Ashes Are Burning / Renaissance 燃ゆる灰 [プログレ系]
結成50周年ということで、2019年には旧譜のリマスタード&イクスパンディド・エディションがリリースされたルネッサンス(ただし1969年に結成されたのはジェーン・レルフの方のルネッサンス)。数多い作品群の中でもルネッサンスの最高傑作にして、英国ロック史上に燦然と輝く名作が、新生ルネッサンスの2作目(ルネッサンスとしては4作目)に当たる『燃ゆる灰』である。
01. Can You Understand
02. Let It Grow
03. On The Frontier
04. Carpet Of The Sun
05. At The Harbour
06. Ashes Are Burning
演奏の中心はジョン・タウトによるクラシカルでリリカルなピアノだが、このバンドの魅力は彼のピアノと女性ヴォーカリスト、アニー・ハズラムによるヴォーカルとの美しいコンビネーションにある。アニーの伸びやかで澄んだハイトーン・ヴォーカルは、優しい声質ながらちょっと哀感をも感じさせるが、なかでもラストの11分にわたるタイトル・ナンバーは、その魅力が十分に発揮された一曲。静かなピアノで始まりアニー・ハズラムのクルスタル・ヴォイスに導かれて徐々にドラマティックに展開していき、後半部ではヴォーカルに被ってアンディ・パウエル(ウィッシュボーン・アッシュ)の「泣き」のギターが入ってくる。英国ロックらしい、華麗で格調高く独特の暗さも感じる名作。
オープニング・ナンバー「キャン・ユー・アンダースタンド」におけるストリングスを使った間奏は映画『ドクトル・ジバゴ』のサントラ「Tonya and Yuri Arrive At Varykino」のメロディーが使われている。このため一部のアルバムには「Composed By [Instrumental Section] – Maurice Jarre」と、「Tonya and Yuri Arrive At Varykino」の作曲者であるモーリス・ジャールもクレジットされている。ダンフォードはこのメロディーをパブリックドメインのロシアの民謡だと勘違いしてそのまま使ったらしい。
ヒプノシスがデザインしたこのアルバムのジャケットには二種類のカヴァーがあり、構成はそっくりだが、UK盤ではアニーが微笑んでいるのにたいしてUS盤でのアニーは不機嫌そうに見える。また「渚にて」(At the Harbour)のオリジナルは6分を越える長さの曲だったが、一時は3分に編集された長さになっていた。これは同曲にドビュッシーの「前奏曲」が使われていたためで、著作権の変更により一時的に引用不可となっていたからである。
私が最初に買った日本盤(TOCP-6800)はオビに「世界初CD化」と書かれており、「不機嫌ジャケ」+「ドビュッシーなし」だったが、次に買ったドイツ盤(REP 4575-WY)は、「微笑ジャケ」+「ドビュッシーあり」、そして2001年にリリースされた日本盤(TOCP-65593)は「微笑ジャケ」+「ドビュッシーありなし両方(「なし」はボーナス・トラック扱い)」になっていた。2019年にリリースされた「50周年記念」には、74年にBBCで放送された3曲「Can You Understand」「 Let It Grow」「Ashes Are Burning」がボーナス・トラックとして収録されている。
「太陽のカーペット」にはジェーン・レルフによるデモ・ヴァージョンが存在しており、2枚組CD『ジェーン・レルフ・コンプリート・コレクション』にボーナス・トラックとして収録されているが、実はデモの方が「完全版」である。インナー・スリーヴの歌詞を読みながら聴いた人は気づいたと思うが、アニー版「太陽のカーペット」では「Come along and try, looking into ways of giving.」で始まる2番の部分がカットされている。一方、ジェーン版ではこの部分も歌われている。
01. Can You Understand
02. Let It Grow
03. On The Frontier
04. Carpet Of The Sun
05. At The Harbour
06. Ashes Are Burning
演奏の中心はジョン・タウトによるクラシカルでリリカルなピアノだが、このバンドの魅力は彼のピアノと女性ヴォーカリスト、アニー・ハズラムによるヴォーカルとの美しいコンビネーションにある。アニーの伸びやかで澄んだハイトーン・ヴォーカルは、優しい声質ながらちょっと哀感をも感じさせるが、なかでもラストの11分にわたるタイトル・ナンバーは、その魅力が十分に発揮された一曲。静かなピアノで始まりアニー・ハズラムのクルスタル・ヴォイスに導かれて徐々にドラマティックに展開していき、後半部ではヴォーカルに被ってアンディ・パウエル(ウィッシュボーン・アッシュ)の「泣き」のギターが入ってくる。英国ロックらしい、華麗で格調高く独特の暗さも感じる名作。
RENAISSANCE - Ashes Are Burning [LIVE IN STUDIO] 1974 RARE
オープニング・ナンバー「キャン・ユー・アンダースタンド」におけるストリングスを使った間奏は映画『ドクトル・ジバゴ』のサントラ「Tonya and Yuri Arrive At Varykino」のメロディーが使われている。このため一部のアルバムには「Composed By [Instrumental Section] – Maurice Jarre」と、「Tonya and Yuri Arrive At Varykino」の作曲者であるモーリス・ジャールもクレジットされている。ダンフォードはこのメロディーをパブリックドメインのロシアの民謡だと勘違いしてそのまま使ったらしい。
Tonya and Yuri Arrive At Varykino
ヒプノシスがデザインしたこのアルバムのジャケットには二種類のカヴァーがあり、構成はそっくりだが、UK盤ではアニーが微笑んでいるのにたいしてUS盤でのアニーは不機嫌そうに見える。また「渚にて」(At the Harbour)のオリジナルは6分を越える長さの曲だったが、一時は3分に編集された長さになっていた。これは同曲にドビュッシーの「前奏曲」が使われていたためで、著作権の変更により一時的に引用不可となっていたからである。
私が最初に買った日本盤(TOCP-6800)はオビに「世界初CD化」と書かれており、「不機嫌ジャケ」+「ドビュッシーなし」だったが、次に買ったドイツ盤(REP 4575-WY)は、「微笑ジャケ」+「ドビュッシーあり」、そして2001年にリリースされた日本盤(TOCP-65593)は「微笑ジャケ」+「ドビュッシーありなし両方(「なし」はボーナス・トラック扱い)」になっていた。2019年にリリースされた「50周年記念」には、74年にBBCで放送された3曲「Can You Understand」「 Let It Grow」「Ashes Are Burning」がボーナス・トラックとして収録されている。
「太陽のカーペット」にはジェーン・レルフによるデモ・ヴァージョンが存在しており、2枚組CD『ジェーン・レルフ・コンプリート・コレクション』にボーナス・トラックとして収録されているが、実はデモの方が「完全版」である。インナー・スリーヴの歌詞を読みながら聴いた人は気づいたと思うが、アニー版「太陽のカーペット」では「Come along and try, looking into ways of giving.」で始まる2番の部分がカットされている。一方、ジェーン版ではこの部分も歌われている。
Renaissance - Carpet of the Sun
Carpet of the Sun (feat. Renaissance) · Jane Relf
燃ゆる灰:50thアニヴァーサリー・ライヴ・イン・コンサート (2CD+DVD+Blu-ray)
- アーティスト: ルネッサンス
- 出版社/メーカー: DISK UNION
- 発売日: 2021/06/19
- メディア: CD
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