなポール・シンプソンのヴォーカルが印象的だ。
ファースト・アルバム『ブリンギング・ホーム・ジ・アッシェズ』は、ポール・シンプソンとジェレミー・ケリー(ロータス・イーターズ)に加えてベーシストとしてジョゼフ・フィアロンの3名がクレジットされている。ポールのヴォーカルと、独特のエコーがかかったジェレミーのギターの組み合わせはとても優しく、時にセンチメンタル。アルバムのオープニング・ナンバー「Young Manhood」と2曲目の「Bible Dreams」の2曲がシングルとしてカットされた。プロデューサーのポール・ハーディーマンはエンジニア畑の人物で、ペイル・ファウンテンズの『フロム・アクロス・ザ・キッチン・テーブル』(プロデュースはイアン・ブロウディ)やケイト・ブッシュの『ドリーミング』等にクレジットされている。このポール・ハーディーマン、ケイト・ブッシュの「狂気の家」では「Voice ["Eeyore"] 」、ザ・ザの「ジャイアント」では「Vocals [Chant]」とクレジットされるなど、時々レコーディングに参加しているようだが本作ではそれらしいクレジットは見あたらない。プロモーションのため、『Music And Talk From Liverpool』と題されたプロモーション盤が制作された。『ブリンギング・ホーム・ジ・アッシェズ』からの4曲に「Revolutionary Spirit」を加えた5曲入りで、曲間にはジェレミー・ケリーのコメントが入っている。
Music And Talk From Liverpool
01. Young Manhood
02. A Few Words From Jeremy Kelly...
03. Mythical Beast
04. A Few More Words..
05. Northern England
06. And Some More...
07. Bible Dreams
08. Summing It All Up...
09. Revolutionary Spirit
続く『スペース・フラワー』は、ケアー時代の僚友イアン・ブロウディのプロデュース。ドラマーとして、元アイシクル・ワークス~ラーズ~オアシスのクリス・シャーロックがクレジットされている。ベースのジョゼフ・フィアロンは前作に引き続きだがジェレミーが抜けて、ギターはアイシクル・ワークスのイアン・マクナブとイアン・ブロウディ。前作に続いてメロディアスなギター・ポップ作品で、イアン・ブロウディによってポップ度が増し、前作よりも明るい作品に仕上がった。
The Wild Swans - Archangels (Music Video)
サイアー時代の2枚のアルバムは、いずれもアメリカで先行発売されている。メジャーへの移籍とアメリカ市場の重視とも言える動きは、ややもすると「メジャーに魂を売った」等の批判をされることもあるが、ワイルド・スワンズに限ってはそうした批判を目にしたことはない。サイアー時代の2枚のクオリティの高さを物語っているとも思うが、ポール・シンプソン自身は、サイアー時代を振り返って「メジャーの考えはウイルスのようだ。バンドを始めた理由を忘れてしまい、売れる曲を求める考えに陥ってしまう」と語っている。[http://www.noripcord.com/features/wild-swans-interview-paul-simpson]
サイアー時代の2枚は1999年に日本でCD化され、一時は海外でも高値で取引されていたが、2007年にサイアーから2枚組『Magnitude (The Sire Years)』として再発された。
『ブリンギング・ホーム・ジ・アッシェズ』には4曲、『スペース・フラワー』には7曲のボーナス・トラックが収録されている。CD1のボーナス・トラックは、11と12が「Young Manhood」12インチのB面、13と14が「Bible Dreams」12インチのB面。CD2の12は2001年にリヴァプールのレーベルViperからリリースされた『Unearthed Liverpool Cult Classics Vol.1 』に収録されたヴァージョンで、女性コーラスなども加えられたゴージャスなミックス。17は「Melting Blue Delicious」のプロトタイプで、ドラムがカッコいい。
Melting Blue Delicious (Bill Drummond Single Version)
Telescope (Demo)
『Magnitude (The Sire Years)』
CD1 【Bringing Home The Ashes】
11. Holy Holy
12. The World Of Milk And Blood
13. 1982
14. Pure Evil
CD2 【Space Flower】
06. Tastes Like Tuesday (previously unreleased)
12. Melting Blue Delicious (Bill Drummond Single Version)
13. Sugar Engines (Demo)
14. Chocolate Bubblegum (Demo)
15. Lantern Man (Demo)
16. Magic Hotel (Demo)
17. Telescope (Demo)
ワイルド・スワンズはフィリピンで人気がある(ノルウェーのフラ・リッポ・リッピもフィリピンで人気があるそうだ)。2006年にはフィリピン・オンリーで『The Platinum Collection』というサイアー時代のコンピレーションがリリースされている。3枚目のアルバム『The Coldest Winter for a Hundred Years』(2011年)がリリースされた時、彼らが英国以外でライヴを行ったのは、フィリピンだけだった。このとき、エコバニのレス・パティンソンがベーシストとして同行している。
https://www.pressreader.com/philippines/sunstar-cebu/20111008/282995396623968
The Wild Swans Live in Cebu, Philippines!
The Wild Swans - Worst Year of My Life (Live in Manila)
PAUL SIMPSON FULL SET NEW WAVE FESTIVAL MANILA
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