EMERSON,LAKE&PALMER 1974年の公式音源 [エマーソン、レイク&パーマー]
1.『レディース・アンド・ジェントルメン』
1974年2月10日にアナハイム・コンベンション・センター(カリフォルニア州)で行われたライヴを収録した公式ライヴ盤。アナログ時代はLP3枚組という大作であったにもかかわらず、『ビルボード』のアルバム・チャートで4位まで上がった。このことからも、当時のELP人気がいかに高かったのかが理解できる。アナログ盤では収録時間の関係から、「タルカス」か途中で切れてしまっていた(「戦場~エピタフ」が1枚目のB面で、「アクアタルカス」が2枚目のC面になっていた)が、CD化されてからはつながって聴くことができる。
2.『キング・ビスケット・ライヴ』
アメリカの「キング・ビスケット・フラワー・アワー」というラジオ番組のために収録された音源をCD化したもの。1977年と74年のステージが収録されており、74年の音源は3月7日にオクラホマ州タルサで収録されたもので、「ホウダウン」「スティル…ユー・ターン・ミー・オン」「ラッキー・マン」「ピアノ・インプロヴィゼイション」「悪の教典#9」が収録されている。
このCDは2枚組で、CD2はエクストラ仕様になっている。視聴にはアップルのQuickTimeが必要なのだが、QuickTimeはすでにサポートを終了している。現在のWindows10の環境で視聴するには、CD内の「MEDIA」フォルダにある「MOVファイル」を開くとよい。内容はメンバー3人が活動当時を回想したインタビューである。私がキースの「縦回転ピアノ」を初めて見たのがこのインタビューだった。
3.『カリフォルニア・ジャム』
「カリフォルニア・ジャム」は、1974年4月6日、カリフォルニア州オンタリオ・モーター・スピードウェイで開催されたフェスで、ELPのほかディープ・パープルやイーグルス、ブラック・サバスなどが出演。ELPは大トリを務めたものの、ディープ・パープルとどちらがヘッド・ライナーかで揉めたという話が残っている。このフェスの模様はオフィシャルCDの『ゼン&ナウ』に収録されているが、2枚組DVD『ビヨンド・ザ・ビギニング』のディスク2に、『ゼン&ナウ』には収録されていなかった「キエフの大門」まで含めた映像がフルで収録されている。『ゼン&ナウ』は花火の音で終わっているが、DVDではこの花火を合図にキースがグランドピアノに向かい、回転ピアノのパフォーマンスを披露する模様も収録されている。グレッグ・レイクはガムを噛みながら歌っており、なぜあんなに上手く歌えるのか不思議だ。DVD『ビヨンド・ザ・ビギニング』はなかなか良い内容なのだが、いかんせん画像と音質が悪く、また「カリフォルニア・ジャム」の模様はディスク1にも一部収録されており、編集もいまひとつ感が否めない。せめてリマスターして再発して欲しい。グレッグ・レイクの「夢見るクリスマス」はリリース版とは異なり、コーラスやオーケストラが入っており、このヴァージョンをぜひ良い音で聴きたいものだ。また73年のミラノ公演の「ホウダウン」が収録されているが、キース・エマーソン怒濤のプレイに圧倒される。この公演をぜひフルで見たい。